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おバカ編集部HYPER 浜田和幸先生(経済学者)に日本経済&世界情勢を学ぶ
12月20日 update

公定歩合、ペイオフ、デフレ・・・・。テレビや新聞で耳にする、政治や経済の言葉。でも、皆ちゃんと意味わかってる?今更聞けない用語、けれども知らぬは一生の恥。浜田先生~!おバカ編集部に、愛のご講義を!



- 本日の課題 - 第10回
株式【かぶしき】

▼おバカ編集部
最近、株の値段が上がってきたというニュースを聞いて、私も株を始めてみたいなぁって思うのですが、そもそも株っていつぐらいから始まったのですか?

▼浜田先生
17世紀のはじめ、オランダの東インド会社という世界初の貿易会社が株の始まりと言われています。ヨーロッパの商人がアジアから香辛料を輸入しようと考えたのですが、当時は、船で何日もかけて運んでいたので、確実に商品を運べるという保証もなく、とってもリスクが高かったのです。そこで、リスクを皆で負担しようと、投資家を集めて、少しずつお金を出してもらって会社を作りました。商品を無事に持ち帰って、売れて儲けが出たら利益を分けるというシステムだったわ
けです。

▼おバカ編集部
今日の新聞に日経平均株価326円高って載っているのですが、日経平均株価ってなんですか?

▼浜田先生
株の動きの平均です。平均すると326円上がっているということです。中には下がっている株や、もっと値上がりしている株もありますが、全体を平均して326円上がったということは、相当上がっているわけですよ。

▼おバカ編集部
えっ!株が値上がりしたのですね。それは、また株で儲けられる時代に戻ったということですか?

▼浜田先生
一概には言えませんね。逆にいうと、同じくらい下がることもあるわけですからね。やはり、経営者の話を聞いて共感したり、自分がその企業の考え方やビジョンを気に入ったり、売っている商品を試して企業を信頼したりしと自己判断で、投資するのならいいのですが、今は株の値段が低いけれど、そのうち上がりそうだといった安易な思いでやっていると、失敗につながるケースが多いですよ。

▼おバカ編集部
株を持つメリットって何なのですか?

▼浜田先生
株を買うことによって、2つ良いことがあります。一つは配当ですよね。企業は、株を売ったお金で、新しく投資をしたり、事業を起こしたりするわけですから、企業が利益を上げた場合、当然、株主に対して配当金が支払われます。利益が出ている企業の株を持っていれば、年に一回配当金が支払われます。もう一つは、株価の変動ですね。配当と関係なく、持っている株の値段が、毎日変動しているわけですよ。変動した金額の差額で利益が出るということですね。

▼おバカ編集部
株の配当ってどうやって決まるのですか?

▼浜田先生
企業の経営状態いかんですね。株主総会の議題にもなりますが、配当金の率というのは業績によって変わってきます。たくさん貰える時もあれば、少ししか貰えない時もあり、全くゼロの場合もあるのです。

▼おバカ編集部
株の変動で儲かるというのはどうしてですか?

▼浜田先生
例えば、今なら銀行株はとても安いわけですね。それこそ1株100円を切っているような銀行の株もあるわけです。ところが、公的資金などが導入されたら、その銀行の株は上がる可能性が強いのです。公的資金が導入されることによって、その銀行の経営が良くなるだろうと思って、株を買う人が増えるわけですね。自分が買った時には100円だった株が、500円になる場合もあります。その段階で株を売れば400円儲かることになります。

▼おバカ編集部
そうなんですね!じゃあマメに株の動きをチェックしないといけないですね。

▼浜田先生
新聞には前日の情報しか掲らないので、最近ではオンラインでチェックするのが主流になってきました。刻一刻、今現在、取引されている状況が確認できます。持っている株の値段が上がったと思ったら、儲けを確定させるためにすぐに株を売ったり、株の値段が下がったとしても、自分がもしこれから値段が上がると思っていたら、値段が下がった時に買っておいた方が得だと考えて、買い注文を出したりとタイムリーに判断できるようになっているのです。

▼おバカ編集部
そんなことって素人でも分かるのですか?

