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6月20日 update |

| 公定歩合、ペイオフ、デフレ・・・・。テレビや新聞で耳にする、政治や経済の言葉。でも、みんなちゃんと意味わかってる?今更聞けない用語、けれども知らぬは一生の恥。浜田先生~! おバカ編集部に、愛のご講義を! |
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▼おバカ編集部 今回は経済ではないのですが、アメリカとイラクは戦争を始めそうですし、この間は、北朝鮮がミサイルを発射したりと、緊張した状況が続いてますが、日本って大丈夫なんでしょうか?
▼浜田先生 北朝鮮のミサイル発射は、それほど問題にする必要はありません。北朝鮮という国は、自分達にとって、大きな影響があるような出来事が起こる直前には、いつもああいうことをするんです。
▼おバカ編集部 ちょっと悪あがきっぽい感じですか?
▼浜田先生 まあ、悪あがきと言うか、自分達の存在をアピールしている感じですね。自分達の国を無視すると、とんでもない事になるということを伝えたいんでしょうね。言ってみれば、デモンストレーションです。今回も韓国の大統領の就任式当日でしょ。アメリカのパウエル国務長官が、最初に日本に来て、中国、韓国と訪問しましたね。「イラクとの問題、ちゃんと協力してくれよ」と、圧力をかけに来たわけです。アメリカは、「イラクとの問題が片付いた後は、北朝鮮との問題を解決する」と言っているわけですから、それに対して、「俺たちは、そんな脅しにはのらない」ということを表明したくて、「ミサイルだって持っているぞ」というところを示したわけです。そういうことをしょっちゅうするんですよ。
▼おバカ編集部 そうなんですね。最近、「有事法案」って言葉をよく耳にしますが、「有事法案」って戦争に参加する法案なんですよね?
▼浜田先生 違います!勘違いしないで下さい。有事法案が提出されているのは、「有事」の時に備えて、きちんとした法律を整えておかないと、皆があたふたして、国を守れないといけないからという事なんです。「武力攻撃事態法案」、「自衛隊法改正案」、「安全保障会議設置法改正案」、この3つをまとめて「有事法制三法案」と言います。なぜ、こういう法案がでてきたかというと言うと、ひとつには、9.11のテロです。アメリカで、あれほど大きなテロが起こったことで、もし日本でもああいうことが起こった時に、どうやってテロと戦うのかという問題や、現実に北朝鮮の不審船が日本の海に侵入してきて、追跡していた海上保安庁の警備艇が銃撃を受けたりしていますよね。日本の領海や領空が侵犯されたりする事が、具体的な問題として起きているのに、今の日本の法律だと何の対応も出来ないからなんです。日本は、「専守防衛」を国是としているため、守るだけで攻撃は出来ないわけです。敵が日本に攻め込んで来て、日本人が被害を受けた時に、初めて反撃できることになっているのです。
▼おバカ編集部 えっ~!敵が目の前にいても攻撃されるまで手を出せないんですか?されるがままじゃないですか!
▼浜田先生 そうなんですよ。第二次大戦の教訓から、日本は平和国家を目指すことになりました。そこで、二度と日本から他の国に行って、侵略や戦争はしないことに決めたのです。憲法の中で、武力を持たないということをうたっているわけですね。でも、そうはいってもイラクやイラン、北朝鮮でも、軍事力を持ってて、周りの国を攻め込んだりしているわけだから、日本が、いくら攻めませんと言っても、向こうが攻めてくることもあります。やられっぱなしでいいのかって、国民だって不安に思うじゃないですか。だから、この有事法案っていうのは、「有事」を想定して提出されているんです。「有事」というのは、例えば北朝鮮が、日本に向けてミサイルを発射する準備をしているのを偵察機で発見した時には、まだミサイルを発射していない状況でも、あきらかに日本に向けて、発射されようとしている場合、ミサイルが発射される前に、こちらから何らかの形で防ぐということが出来るようにする法案なんです。
▼おバカ編集部 それは日本が危険な時だけに適用されるんですか?他の国が危険にさらされている時は、どうなんですか?
