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おバカ編集部HYPER 浜田和幸先生(経済学者)に日本経済&世界情勢を学ぶ
5月20日 update

公定歩合、ペイオフ、デフレ・・・・。テレビや新聞で耳にする、政治や経済の言葉。でも、皆ちゃんと意味わかってる?今更聞けない用語、けれども知らぬは一生の恥。浜田先生~!おバカ編集部に、愛のご講義を!



- 本日の課題 - 第3回
年金【ねんきん】

▼おバカ編集部
年金がもらえなくなるかも!?って最近良く耳にするんですが、それって本当ですか?払ってない人は当然ですが、払っている人ももらえない可能性が出てくるんですか?

▼浜田先生
全くもらえないというわけではないんですが、予定していた金額がもらえなくなる可能性はあります。従来であれば国民年金と厚生年金の組み合わせで、毎月20万円とか25万円くらいはもらえるはずだったのが、かなり少なくなってしまって、3分の1とか、半分ぐらいしかもらえなくなる可能性が大変高いですね。

▼おバカ編集部
エッ~そんな・・・。国を信頼してお金を払っている人がバカみたいじゃないですか!それに年金って勝手に会社から引き落とされていますが、「国民年金を払いましょう!」って言っているのは何なんですか?

▼浜田先生
年金には、「厚生年金」と「国民年金」というのがあるんですよ。貴方が加入されているのは厚生年金ですね。厚生年金は、支払いの一部を企業が負担してくれているんです。厚生年金には国民年金も含まれています。国民年金は、企業に属していても、属していなくても、日本国民であれば20歳以上の人は全員払うべきということになっています。

▼おバカ編集部
学生さんでも払うって事ですか?

▼浜田先生
そうです。年をとって働けなくなったときに、必要最低限の生活が維持できるように国が保証しましょうってことから年金制度はスタートしました。でも、全部を国が負担することは出来ないから、成人した人には全員、年金の積み立てを薦めているんです。国は、皆が払った年金をある程度運用して、65歳になった時に、最低限の生活ができるように年金を払うということにしたわけです。

ただ、国民年金の金額だけでは十分な保証にならないケースもあるので、企業で働いている方は、会社側が厚生年金という年金を、国民年金に上乗せして加入しているんです。厚生年金っていうのは、貴方のように会社で働いていれば、もらっている月収の17%ぐらい、賞与の場合は1%、給料天引きで国に納めているわけです。厚生年金に入っている人も、ベースは国民年金があって、そのベースの上に厚生年金があるわけです。

▼おバカ編集部
2つも払っていることになるんですか?なんか多く年金を取られている気がして損している気分ですが・・・。

▼浜田先生
それは違いますよ。厚生年金を払っている人は、国民年金とダブルで年金ももらえるんです。国民年金の場合だけだと、65歳からもらえる金額は6万円くらい。でも月に6万円じゃ、大変ですよね。厚生年金に加入している場合は、自分のもらっている給料に応じて、その17%だから、たくさんお給料をもらっている人は、たくさん払うけど、その分、退職して働けなくなったときに、払った分に合わせて、たくさんの年金をもらえるわけですね。6万円のベースにプラスアルファーでもらえるわけです。プラスアルファー分は人それぞれ違いますが、65歳以上の男性で平均すると、だいたい月に16万円ぐらいもらっています。大小はありますが平均すると25万ぐらいになります。厚生年金にずっと加入していた人は、仕事をしなくなった後も、そのくらいはもらえるわけですね。

▼おバカ編集部
それだけもらえれば安心ですね。国民年金だけに加入している人は、どのくらい払っているのですか?

▼浜田先生
国民年金だけの場合は、支払いが毎月13300円と決まっています。毎月払っても良いんですが、年間でまとめて払うと6%くらい安くなる特典があります。国民年金・厚生年金の加入者共通ですが、40年間払い続けた人は、65歳から満額でもらえますが、早く欲しいという人には、60歳からでも年金の一部をもらえるシステムもあります。

▼おバカ編集部
そうなんですね。何かしっかりとしたシステムみたいに感じますが、どうして年金がもらえなくなるかも!?という危機が起きているんですか?