▼浜田先生
そういうことを専門でやっているブローカーがたくさんいるんのです。株の種類もたくさんあるし、普段お勤めなどをしていたら、朝から晩までは見ていられませんよね。ですから証券会社やそういうブローカーに依頼するわけです。例えば、自分が自由に出来るお金が100万あったとしますよね。この100万で特定の業種や企業の株を指定して、買い付けさせてもいいけれども、自分で選ぶ自信がなければ、丸投げという形で全部預けることも可能なのです。もちろん、儲かった分の手数料は払わなくちゃいけないのですが…。最近は、ブローカーや証券会社に頼むと手数料を取られるので、ネットトレーディングといって、インターネットを通じて自分で売買できるサービスも始まっています。こういったネット証券では手数料も安いので、人気が出ていますよ。

▼おバカ編集部
そもそも証券会社の役割って何なのですか?

▼浜田先生
証券会社の役割は、ブローカー業務とディーラー業務の2つがあります。ブローカー業務は、お客さんから依頼を受けて株の売買をする、いわゆる代行業務です。ディーラー業務は、証券会社自体が、自分の所で株を売ったり買ったりして儲ける。2つの大きな柱でビジネスを行っているのです。

▼おバカ編集部
株主の利益は金銭的なことだけですか?

▼浜田先生
原物支給という特典のような物もありますね。

▼おバカ編集部
原物?!どういうことですか?

▼浜田先生
例えは、マクドナルドの株を持っている人は、持っている株の数に応じて、マクドナルドの無料券やノベルティ・グッツを貰えたりします。多くの会社が、企業の特色を活かした特典をつけているのですよ。全日空などでは、飛行機のチケットを買う際の半額券を貰えたり、企業も出来るだけ株主を増やしたいので株主優待制度を宣伝しています。電車の回数券を持っている株の持分に合わせて無料でくれたりする交通機関の企業もあります。そういう特典で株を選択するというのも一つの考え方です。

▼おバカ編集部
大きい企業と小さい企業では、優遇制度の充実度にも差があるのですか?

▼浜田先生
企業の性格というか、経営者の考え方によって、プラスアルファー特典を提供している部分があるので企業の大きい小さいはあまり関係ありません。

▼おバカ編集部
大企業でも上場していない企業ってありますよね。上場しない理由って何なのですか?

▼浜田先生
上場しなければ、投資家やマスコミなどに会社の状況を公開する必要がありません。いってみれば、家内制手工業みたいなもので、経営者の一存でいろいろと決断出来るわけです。それに収益が上がった場合も、上場していれば、公開し配当を出さなければなりませんが、上場していなければ、利益を公表する必要がないわけですから、何かと都合が良いですよね。

▼おバカ編集部
ある程度、企業が大きくなったら上場しなくてはいけないなどという義務はないのですか?

▼浜田先生
ありません。例えば、サントリーという企業は大きいですよね。でも、上場していませんよ。上場していなければ、株主に対して責任も発生しない上に、内部保留金を自由に使えるというメリットもあります。

▼おバカ編集部
じゃあ、上場しない方が好き勝手できるってことですか?

▼浜田先生
そういうことです。上場してしまえば証券取引所に経営実態を詳しく報告する義務が生じるし、必ず年に一回、株主総会を開いて事業報告をしなくてはいけません。そうすると、場合によっては経営者がダメだとか言われる可能性もあるわけですよ。

▼おバカ編集部
株主総会って株を持っている人は全員出られるのですか?

▼浜田先生
そうですよ。本人に通知が来ます。

▼おバカ編集部
じゃあ、株主の権利は平等なのですね?