▼浜田先生 日本が狙われている時だけではなくて、日本の周辺で、そういう問題が起こった時に、日本としても傍観しているわけにはいかない、ということも含まれています。周辺事態として日本の安全に重大な影響を起こすようなこと、例えば、朝鮮半島で、北朝鮮と韓国が戦争を始めるとか、中国大陸が台湾に攻め込んでくるなんてことがあると、日本は、石油を海外に頼っているわけですよね。しかも、その8割近くが中東地域から石油を輸入しているわけです。そうすると長い距離をタンカーが日本に向かって石油を運んで来る途中で、どこか悪意を持った国が日本を締め付けてやろうと、日本のタンカーを爆破したり、乗っ取ったりすることが起きる可能性がないとは言えない。実際にそういう事件が過去にありますしね。そうなると、日本が直接攻撃を受けなくても、日本にとって、石油が入ってこなくなるということは、日本に対して危害を加えていると同じ事なんです。周辺の国で起こったことに対して、海外で自衛隊が、ある意味、軍事力を行使して日本に対する危害を食い止めたり、排除するということが出来るようにしておかないと、実際、何か起こってからでは、大慌てしてしまいますよね。そういう場合に備えて、事前にきちんと法律を整えておきましょうというのが、この有事関連三法案の本来の趣旨なんです。
▼おバカ編集部 いざっ!って時にその方が安心ですもんね。
▼浜田先生 ただ、これに関しても賛否両論があります。この法案に賛成している人達は、今、お話したように、危険に備えるということで賛成なんですが、当然、反対する人達もいます。そこには、幾つか理由があります。例えば、アメリカのイラク攻撃に後方支援という形で、自衛隊が現地の近くに派遣されて行くのは、日本がかつてのような侵略戦争を繰り返しているだけだという意見もあるのです。自衛隊がアメリカ軍と一緒になって、海外に出かけて戦争をするわけですからね。それと、プライバシーの問題もかかわってきます。例えば、テロなどを防ぐために、日頃、国民が何を考えているのか把握しておく必要が出てきます。普段まじめな人が、ある日突然、テロリストだったということが発覚することがアメリカでも起きています。そこで、アメリカは、9.11以降、通信傍受をはじめ個人が一体どんな新聞や雑誌を読んでいるのか、どんなサイトにアクセスして、どんな情報を求めているのか、そういうことをモニターするようになりました。テロの後に、アメリカで、「愛国法案」というのが通って、テロを再び起こさないようにするためには、陰に紛れて生活している危険な連中をちゃんと調べ出して、彼らが再びテロを起こす前に取り締まろうということになったのです。それと同じようなことを日本でもやろうとしているんじゃないかと反対しているわけです。プライバシーの保護という立場から、「住基ネット」などに反対する人達と「有事法案」に反対している人達というのは、根っこが同じ部分にあるわけです。
▼おバカ編集部 自分が悪い事をしてないのに、不自由な生活をしいられることを心配しているんですね。
▼浜田先生 そうなんです。それに、「テロとの戦い」などという大義名分をかかげているが、実際は、お金の流れや、情報の流れというのを把握して、政府に対して少しでも反対するような事をしそうな人は、前もって捕まえてしまおうとしているのではないかと警戒しているわけですね。怪しい人物と判断されたら、その人の通信をいつでも傍受できるという事になりかねない。これでは、プライバシーがなくなってしまいすからね。例えばテロが起きたため、飛行機に乗る時に検査や警備がすごく厳しくなったでしょ。テロリストが爆弾など持っていると困るから、皆、不便は感じているけれど、安全のためには必要なことだと思う人と、自分は一切持ってないし、そういうことを考えてもいないのに、なんで厳しくチェックされなきゃいけないんだ、そんなの嫌だと思う人がいるんですね。個人の思想からはじまり、何にお金を使っているとか、どんな店に行っているとか、普段の生活のありとあらゆる場面を全部、国が調べだしたら、独裁国家どころか、囚人のように管理されることになりかねないと心配しているわけです。それに、有事というけれど、本当に、日本を攻めてくる国がどこにあるのか?と感じている人もいるでしょう。あくまでも本当の狙いは、国民を監視する為じゃないか、国民の自由を奪うようなことになるのではないかと、「有事法案」に反対する人達は主張しているのです。
▼おバカ編集部 難しい問題なんですね。でも、最近急に「有事法案」って言葉を頻繁に耳にするようになったのは、将来に備えるというよりは、アメリカとイラクの戦争に協力する為に急いで可決しようとしているように感じるんですが・・・。
