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おバカ編集部HYPER 浜田和幸先生(経済学者)に日本経済&世界情勢を学ぶ
4月20日 update

公定歩合、ペイオフ、デフレ・・・・。テレビや新聞で耳にする、政治や経済の言葉。でも、皆ちゃんと意味わかってる?今更聞けない用語、けれども知らぬは一生の恥。浜田先生~!おバカ編集部に、愛のご講義を!



- 本日の課題 - 第14回
新貨幣【しんかへい】

▼おバカ編集部
新貨幣が今年発行されるって聞いたのですが、この間、あまり評判の良くない二千円札が出来たばっかりなのに、今度は何を発行するのですか?

▼浜田先生
今回発行されるのは、千円札、五千円札、一万円札の三種類です。デザインの変更と、偽造防止の為に新しい技術が採用されるそうですよ。カラーコピー機やパソコンの性能が向上して、貨幣の偽造は最近では年間一万件にもなっていますからね。

▼おバカ編集部
偽造防止の新しい技術って、どんな技術が使われているのですか?

▼浜田先生
今回新たに採用されたのは、見る角度によって像の変わる「ホログラム」技術や、棒状の模様を透かしで入れた「透き入れバーパターン」などです。「ホログラム」は、紙幣を斜めに傾けると、文字などが浮き上がるようになっていて、紙幣の利用者が肉眼で偽造の有無を識別できるようになっています。「透き入れバーパターン」は、有色で棒状の透かしが入っている為、パソコンを使った精巧な偽造を防ぐのに有効的な技術なのですよ。また、デザインについては、一万円札はデザインが変わった福沢諭吉の肖像画が使われる予定ですが、五千円札は新渡戸稲造から小説家の樋口一葉に、千円札は夏目漱石から細菌学者の野口英世に変更される予定です。

▼おバカ編集部
紙幣に描かれる人物や、デザインはどうやって決めているのですか?

▼浜田先生
貨幣や紙幣は、国の主権の象徴ともいえるだけに、刷新は政治に影響されやすいですね。もともと、日本の紙幣では、皇族や明治の政治家などの肖像画が使われることが多かったのですが、1984年に一万円札に福沢諭吉、五千円札に新渡戸稲造、千円札に夏目漱石が採用されて以来、「文化人シリーズ」に転換していますね。女性としては、神功皇后以来1世紀余りとなる樋口一葉の起用は、おそらく政治的判断によるものでしょうね。小泉総理大臣としては、女性を多く大臣に起用したりしていることからも分かるように、女性の地位向上に前向きなことをアピールしたいのでしょう。

▼おバカ編集部
なるほど~!そういう思惑があったのですね。
ところで、新貨幣を造るのにどれくらいのお金が掛かるのですか?

▼浜田先生
だいたい約3000億円のコストが掛かると言われています。

▼おバカ編集部
えー!!そんなに掛かるのですか?!
この不景気に、そんな大金をかけて新貨幣を造る必要があるのですか?

▼浜田先生
確かにそうですよね。政府が新紙幣を発行する理由として一番に掲げているのは、さっきお話した偽造貨幣の防止対策です。その他にも、新しいお金を発行すると銀行やコンビ二のATM機や、自動販売機など新紙幣に合わせて、機械を新しく作ることになります。そうなると、機械を作る製造会社などの景気が良くなりますよね。そうした新貨幣発行特需による景気回復の狙いもあるのです。政府はこれによって約8000億円近い経済効果が見込まれると考えています。新しい貨幣を造ると何となく気分も明るくなるし、景気回復に向けて頑張っていこうという意識が生まれることも期待しているはずです。

▼おバカ編集部
だから3000億円もかけて新貨幣を造るのですね。
でも、製造会社が儲かってもコンビ二や銀行など、損をしてしまう会社も多いですよね?

▼浜田先生
その通りです。ATM機や自動販売機を製造している会社は特需で儲けられるのですが、銀行や自販機を置いている酒屋やコンビ二などは、新しく機械を設置しなければならないので負担がかかります。儲かる側と、損をする側がいるので、一概に景気回復につながるとは言いがたいですね。

▼おバカ編集部
新貨幣の発行で、日本全体の景気が良くなるというわけじゃないのですね?

▼浜田先生
残念ながらそうですね。それに新貨幣発行の政府の狙いは、今お話したことだけではなく、新貨幣への切り替えによって、国民の「タンス貯金」を把握するという思惑があるように思います。政府は新貨幣発行後、二年以内くらいに旧紙幣の回収を計画しているという噂があります。貨幣が変わると、タンスのお金は銀行で両替するか、使えなくなる前に使わなくてはいけなくなりますよね。お金を使ってくれれば景気回復になるし、両替してくれれば、国民の財産を把握できるので正確な税金徴収ができるようになるわけです。

▼おバカ編集部
「タンス貯金」がある人には怖い話ですね。

▼浜田先生
そうですね。でも、もっと怖いのは、昭和21年の2月17日に起きた預金封鎖のようなことが今回も起きるのでは・・・。という見方が一部であることです。

▼おバカ編集部
預金封鎖って!
銀行からお金がおろせなくなってしまうということですか?!

▼浜田先生
そうです。昭和21年に新貨幣の発行が行われた後、預金封鎖が起こり、封鎖している間に貨幣価値の切り替え(デノミ)が行われたのです。極端な例えになりますが、その当時の1円は、現在でいえば1万円ほどの値打ちがあったのですが、それがたった1日で、今の1円の価値になってしまうようなことが起きたのですよ。国民のショックは相当のものだったでしょうね。その時は、日曜日に預金封鎖令が出され、月曜日には一家の主は300円、それ以外の家族は100円までしか引き出せないようになってしまったのですから。

▼おバカ編集部
そんなぁ~!!冗談じゃないですよ!
そんなことをしてデモとか起こらなかったのですか?