▼浜田先生
はい。実は、以前の日本人口の年齢層の割合いではとても良い制度だったんですが、今の日本の人口は、どんどん高齢化が進んで、若い方が減ってきているわけです。お年寄りは、医療の発展もあり、平均寿命が延びてますよね。でも、子供の数は減っています。例えば、以前だったら、現役で働いている人が、10人で1人のお年よりの年金を負担していたのが、5人で1人、3人で1人というように年金をもらう人を支える人の数が少なくなってきているんです。それに加えて、年金を受け取る人の数がどんどん増えているわけです。

▼おバカ編集部
預かっているお金と、支払うお金のバランスが取れなくなってしまったということですね。すごく深刻な問題じゃないですか!国は何もしていないのですか?

▼浜田先生
国もいろいろやっているんですよ。国民年金の投資基金というのがあるんです。
一応、国としても株に投資したりしています。皆さんが払った国民年金を、そのまま持っているだけでは増えないから、ある程度、運用しようとしているんですね。利益を出して、少しでも還元できるように考えているんですが、お役人のやっていることだから、専門家ではないのでね。(苦笑)すごい大赤字なんですよ。国民年金基金が株の運用の失敗でだした損失というのが、だいたい6兆円ぐらい。国会でも問題なっています。アメリカとかイギリスの年金っていうのは、国債など、ある程度堅実なところで運用しているんです。ですから、日本のこういう例は珍しいのです。日本は国債に運用するよりは、社債(株)に投資して、運用力を上げようとしてきたんですが、かえってそれがあだとなり急激な景気の悪化と、株価の暴落のおかげで、6兆円がすっ飛んでしまったのです。

▼おバカ編集部
すっ飛んじゃったって!!そんなぁ~それって国のせいじゃないですか!そんなところにお金を払いたくなくなりますよ。

▼浜田先生
そうですよね。当然、そう思いますよね。若い人たちが、そういうニュースをテレビで聞くでしょ。そうすると、自分達はお金をちゃんと払っても、もらう頃には、お金が無くなっているんじゃないかと考えてしまうんです。年金を払っても、もらえるか、もらえないか、分からないんだったら、もうイヤだって思いますよね。厚生年金の場合は給料から天引きになっているから拒否できないけど、国民年金を払っている人は、もう払わない方がいいんじゃないかと考える人が増えてしまいますよ。国民年金を払うべき3人に1人が無駄だと考えて払ってないのが現状です。本来なら、月々13300円払わなきゃいけないのに、払ってない人が増えてきているのは問題です。ますます財源が先細ってきてしまって、悪循環が起きているんです。子供や働く人の数が減ってきている上に、年金を払わない人が増えてきている、それに比べて、ご老人の数は増えてきている。そうすると、どう考えても国民年金は、もうパンク状態。あと20年でパンクするという、民間調査もあるくらいです。20年よりもっと早くなるかもしれませんよ。そう考えると、あと20年でパンクするんだったら、20代の方だったら、40歳すぎてパンクすることになります。65歳になっても当然、年金をもらえないですよね。

▼おバカ編集部
そ、そんな・・・。何か、た、た、対策を考えてないんですか?

▼浜田先生
また怒ると思いますが・・・。(苦笑)
厚生労働省も、これは大変だっていうことで、今は、65歳から年金をもらえるようになっていますが、年金をもらえる年齢を70歳まで引き伸ばしましょうという提案と、さらに全体的に年金のもらえる金額を抑えて、年金の支払いの額を下げようとしているんです。

厚生年金の場合にも、今はお給料の17%ぐらいの支払いですが、十分な年金が払えなくなる可能性が高いので、もう少し支払う金額を増やしましょうと提案しているんです。会社の場合だと天引きなので、本人の意向とは関係なしに、一番取りやすいわけですね。2004年から、年金制度が変わることになったので、そのために今、国会でもいろいろ審議しているんですよ。2004年以降、厚生年金を払っている人は、月収の20%ぐらいまで支払額を上げましょうと考えているんです。本当は、20%でも足りないくらいまでになっていて、25%、30%ぐらいもらわないとまわらないんです。要するに、払っていない人が多いから、取れる人から、たくさん取らないと年金が維持できないという状況になってきているわけです。

▼おバカ編集部
また私達に負担がかかってくるんですね(涙)年金制度は日本だけなのですか?年金の制度は失敗だったってこと?

