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お馬鹿編集部HYPER 浜田和幸先生(経済学者)に日本経済&世界情勢を学ぶ
8月20日 update

公定歩合、ペイオフ、デフレ・・・・。テレビや新聞で耳にする、政治や経済の言葉。でも、みんなちゃんと意味わかってる?今更聞けない用語、けれども知らぬは一生の恥。浜田先生~! おバカ編集部に、愛のご講義を!



- 本日の課題 - 第6回
国連【こくれん】

▼おバカ編集部
イラク戦争のニュースなどで、国連って言葉をよく耳にするんですが、いったい国連って何ですか?

▼浜田先生
国連というのは、国際連合の略称で、第二次世界大戦後、1945年に戦争を未然に防ぐために出来た組織です。第ニ次世界大戦で大勢の方が犠牲になったでしょ。もう2度と戦争を起こさないように、もし戦争が起こりそうになった場合は、関係者が集まって、平和な話し合いによって解決し、人類にとって悲惨な出来事を、もう繰り返さないようにしよう、という理想から誕生したのです。

▼おバカ編集部
戦争反対!の集まりみたいなものですね。

▼浜田先生
そうですね。国際連合が生まれる以前には、国際連盟という集まりもあったんですよ。第一次世界大戦が終わった時、やはり戦争は良くないということで、皆が集まって話し合いが出来る場を作ったわけです。しかし、加盟の判断が自由だったこともあり、加盟していない国の方が多かったのです。

▼おバカ編集部
国際連合の加盟の判断も自由なんですか?

▼浜田先生
第二次世界大戦後に出来た国際連合は、約190ヶ国が加盟しています。ですから、世界のほとんどの国が加盟していることになります。アメリカもそうですが、第二次世界大戦で勝った国々は、国際連合の中の安全保障理事会という一番重要な機能を果していると言われる委員会の常任理事国になっています。安全保障理事会は、国連に加盟している国の代表15ヵ国から成り立っていて、第二次世界大戦の戦勝国といわれる、アメリカ・イギリス・フランス・ロシア・中国の5ヵ国が常任理事国で、残りの10カ国は非常任理事国といい、2年の任期という条件で選挙で選ばれます。

▼おバカ編集部
国際連合は、日本のように戦争に負けた国が作って欲しいと要望したんですか?

▼浜田先生
いいえ、違うんですよ。戦争に勝った側の国々が、勝ったといっても悲惨なことは繰り返したくないということで、アメリカが中心になって作ったんです。そのため、国連の本部はニューヨークに置かれています。

▼おバカ編集部
常任理事国になると得なことってあるんですか?

▼浜田先生
戦争に勝った国々である常任5ヵ国が持っている特権に、拒否権というのがあるんです。イラク戦が始まる前に、武力行使の決議案を通すかどうか議論していたでしょ。アメリカ・イギリスは武力行使賛成だったんですが、安保理常任理事国であるフランス・ロシア・中国の3ヵ国が拒否権を使う可能性をちらつかせて反対しましたね。安保理の決議というのは、常任理事国5ヵ国のうち、1ヵ国でも反対があれば決議案は通らないという決まりがあるのです。残りの14ヵ国が全部承認しても、5ヵ国のうち、1ヵ国でも反対があったら法案は通りません。それだけ戦争に勝った5ヵ国は大きな権限を持っているんですよ。

▼おバカ編集部
そうなんですね~!決議は全て多数決かと思ってました・・・。

▼浜田先生
多数決なのは、国連総会ですね。総会というのは加盟国、約190の国々が1国1票で決めるんです。国の大きい小さいは、全く関係なく、人口や経済力も関係ありません。

▼おバカ編集部
安全保障理事会も多数決にしたらいいじゃないですか!

▼浜田先生
もちろん5ヵ国以外の国からは、「おかしいじゃないか!」という出ています。でも、それを変更するには、国連の法律である国連憲章を変えないといけないんです。時代が変わってきているという理由で、国連憲章を変えようと思っても、3分の2の賛成が必要などということもあるので、国連憲章を改正するのは、なかなか難しいのです。特権を持っている5ヵ国から経済援助など恩恵を受けている国も多いですしね。

▼おバカ編集部
そうなんですねぇ。でも、今回のイラク戦争なんて、常任国の3ヵ国が反対しているのにどうして起こってしまったんですか?