▼浜田先生
終戦直後で経済も安定していない状況でしたから、仕方ないと思った国民が多かったようです。そもそも国の決めたことに逆らうという意識が少なかったのでしょうね。今の時代に、いきなりそんなことが起こるとは思えませんが、もしデノミを起こせば数字だけを見ると、数百兆もある政府の借金も、数兆円に激少するということが起こりますからね。預金封鎖がされるかもという噂が流れるのも分かる気がします。

▼おバカ編集部
ただの噂なのですよね?

▼浜田先生
大丈夫ですよ。いきなりそんなことしたら、それこそデモが起こりますからね。ただ現代の社会において、お金というものをあまり信用しすぎるのは如何なものかとは思います。お金というのは、結局はタダの紙切れで、その価値がいつなくなってもおかしくないのです。以前、為替の勉強をしましたが、現在の円高ドル安の状況に便乗して、海外の投資家は日本を訪れ、安い金利で銀行から円を借り、その資金で日本の株を買い、儲けると、円高の恩恵をフルに生かして、ドルにして持ち帰るということを繰り返しています。日本の株価を左右しているのは、海外投資家といっても過言ではありません。日本は、政府も日銀もドルをたくさん買っていますが、超大国アメリカのドルだってそんなに信用できるものではないのですよ。

▼おバカ編集部
ドルって危ないのですか?!

▼浜田先生
現在、アメリカは史上最悪の財政赤字で日本円にして55兆円もの赤字を抱えています。今のドルは兌換紙幣ではないので、アメリカとすれば、お札を刷れば幾らでも使える特権をもっているに等しいわけです。そのお金で海外の石油などを買っているのです。紙幣をたくさん刷りすぎてしまった為、ドルの価値はどんどん下がってしまい、今ではドルではなく、ヨーロッパの共通通貨であるユーロで取り引きしようという動きさえあるのです。

▼おバカ編集部
もしドルが暴落したら、日本はどうなっちゃうのですか?

▼浜田先生
影響は大きいでしょうね。もしそうなった場合、日本の円ではそうした状況に対応しきれず、それこそ政府が預金封鎖令を発効し、円が外に流出しないようにして、デノミを起こし、1ドル1円ぐらいの交換レートを設定するような対応策をとる可能性はありますね。

▼おバカ編集部
何だか恐くなってきちゃいました・・・。
私達はどうすればいいんですか?

▼浜田先生
そんなに心配しなくても大丈夫です。今の話はあくまで可能性で、今すぐどうこうしなきゃいけないというわけではありません。とにかく、大事なのはタダの紙切れに固執しすぎないようにするということです。最近価値のあがってきている金(きん)やプラチナに投資するというのも一つの手段ですし、自分自身に投資するのも良いと思いますよ。どうするにせよ、自分で世界や社会の真実を見る目を養って、状況に応じた判断を自分で下す、賢い投資家を目指すことです。


Profile 浜田 和幸(はまだ かずゆき)浜田 和幸先生

1953年鳥取県生まれ。東京外語大学中国科卒業後、米ジョージ・ワシントン大学大学院政治学博士課程修了。戦略国際問題研究所主任研究員等を経て帰国。現在、国際未来科学研究所代表。また国連大学アメリカ評議会ミレニアム未来研究委員、21世紀の成長企業を探る研究会座長などを歴任。

→主な著書

浜田先生へ質問!
あなたが疑問に思っていることをおバカ編集部が浜田先生に取材します。


知っツモ!WORD
特需
特殊需要を省略した言葉。通常,戦争のような経済的問題以外の原因から増大した需要のことを特需という。それが発展して特別な何かがきっかけで経済的需要が高まることを指す。

兌換紙幣
金額と同じ金や銀と交換できる紙幣。これを使っていれば、お金の価値が金や銀と同じなので貨幣の価値が変わることはなかった。

デノミ denomination
通貨の呼称単位、もしくは計算単位を変更すること。




おバカ編集部の目からウロコ
-編集後記-
新紙幣が発行になるといって単純に喜んでいる場合じゃなかったです。政府の思惑が働いている可能性もあり、デノミや銀行封鎖など最悪の事態になるかもしれないなんて・・・。
考えただけで不安になりますね。絶対に信用していた、お金に対しての考え方を変えなくてはいけないようです。絶対、倒産しないと言われ続けていた銀行が倒産する時代ですから、お金の価値に対しても、絶対がないのは当然のことなのかもしれません。一生懸命、働いて得るお金に対して信用が持てなくなってしまう現状を考えると、私達が思っていたよりも日本経済が危機的な状況だということを痛感しました。

おバカ編集部 廣田美千代



これまで学んだこと
第22回 「10年後の日本」 第21回 「増税」
第20回 「企業買収」 第19回 「内閣改造」
第18回 「郵政民営化」 第17回 「アメリカ経済 2」
第16回 「アメリカ経済」 第15回 「上場」
第14回 「新貨幣」 第13回 「海外支援」
第12回 「1円企業」 第11回 「高速道路」
第10回 「株式」 第9回 「税金」
第8回 「りそな銀行」 第7回 「通貨」
第6回 「国連」 第5回 「デフレ」
第4回 「有事法案」 第3回 「年金」
第2回 「竹中 平蔵」 第1回 「ペイオフ」


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菅さんと小沢さん、あなたが首相になってほしいのは?

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