▼浜田先生 もちろん、そういう側面もあります。例えば、今回のイラクとの件でも、日本とすればアメリカが、フセイン政権に対して戦うというのであれば、それを後方支援せざるをえない状況です。日本は、アメリカがテロでやられてから「テロ特措法」という法律を作って、後方支援で協力しましょうという形をとりましたが、それは特別の法律だったので、今度のイラクとの戦いになると、この法律で認める戦いと認定するかどうか、いろいろと議論が分かれているわけです。国連でも、アメリカが一方的にやろうとする戦争には、反対する意見が多いのですよ。そういう状況下で、アメリカから、日本は同盟国だし、石油が入らなくなったら困るんだから協力しろ、と言われているわけです。ところが、協力しようと思っても、今の憲法、あるいは自衛隊の法律の中では、イラクや中東まで行って日本がアメリカと一緒に戦うことは、当然認められてないわけです。きちんとした法律を作り、日本が必要に応じてアメリカに協力できる形にしておきたいんですね。アメリカから信用してもらえないというか、相手にしてもらえなくなるのが恐いのです。万が一、北朝鮮と何か戦いが起きて、日本が危機に直面したとしても、アメリカが日本に救いの手を差し伸べてくれなくなるという見方も大変強くなってきていますからね。今まで、日本の憲法では軍事力は持たないと言いながら、自衛隊が存在するわけです。軍隊を持っていながら、ごまかしごまかししてきたわけですね。国民も分かっていて、何となくタブーになっているけど、それは良くないだろうという意識がずっとあるわけです。どこの国だって軍事力を持っているのだから、日本だけが自衛隊という名前で、あやふやにしておくのは、おかしいですからね。先延ばしにしていた、そういう問題を解決する時期がきたと言えるでしょう。
▼おバカ編集部 そうですね。でも、戦後に武力を持たないことを薦めたアメリカが、日本に武力の協力を求めるって変だなぁって思うんですが。
▼浜田先生 戦後50年以上が過ぎて、日本がアメリカと協力して戦うことになるという具体的な可能性が出てきてしまったのです。今までは、日米安全保障条約があって、軍事力を持たない日本が攻められた時は、アメリカが助けるという約束で問題がなかったのです。アメリカが攻められても日本は助けに行く必要がなかったわけです。それは戦争で米軍に負けた日本が、まさかアメリカを助けるなんていうことは、当時、誰も考えなかっただけのことなのです。
▼おバカ編集部 「有事法案」って、戦争を出来るようにして、日本の強さをアピールするんじゃなくて、日本を守る為に戦争できる体制を整えておくってことなんですね。
▼浜田先生 もちろん、戦争なんて起きないのが一番いいでしょう。しかし、日本を舞台にして拉致事件などが起きているのが現実です。ですから、フィーメールの読者の皆さんにも、「有事法案」に、なぜ賛成する人がいるのか、なぜ反対している人がいるのか、両方の意見を知ったうえで、個人として「有事法案」について考えて欲しいと思います。 |
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1953年鳥取県生まれ。東京外語大学中国科卒業後、米ジョージ・ワシントン大学大学院政治学博士課程修了。戦略国際問題研究所主任研究員等を経て帰国。現在、国際未来科学研究所代表。また国連大学アメリカ評議会ミレニアム未来研究委員、21世紀の成長企業を探る研究会座長などを歴任。
→主な著書 |
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| あなたが疑問に思っていることをおバカ編集部が浜田先生に取材します。 |

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テロ特措法
アメリカ合衆国でおこった同時多発テロを受けて、テロに対する軍事行動を後方支援するための法律。これにより「協力支援活動」・「捜索救助活動」・「被災民救援活動」の3つの活動に限り、自衛隊を戦時に海外派遣することが可能になりました。なお、この法律は2年間の時限立法(有効期間が定められた法律)ですが、延長も可能になっています。 |
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日米安保条約
第2次世界大戦後のサンフランシスコ講和条約と同時に1951年に締結され、1960年に改正された、日本とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約。 |
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| -編集後記- |
「有事法案」の成立で、以前から問題になっていた自衛隊の海外派遣は、どこまでの協力なのか、もっと明確になるのではと感じました。日本が攻撃をしなくても、拉致問題や、ミサイル発射などの危機が起こっている現状。何かされてからではなく、されそうな時に対応が出来るような決まりを作っておくことも、やはり必要なのかも。日本が被害を受けた場合だけでなく、今回のアメリカとイラクの問題のように、支援を求められることも今後も考えられますからね。ただ今の世界情勢を考えると、武力の協力なしでの支援という日本の位置付けも、だんだん厳しくなってくるのかなぁと不安です。
おバカ編集部・廣田美千代 |
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