▼浜田先生
やはり、株をたくさん持っている人の発言権が大きいですね。もちろん、1株しか持ってない人でも、総会に出席したり、発言したりする権利はありますが、何かを決める場合などは、株の持分に応じて決まります。ということで経営者の側からすると株主は増やしたいけれど、自分の経営に対して反対をしたり、邪魔するような人は、本当は株主になって欲しくないのですよ。ですから、安定株主といって、良く知っている人間同士で株を持ち合うというのが日本の株企業経営の特色だったわけです。

▼おバカ編集部
株を何%か持たれてしまうと経営者の権限が無くなってしまうことがあるのですか?例えば、乗っ取られるとか?

▼浜田先生
それは起こりますよ。そういうのが怖いので、企業の経営者は、自分の親族や信頼できる人に株を持たせておくのです。そうしないと、個別に根回しして高い値段で密かに株を買い占められて、株主総会の時に突然、会社を乗っ取られてしまうということも起こりえますからね。犯罪に近い組織的グループや、悪意を持った投資家などが、上手くいっている企業を乗っ取ろうと考え、株を買い占めるようなこと
をするわけです。

▼おバカ編集部
それって、違法なのでは?

▼浜田先生
違法ではありません。株を高く買うのも、その企業の株が欲しいから買うだけの話ということですね。

▼おバカ編集部
株主総会で、ヤジが飛んだりするって聞いたのですが、経営に不満のある株主なのですか?

▼浜田先生
そうですね、もちろん経営に不満を抱いている株主が怒鳴ることもありますが、大半は、トラブルを起こすことが目的でやっているんですよ。経営者のちょっとしたスキャンダルを突いて、株主総会でバラして欲しくなければ、口止め料をよこせ!といったような脅しを総会前にかけたりもするようです。

▼おバカ編集部
言いたい人には言わせておいたらいいじゃないですか?

▼浜田先生
そうもいかないですね。他の株主達が、この企業の株を持っていて大丈夫かなと不安になりますし、信用に関わる問題ですからね。株主総会は、シャンシャンシャンで終わらせたいと思うわけですよ。ですから、企業が株主総会を行なう日は、ほとんど同じなのですよ。同じ日にやることによって、総会屋があちこちの企業に行けないようにする。企業防衛策の一種でしょう。

▼おバカ編集部
NYの株式市場で月曜日に株価が暴落することがあるって聞いたことがあるのですが、どうしてそんなことが起きるのですか?

▼浜田先生
ブラックマンデーですね。それには、いろんな要素があります。株式市場は土、日は閉まっているので、基本的に休み明けの月曜日に株価が大きく動く可能性が高いわけです。例えば、金曜日の取引が終わった後で、小泉総理が辞任するなどという悪い噂が立ったとしますよね。そうすると、土日は株式市場が閉まっているので、月曜の朝一番で売りが殺到するわけです。今の日本の株式というのは、半分以上が外国人の投資家で成り立っているのです。日本人でも小口で買っている人はたくさんいますが、金額のボリュームで考えると、半分以上は外国人投資家による売り買いなのですね。日本に住んでいる人間でも噂が本当かどうか判断できないのに、海外の投資家ならなおさら、そんな噂が流れたら株を売ることを考えますよね。有名な企業や、外国人に人気が高い企業は、株主の構成比率を見てみても、外国人の持っている比率は凄く高くなっています。それだけ、世界から評価されているというプラスの見方も出来ますが、逆の見方をすると、何かあった時に、そういう外国人の投資家が一斉に株を売ったら、日本全体の株価が下がって恐慌、パニックが起こる可能性も秘めています。

▼おバカ編集部
証券取引法違反とかいう言葉を聞いたことがあるのですが、どんな違反があるのですか?

