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おバカ編集部HYPER 浜田和幸先生(経済学者)に日本経済&世界情勢を学ぶ
1月14日 update

公定歩合、ペイオフ、デフレ・・・・。テレビや新聞で耳にする、政治や経済の言葉。でも、皆ちゃんと意味わかってる?今更聞けない用語、けれども知らぬは一生の恥。浜田先生~!おバカ編集部に、愛のご講義を!



- 本日の課題 - 第21回
増税【ゾウゼイ】

▼おバカ編集部
明けましておめでとうございます!本年もどうぞ宜しくお願いいたします。
新年早々、ヘンな話を耳にしました。
友人が車を買おうと販売店に出かけたら、早く買わないと値段が高くなってしまうと言われたそうです。税金の関係だそうですが、これってどういうことですか?

▼浜田先生
昨年末に自民党が決めた定率減税の段階的な廃止のことですね。定率減税は、1999年に小渕内閣時代に景気を元気づけようと減税策として導入された政策です。

▼おバカ編集部
そもそも定率減税って何ですか?

▼浜田先生
定率減税というのは、所得税の20%、金額にして最高25万円まで減税しますということなのです。減税をすることで経済的に余裕ができ、国民がお金を使ってくれるだろうということを見越して、景気回復のために1999年に導入した政策です。税金を減らして、その分、消費にまわそうと考えたわけですね。ただ、定率減税を導入したのはいいのですが、国は財源不足で、税収も伸び悩んでいて、年金の問題など、他にもたくさんの問題を抱えていて国家予算が大赤字なのです。

▼おバカ編集部
国家予算が大赤字ってどういうことですか?

▼浜田先生
たとえば、今年度の国家予算は約82兆円なのですが、このうち税収として国が確保している予算は40兆円しかないのですよ。残りの42兆円は、赤字の国債などを発行して、借金で穴埋めしているわけです。お金がないことにはサービスの提供ができないので、一番手っ取り早い税金という形で、足りない分を埋めようとしているわけです。年金や介護、福祉や医療など問題は山積み状況と言えるでしょう。

▼おバカ編集部
えっー!!!
手っ取り早いって!それって私達の税金が上がるってことですか?

▼浜田先生
はい、そうです。国民に足りない国家予算を負担してもらうということですね。

▼おバカ編集部
そんなぁー!!
42兆円って、昨日、今日足りなくなる金額じゃないですよねぇ。なんで、こんな大金が足りないって事態が起きているのですかぁ~!!

▼浜田先生
おっしゃるように、昨日、今日の赤字じゃなく、どんどん赤字が増えてしまって、結果として42兆円の赤字です。政府は、今まで何とか騙しだましやってきました。もちろん、抜本的に税の制度自体を改めようという案も出ていたのですが、選挙で選ばれる政治家の立場とすれば、国民の反発を気にして自分の任期中には行いたくないわけですよ。見てみぬフリをしてきたわけです。

▼おバカ編集部
人気が落ちるからなんてー!
自分達のことしか考えてないじゃないですかぁ!

▼浜田先生
そうですね。小泉総理でさえ、自分の在任中にはぜったいに消費税を上げないと言っているぐらいですからね。逆に言えば、2007年には消費税が大きく引き上げられるということ。とはいえ、当面、消費税を上げない代わりに他の方法で収入を増やさないことにはやっていけないのが財政の現状です。そこで、まずは定率減税を廃止しようということになったわけです。バブルが崩壊した、1999年当時に比べれば、だいぶ景気も良くなってきているので、2005年に半分、2006年には全廃と段階的に廃止することを昨年末に決めたのです。

▼おバカ編集部
車の値段が高くなるというのは、そういうことだったのですね。要するに、今まで免除してもらっていた税金が取られるようになるということですよね?

▼浜田先生
残念ながら、定率減税を廃止するということだけではなく、政府は、この機会に財源不足を克服するために、さまざまな名目で税収を増やそうと考えているようですよ。消費税を上げるとなると国民の抵抗感も強いので、まずは違う名目からというわけです。もちろん2006年以降に消費税が上がることは間違いないと思いますが、それまでの間にも、ジワジワと国民から税金を取り立てる仕組みを考えていることは間違いありません。

▼おバカ編集部
それ本当ですかぁ~!!
さまざまな名目で税金を増やすって、どんな税金が増やされちゃうのですか?

▼浜田先生
ありとあらゆる分野からです。例えば、今年の1月には、年金だけで生活している方からも追加で税金を取る制度が開始されます。今までは年金収入が年間365万円の世帯の人達は所得税がゼロだったのですが、そういう方達にも年間6万円の所得税を負担してもらうことになり、同じく1月から住宅ローンの減税額も減らされてしまいます。これまで所得税の減税額が最大500万円もあったのに、今年から360万円に引き下げられるのです。

▼おバカ編集部
ヒドイ!!お年寄りの税金も増やすのですか~!!

▼浜田先生
今年は他にも、雇用保険料金や、国民年金の保険料の値上がり、4月には国立大学の授業料まで値上がりします。6月には配偶者特別控除の上乗せ部分が廃止されます。これは個人にとっての住民税が上がるということと等しいことです。9月には厚生年金の保険料も上がりますし、10月には介護保険の食費や居住費が全て自己負担になる見通しです。また、これまでお目こぼしのあったフリーターに対しても、住民税をきっちり取ろうとしています。

▼おバカ編集部
税金に押しつぶされそう・・・(涙)

▼浜田先生
そうですよねぇ。とにかく、あらゆる部分で税金を増やしていきましょうということなのです。ニッセイ基礎研究所というところが、専業主婦と子供2人を抱える年収700万円のサラリーマンを想定して、この予定で税金が増えると一般の家庭にどれぐらい負担がかかるか試算したところ、2005年、2006年それぞれ1年間に約5万円の税金負担が増えるだろうという結果が出ています。年収700万円の人なら5万円近く、年収1000万円の人なら9万円近くの税金が増えるわけです。

▼おバカ編集部
家庭の5万円って大きいですよー!!
5万円あったら、洋服も買えるし、ちょっとした旅行にも行けるのにー!