▼浜田先生
アメリカやイギリスも年金制度はありますが、わりと欧米は、個人の意思である程度、中身が替えられるシステムが多いようです。今、年金をもらっている人だと、年金という制度があって良かったんですよ。長生きすれば、払っている分より、はるかにたくさんもらえる、すごく条件の良い投資だったわけです。年金を国民が全員払っていて、資金の蓄えも大きいものがありましたからね。日本の景気も良かったので、物価が下がって、赤字が出ることがなかったわけです。今、年金をもらっている人達は、すごくラッキーなんですよ。そういうラッキーな状況は、残念ながらこれからは期待できないでしょう。一番良いのは、もっともっと人口が増えて、年金をもらっている人よりも、支える人が増えれば良いのですが、無理やり人口を増やすわけにはいかないから、それは難しい。そうなると、利回りの良い運用方法を考えて、今ある資金を増やすことです。でも、今までの流れからそういうことは、あんまり期待できないんです。実際、6兆円以上の赤字が出てしまっているから、なかなか難しいですね。

▼おバカ編集部
そうですね。ハァ~今まで払ってきた年金ってどうなっちゃうのですか?働いて10年くらい経つんですが・・・。払うだけ払ってもらえないのですか?

▼浜田先生
最初にお話したように、全然もらえないってことはないですよ。例えば、国民年金だけで考えると、もらえる金額っていうのは、最大でも月6万円ちょっとだから、もしかすると、半額の3万円しかもらえないことになるかも。いずれにしても、3万円・6万円では、いくら慎ましい生活をするにしても厳しいですよね。家族がいて、基本的に子供達が自分を見てくれるという状況のもとで、月に3万円のお小遣いを国からもらえるというように割り切れば、それはそれで良いんですが、ある程度、美味しい物を食べたり、旅行に行ったり、いろいろな事をしたいということになると、ちょっとそれでは厳しいですよね。後は、1人1人の考え方ですね。だから、得かどうかっていうのは、将来もらえないかもしれない年金のために、月々13300円払うという道を選ぶか、国に13300円払うんだったら、その資金で株を買いますっていうのもありだと思います。

▼おバカ編集部
でも、年金を払うのは義務なんですよね?

▼浜田先生
義務だけれども、払わないからといって罰則はないんですよ。将来、その人が年金をもらえなくなるだけなんです。例えば、20年間ずっと年金を払い続けて、途中で払うのを辞めてしまうと、国のもらい得なんですよ。20年間払ってるだけじゃ年金はもらえないんです。日本では、国民年金っていうのは、一応義務づけられているから、払っていないと督促状ってのが来ますけどね。

▼おバカ編集部
あっ!家に届いていました!!妹が派遣で働いているから、国民年金を払っていたんです。ニュースなどを見て、年金を納めるのをやめていたみたいです。

▼浜田先生
年に6回、払っていない人に督促することになっているんですよ。でもね、督促状の届く人と、届かない人がいるんですよ。督促は年金をもらえなくなる可能性が低い人のところに行くんですよ(苦笑)。逆に、もうある程度、部分的に年金の掛金を払ってきた人、例えば10年間ぐらい、あるいは20年間ぐらい払ってきた人で、あともう少し払うと、年金をもらう条件を満たすという人には、あえて督促状はいかないんですよ。払うだけ払って、もらえないという人が結構いるんですよ。

▼おバカ編集部
もったいないですね。でも、払いたくても経済的な事情で、払えない人もいるんじゃないですか?そういう人への対策ってあるのですか?

▼浜田先生
収入の都合で、月々13300円払えないという方もいますよね。そういう人には、収入に応じて対策が練られています。例えば、全額支払を免除して半分で良いとか、3分の1で良いとか、免除される制度があります。当然、免除された額を払っている方は、支払っている額が少ないから、65歳になった時にもらえる金額は少ないですよ。満額ではもらえません。半額しか払っていない人は半額、3分の1しか払っていない人は、3分の1ですよね。当然のことながら減って支払われます。

▼おバカ編集部
なるほど。そういう対策は練られているんですね。でも、経済的な理由でなくて払わなかった期間がある方は?

▼浜田先生
例えば、10年間、アメリカで仕事をしていて、アメリカで税金を払って、アメリカで生活していたという場合は、年金の支払い期間、40年の中から10年間引いてくれて30年間払えば良いことになります。当然、支払っている金額が少ないので、40年間払っている方と比べると、65歳でもらえる金額は、10年間払っていない分は計算されて、減った金額が支払われることになります。その他、結婚してご主人の年金に組み込まれる場合など、また条件が違ってきます。払い忘れてしまった分は、後で払うことも出来ますよ。国を信じて払うっていう気持ちがあればですが・・・。

▼おバカ編集部
国を信じるって言われても、考えちゃいますよね。これから年金制度ってどうなっていくんでしょうか?