▼浜田先生
例えば、上場まじかな会社に勤めていたら、社員は自分の会社が上場するのが分かりますよね。例えば、上場することを親しい人に話して、話を聞いた人が、その会社の株を買い占めて、値上がりした時に株を売って、儲けたりしたらインサイダー取引という犯罪になるのですよ。内部の人でなければ知り得ない情報を仕入れて、株を安く買って、高く売って儲けたりしたら公平な市場のルールを乱すことになりますからね。

▼おバカ編集部
大金は払えないのですが、私でもお小遣い程度で買える株ってあるのですか?

▼浜田先生
もちろんありますよ。最近は、小口でお小遣いの範囲内でやってみたいという人が増えてきているのです。そういう人達が、一人では買えないけれど、十人集まって、例えば一人で一万円づつ出して大きな株を買ったりするのです。もちろん配当は10分の1になりますが、小口の投資家にも株の醍醐味を味わえるようなサービスをしている証券会社が増えています。

▼おバカ編集部
私も買ってみます!!株の変動って予測できるって聞いたのですが私にも教えて下さい!

▼浜田先生
専門家の人は、予測出来ると言いますけどね。株価の大体の動きはパターン化されているから、それに合わせて買えばいいとか言いますよね。そのパターンを知りたいのにね(笑)。必ずこの方法で儲かるというような魔法の杖はありません。生きた経済の勉強のつもりでお小遣いの範囲で試してみることをお薦めします!



Profile 浜田 和幸(はまだ かずゆき)浜田 和幸先生

1953年鳥取県生まれ。東京外語大学中国科卒業後、米ジョージ・ワシントン大学大学院政治学博士課程修了。戦略国際問題研究所主任研究員等を経て帰国。現在、国際未来科学研究所代表。また国連大学アメリカ評議会ミレニアム未来研究委員、21世紀の成長企業を探る研究会座長などを歴任。

→主な著書

浜田先生へ質問!
あなたが疑問に思っていることをおバカ編集部が浜田先生に取材します。


知っツモ!WORD
機関投資家
株式投資を主な仕事の一つとしている投資家のこと。生命保険会社、損害保険会社、銀行、その他の金融機関、事業会社、投資委託、年金基金など。

株主総会
会社の組織、取締役、監査役の任免権をもつ法律上の会社の最高機関です。株主総会の主な決議事項は、(1)会社の組織、業態に関する事項、(2)機関の構成員の選任、解任等に関する事項 (3)業務運営、株主利益に関する事項の3つに分かれます。決算期ごとに開かれる定時総会と必要があれば開かれる臨時総会があるが、その招集は通常取締役会が行います。

株主優待制度
株主優待制度とは、企業が自社の株主に対して配当のほかに、商品券、割引券、サービス券、商品のプレゼントなどを提供する制度のこと。




おバカ編集部の目からウロコ
-編集後記-
新聞の株式欄などを見ていると、株って何となく難しいイメージでしたが、自分の好きなカラーの会社や、好きな商品を作っている会社の研究から始めればいいと思うと、株も意外と身近に感じました。聞いたこともないような難しい薬品を作っている会社を調べようと思っても、やはり親近感がわきませんものね。株主になることで経済にも興味が沸くだろうし、本当に良い勉強になりそうです。企業へ投資することで経済の循環に役立って、自分の勉強にもなり、利益まで出る可能性もあるから、一石二鳥どころではないかも(笑)。私もお小遣いの範囲でさっそく株に挑戦です!


おバカ編集部 廣田 美千代



これまで学んだこと
第22回 「10年後の日本」 第21回 「増税」
第20回 「企業買収」 第19回 「内閣改造」
第18回 「郵政民営化」 第17回 「アメリカ経済 2」
第16回 「アメリカ経済」 第15回 「上場」
第14回 「新貨幣」 第13回 「海外支援」
第12回 「1円企業」 第11回 「高速道路」
第10回 「株式」 第9回 「税金」
第8回 「りそな銀行」 第7回 「通貨」
第6回 「国連」 第5回 「デフレ」
第4回 「有事法案」 第3回 「年金」
第2回 「竹中 平蔵」 第1回 「ペイオフ」


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