▼浜田先生
そうですね。政府とすれば、これだけ赤字なのだから何とかやりくりするには、税金を増やすしかないだろうという大義名分なのですが、これでは付け焼く刃的な処置でしかなく、根本的な問題である景気回復につながりません。税金が増えれば当然、国民の不安は高まり、余計に財布の紐も硬くなり、悪循環を繰り返す可能性が高くなります。皆がお金を使わなければ、景気も滞り、税収も思ったような伸びをみせず、最後の奥の手として、買わないわけにはいかない食料品に新たな税金をかける仕組みを考えるなんてことが起こりえるわけです。

▼おバカ編集部
食料品に新たな税金って~!!
まるで時代劇に出てくる悪代官じゃないですか!

▼浜田先生
昨年も大問題になった年金にしても、もとをただせば、年金基金の運用を政府が失敗したツケが国民にシワ寄せがきているわけです。本来であれば運用に失敗した官僚の責任を明確にしてケジメをつけ、新しい負担を求めるのであれば、国民も納得できるでしょう。税金だけドンドン取られて、相変わらず使われない道路が作られたり、高級官僚の天下りなど、本当に国として無駄遣いが行われてないかどうか、一般の納税者が疑問に思うことがたくさんあるわけです。年金の問題でも、将来、幾ら戻ってくるのか、もっと分かりやすく、納得できるビジョンを明らかにする説明責任が国にはあるはずです。それをせず、過去の失敗はうやむやにして増税というのでは、国民も納得できないですよね。サラリーマンやフリーターには厳しくなる一方で、昨年問題となった西武やコクドのような大企業が「戦後一貫して、法人税も法人事業税も納めていない」という税の不公正が放置されてきたことも一般納税者からすれば納得できませんよね。

▼おバカ編集部
納得できるわけないじゃないですか・・・。
このまま日本に住んでいて大丈夫かなぁって、ますます不安になります。

▼浜田先生
確かにそうですよね。収めた税金が、ちゃんと自分達の将来の安心や安定のために使われているという納得できるようなプランや説明が欲しいですよね。国家の収入が40兆円しかないのに、82兆円を使っている状態です。なぜ、日本の国家財政が破綻に等しい状態に陥ってしまったかという肝心な部分はほおって置いて、42兆円足りないから追加で負担して下さいというのは、根本的な問題の解決にはなりませんからね。結局、また将来の借金が増えていくばかりです。

▼おバカ編集部
本当に、もう税金納めるの嫌になってしまいました・・・。年金も納めて戻ってくるのかどうか・・・。

▼浜田先生
そうですね、でも、日本国民には税金を納める義務があるのですよ。義務を果たそうと頑張っているのだから、政府も集めた税金を明確にして、公平に使うという責任を持って欲しいですよね。国が失敗した部分を、国民に押し付けるというやり方では、国民も政治不信が増長する一方で、税金を払わないという人が増え、悪循環が起きてしまうわけです。先のことを考えると、今のように財源が厳しいから安易に国民に負担を求めているだけでは、国の将来を危うくすることになると思います。増税を要求する前に、まずは国民が納得のいく説明をしてもらいたいものです。


Profile 浜田 和幸(はまだ かずゆき)浜田 和幸先生

1953年鳥取県生まれ。東京外語大学中国科卒業後、米ジョージ・ワシントン大学大学院政治学博士課程修了。戦略国際問題研究所主任研究員等を経て帰国。現在、国際未来科学研究所代表。また国連大学アメリカ評議会ミレニアム未来研究委員、21世紀の成長企業を探る研究会座長などを歴任。

→主な著書

浜田先生へ質問!
あなたが疑問に思っていることをおバカ編集部が浜田先生に取材します。


知っツモ!WORD
所得税
個人が1月1日から12月31日までの1年間に生じた所得に課税される税金のこと。

国家予算
国を運営するためにこれから使う予定の予算のこと。『国家決算』はすでに使ったお金のこと。

住宅ローン
宅地の取得や住宅の新築・改築などの目的のため、住宅を抵当として銀行や住宅金融会社が行う資金の貸付。




おバカ編集部の目からウロコ
-編集後記-
先生のお話を伺い、私達に求められている増税は、封建時代の年貢取り立てのイメージを受けました。本来、税金は国民の支払うべき義務であるけれども、それを逆手にとるような政府の対応は絶対に許せないと思います。まずは、なぜ増税が必要なのか、どうして増税をしなくてはいけない現状になってしまったかを国民に伝える責任が政府にも当然あるべきだと思います。資金が足りなくなったら、国民から徴収するという政府の考え方に将来を考え、ますます不安に感じました。



これまで学んだこと
第22回 「10年後の日本」 第21回 「増税」
第20回 「企業買収」 第19回 「内閣改造」
第18回 「郵政民営化」 第17回 「アメリカ経済 2」
第16回 「アメリカ経済」 第15回 「上場」
第14回 「新貨幣」 第13回 「海外支援」
第12回 「1円企業」 第11回 「高速道路」
第10回 「株式」 第9回 「税金」
第8回 「りそな銀行」 第7回 「通貨」
第6回 「国連」 第5回 「デフレ」
第4回 「有事法案」 第3回 「年金」
第2回 「竹中 平蔵」 第1回 「ペイオフ」


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