▼浜田先生
こんなずさんな年金の資金運用していたのでは、国民の信頼を得られなくなるし、これではダメだと国会でも問題にしているんです。抜本的な仕組みを変えるしかないんですよね。仕組みを変えるといっても、基本的に年金は、今働いている人が、将来のためにお金を払って、まとまったお金で国が利益を出して、将来を保障していく。その仕組みは変わらないわけです。なので結局は、民間のアイディアを入れていかないとダメだということですよ。だからとはいえ、日本の民間の金融機関や保険会社などが、みんな上手くいっているわけではないですよね。そうなると頼みは外資系になってしまいます。利益をあげられる人、あげられない人が出てくる可能性があり、リスクを伴いますが「401K」という、確定拠出型年金制度みたいなものを日本に入れるべきか、議論になっているんです。国は、「401K」を導入すれば、今までと違って、「国がやっているんだから、間違いないと思っていたのにダメだった!」と言われることを防げますからね。皆さんが自分で判断した結果、たくさんもらえる人もいるけれど、赤字の人も出てくる。「皆さんが自分で決めた判断の結果だから、国は責任を持ちませんよ」と言えますからね。ある意味で、責任を国民一人一人に負わせることになるわけです。それが、日本人の体質にあうかどうか難しいところですが。

▼おバカ編集部
国は無責任な感じがしますね。でも、現状を考えると将来の蓄えは自分で考えた方が良さそうですね。

▼浜田先生
国の年金には頼らなくてもいいという考えで、自分達で一生懸命働いて蓄えるのが利巧かもしれませんね。日本で働いて、老後は、ニュージーランドとか、オーストラリアなど、物価が安くて、気候も穏やかなところに住むという人生設計をたてる人もいます。選択も増えてきているわけですね。いろいろな可能性が出てきて、いろいろな価値観が生まれてきているわけですから、年金制度だって変わってきて当然だと思いますよ。本当は皆が、今日より明日が良くなる、今年より来年は良くなるという夢や希望を、国がちゃんと持たせてくれないといけないんですがね。老後のことなんか心配しなくても、皆が安心して日々を過ごせるような、安心感のある社会にしていかないと、経済も潤わないですよね。皆、将来のことが心配で、当然、お金を使わなくなりますからね。とにかく若い人達が、年金の心配するということ自体、もう国の制度がダメということかもしれません。


Profile 浜田 和幸(はまだ かずゆき)浜田 和幸先生

1953年鳥取県生まれ。東京外語大学中国科卒業後、米ジョージ・ワシントン大学大学院政治学博士課程修了。戦略国際問題研究所主任研究員等を経て帰国。現在、国際未来科学研究所代表。また国連大学アメリカ評議会ミレニアム未来研究委員、21世紀の成長企業を探る研究会座長などを歴任。

→主な著書

浜田先生へ質問!
あなたが疑問に思っていることをおバカ編集部が浜田先生に取材します。


知っツモ!WORD
国債
国債は国が発行する債券。償還日(満期日)の額面金額の償還や利払いが国によって保証されています。

401K
「確定拠出年金」のこと。毎月、一定額の掛け金を積み立てて運用し、その運用成で将来受け取る年金額が変動すると言う年金。加入者自身が積立金の運用商品を選択し商品を変更することができるため、個人による自己責任型の年金制度といえます。




おバカ編集部の目からウロコ
-編集後記-
お話を伺って、自分の老後がすごく心配になりました。年金だけをあてにしていたらとても生活出来そうにないですね。民間企業の年金プランを真剣に考えていく必要性を感じました。結構な金額の年金を毎月払っているのに、払った金額よりもらえる金額が少なくなる可能性が大きいなんて・・・。国民の為の年金制度が、国の為の年金制度に代わってしまっているんですね。本当に日本の将来って不安だらけですね。

おバカ編集部 廣田美千代



これまで学んだこと
第22回 「10年後の日本」 第21回 「増税」
第20回 「企業買収」 第19回 「内閣改造」
第18回 「郵政民営化」 第17回 「アメリカ経済 2」
第16回 「アメリカ経済」 第15回 「上場」
第14回 「新貨幣」 第13回 「海外支援」
第12回 「1円企業」 第11回 「高速道路」
第10回 「株式」 第9回 「税金」
第8回 「りそな銀行」 第7回 「通貨」
第6回 「国連」 第5回 「デフレ」
第4回 「有事法案」 第3回 「年金」
第2回 「竹中 平蔵」 第1回 「ペイオフ」


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菅さんと小沢さん、あなたが首相になってほしいのは?

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