▼浜田先生
フランスは最初から、アメリカとイギリスがイラクに対する武力行使容認の決議案を提出したら、拒否権を使うと言っていました。アメリカはなんとか交渉して、説得しようとしていたのですが、上手くいきませんでした。時間ばかり経ってしまって・・・。
アメリカは、これ以上は国連に期待できない!もっとスピーディーに対応してくれなければ、フセイン大統領は何をするか分からない!いつテロが起きてもおかしくない!そうなったら誰が責任をとるのだ!という理由で説得を諦めて、アメリカ、イギリスの考えに同調してくれる国だけで戦争を始めてしまったわけです。

▼おバカ編集部
戦争をしないための国連なのに・・・。何かヘンですね。

▼浜田先生
理想は戦争という最悪の状態をさけるために作られた組織だけれども、第二次大戦が終わて以降、戦争がない年はありません。大きい戦争はなくても、宗教対立とか民族紛争が、あちらこちらで起こっています。そういう厳しい現状を前にして、国連というのはほとんど戦争を防止することが出来ないじゃないか!という議論もあるくらいです。

▼おバカ編集部
アメリカが戦争に勝ったら、石油の権利はアメリカのものになるんですか?

▼浜田先生
以前は、アメリカやイギリスの石油会社に開発権を売っていたのですが、フセイン大統領の政権になって国有化してしまったんです。でも、自国だけでは開発が出来ないので、開発の権利をフランス、ロシア、中国といった国に売ったのです。当然、アメリカやイギリスは怒りますよ。もともと自分達の国の会社が開発権を持っていたのに、フセイン大統領が、勝手に国有化して、全部自分の物にした上で、アメリカやイギリスを追い出したわけですからね。逆に利権を手に入れたフランスやロシアは大喜びです。この石油の利権をめぐる争いは、大きな問題なんです。イラクという国は、地理的にも一番いい場所にあります。いろいろな国と接しているから、東側のアジアに石油を運ぶには船でいけるし、西ヨーロッパや地中海の方に運ぶには、陸路から行けますからね。

▼おバカ編集部
でも、今はフランスやロシアが権利を持っているんだったら、アメリカは手を出せないんじゃないですか?

▼浜田先生
フセイン政権が終わったら、手が出せますよね。

▼おバカ編集部
あっ、そうですね!フセイン政権の時に交わされた約束ってことですもんね。

▼浜田先生
そうです。フセイン政権の時の話になるわけです。フセイン大統領の首をすげかえて、アメリカが新政権を作ろうとする理由のひとつもそれです。新政権が誕生すれば、今までの契約もチャラにできます。そういう意味でも、フランスやロシアは、戦争に反対したと考えられています。

▼おバカ編集部
そうなんですね。戦争が終わった後って治安が乱れますよね。国連は、戦後復興には
関らないんですか?

▼浜田先生
いい質問ですね。戦争が終わった後は、治安が乱れるから、治安の維持をしてあげないといけません。今のイラクもそうですが、バクダットでは博物館などが荒らされて、メソポタミア文明の歴史的に重要な文化財や資料が奪われる事件が起きています。政府ビルや商店までもが略奪の被害にあっています。そんな治安の悪い情況では、まともな復興なんて進みようがないわけです。戦争をした当事国同士では上手くいかないから、中立な立場で軍隊を派遣して安全を確保するのが理想のパターンです。

▼おバカ編集部
国連の意見を無視した、今回のイラク戦の戦後復興も、国連が安全の確保をしてくれるんですか?

▼浜田先生
今度こそ国連が中心になって、戦後復興をしないと大変なことになりますよ。国連が中立的立場にたって復興の指揮をとらないと、資源の争奪戦になるのが目に見えていますからね。戦後復興どころじゃなくなります。もともとアメリカもイギリスも、イラクの石油が欲しくて戦争しているところがあるわけですからね。特に今、アメリカのゼネコンや石油会社が大もうけできる仕事をどんどん押さえ始めているのです。フランス・ロシア・中国からすると、「やっぱり、この戦争は、アメリカが自国の利益だけのためにやったのか!」という話になりますよね。

▼おバカ編集部
でも、復興に必要なお金っていうのは一体どこが出すんですか?

▼浜田先生
まだ決まってないのですが、アメリカからすると、テロの防止の為に戦争してあげた、テロを未然に防いであげたんだから、治安回復も経済再建も他の国がお金を出して欲しいって感じなんです。アメリカ議会の見積もりでは、戦後復興には少なくとも1000億ドルかかると想定してます。日本円にすると12兆円くらいになりますね。その倍はかかるという説もあります。いずれにしても、結構なビジネスですからね。アメリカの企業で独占したいと思ってるわけです。でも、アメリカは1000億ドルの復興資金なんて、絶対に出さない。というより、そんなお金を出す財源がありません。なにしろアメリカは40兆ドルもの借金をかかえていて、いつ国家財政が破綻してもおかしくないのです。ですから、復興資金はおそらく日本に要求してきますよ。

▼おバカ編集部
えっ~!!またですか・・・。日本っていつもお金を払う役じゃないですか?

▼浜田先生
そうですね。ただ、戦争に賛成した国は、アメリカやイギリスを除くとアフリカや中南米など、アメリカから経済援助をもらってる国ばかりなんです。とても自分達がお金を出したり、軍隊を出すことができる国ではないんですよ。唯一、経済力があるのは日本なのです。

▼おバカ編集部
また、日本は押し付けられちゃった感じですね。

▼浜田先生
日本は日米同盟と国連という二つの柱を外交の中心にすえてきましたが、日米同盟を組んでいるアメリカの動きと、国連の動きが合わなくなってしまったのです。小泉総理は困ってしまったから、その場の雰囲気を見ていたんですね。その場の雰囲気をみていたら、こうなってしまったんですよ。他人まかせだと、結局、自分が一番損をするということです。

▼おバカ編集部
あぁ~(涙)でも今後、国連の中でアメリカの立場ってマズイですよね?

▼浜田先生
今まで、アメリカは国連を上手に利用してきた部分があったのですが、今回、国連を無視してしまったわけですからね。これから国連との関係をどう修復するかが問題になるでしょう。


Profile 浜田 和幸(はまだ かずゆき)浜田 和幸先生

1953年鳥取県生まれ。東京外語大学中国科卒業後、米ジョージ・ワシントン大学大学院政治学博士課程修了。戦略国際問題研究所主任研究員等を経て帰国。現在、国際未来科学研究所代表。また国連大学アメリカ評議会ミレニアム未来研究委員、21世紀の成長企業を探る研究会座長などを歴任。

→主な著書

浜田先生へ質問!
あなたが疑問に思っていることをおバカ編集部が浜田先生に取材します。


知っツモ!WORD
安全保障理事会
安全保障理事会は、15の理事国で構成されています。そのうち、アメリカ、イギリス、中国、フランス、ロシア、の5ヶ国が常任理事国です。その他の非常任理事国は、地理的代表の原則に基づいて、総会が2年の任期で選びます。世界平和を守るために設置され、平和と安全保障の問題を取り扱います。

国連総会
国連の主要な審議機関で、すべて加盟国から構成されます。総会は、国際憲章に関連して発生する、あらゆる問題を検討し、国連加盟国に勧告を行なうことができます。ただし安全保障理事会で検討中の紛争、事態に関することは勧告できません。総会は、毎年9月~12月にかけて開かれます。

国連憲章
国連憲章は、各加盟国の権利と義務、そして、加盟国が自ら設定した目標を達成するために何をすべきかを説明する一連の指針。1945年6月26日、50カ国の代表がサンフランシスコで国連憲章に調印。




おバカ編集部の目からウロコ
-編集後記-
国連の本来の意味がなされていない現状をとても残念に思いました。国際平和のための機関が、平和のために機能できないのでは、全く意味がないですよね。第二次世界大戦終戦から50年以上経ち、常任国、非常任国という構成も見直しが必要なのかもしれません。1ヶ国の意見だけで左右されない、どこの国の意見も同等に取上げられる日がくるのがくればいいのに・・・。国連が世界平和を維持する機関として機能することを心から望みます。


おバカ編集部 廣田美千代



これまで学んだこと
第22回 「10年後の日本」 第21回 「増税」
第20回 「企業買収」 第19回 「内閣改造」
第18回 「郵政民営化」 第17回 「アメリカ経済 2」
第16回 「アメリカ経済」 第15回 「上場」
第14回 「新貨幣」 第13回 「海外支援」
第12回 「1円企業」 第11回 「高速道路」
第10回 「株式」 第9回 「税金」
第8回 「りそな銀行」 第7回 「通貨」
第6回 「国連」 第5回 「デフレ」
第4回 「有事法案」 第3回 「年金」
第2回 「竹中 平蔵」 第1回 「ペイオフ」


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