春服、買いました~?

豪華プレゼントが当たる!会員登録


テレビや新聞で耳にする、政治や経済の言葉。
でも、皆さん、本当に意味わかっていますか?
今更聞けない用語、けれども知らぬは一生の恥。
おバカ編集部のおバカな質問を、浜田先生にお答え頂きます!

第28章

2010年平成22年)2月2日火曜日

デフレⅡ【でふれ・Ⅱ】

▼おバカ編集部
最近、報道が過熱している「デフレ」問題。過去におバカ編集部でも取り上げましたが、7年前と今とでは、何か変化はあるのでしょうか。改めて、デフレについて教えてください!

▼浜田先生
はい。まずは「デフレ」のことをおさらいしましょう。デフレとは、物価が持続的に下がっている状態のことをいいます。「deflation(デフレーション)」の略ですね。
物価が下がるとお金の価値が上がりますから、同じ金額でよりたくさんのモノが買えるようになります。つまり今まで300円だったものが100円で買えるとなれば、それはそれで消費者にとってはお得感があり、決して悪いことではないのです。では何が問題なのかというと、モノを安く売るということは、その分、売り手や作り手の収入が減るという点にあります。モノの値段を下げるには生産コストを下げざるを得ないわけで、必然的に、人件費が真っ先にカットされるわけですよね。いつ何時収入がなくなるか分からないという状況下では、誰だってお金を使うことに不安感を抱きます。そうすると、消費者がお財布のヒモをしめてしまい買い控えをするようになり、モノが売れないから生産者は値段を下げざるを得なくなり、そうするとまた解雇や雇用調整がされ…と、どんどん悪循環に陥ってしまうのです。これがいわゆる、「デフレスパイラル」です。

▼おバカ編集部
最近は100円ショップや250円弁当も当たり前になっていて、毎日がセール状態ですよね。一度安く買ってしまったら、再び高いお金を出そうという気持ちになる人は少ない気がします。

▼浜田先生
そうですね。牛丼チェーンの低価格競争もどんどん拍車がかかっていますし、衣料品に関してはユニクロのひとり勝ち状態です。とにかく何でも安く求める傾向が強まりましたよね。「さらにもっと安くなるのでは」と期待している消費者も多いでしょう。
一方で、かつて人々のステータスシンボルだった百貨店は、ここ数年ずっと業績不振が続いています。昨年には、年間7兆円割れという過去最低の収入額をたたき出し、この先も5兆円台まで下がってしまうのではと言われているのですよ。

▼おバカ編集部
これからますますデフレが進行しそうですね。この状態は一体いつまで続くのでしょうか?

▼浜田先生
そうですねぇ。日本は2001年3月にデフレ認定を宣言して以降、いまだに脱却宣言ができないまま、もう10年が経とうとしています。ずっと緩やかなデフレ傾向が続いていたわけですが、ここへきてさらに追い討ちをかけるように、昨年11月に再びデフレ認定がされてしまいました。OECDは、少なくとも2011年までは日本はデフレ状態が続くだろうと発表しています。

▼おバカ編集部
ここ数年で一気にデフレ傾向が強まったのには、何か原因があるのですか?

▼浜田先生
やはり、アメリカ市場の低迷が大きく影響しているでしょうね。2年前のリーマンショックによって、デトロイトでは実に50%もの人々が職を失ってしまいました。2人に1人が失業者ですよ!こうしてアメリカの個人消費が大幅に減少したことで、日本製の車も家電が売れなくなり、日本経済に大きな打撃が走ったことは記憶に新しいですよね。
さらにそのアメリカ市場において、メイドインジャパンの価値がだんだん下がってきているのも事実なのです。現在、アメリカの大型スーパーに置いてある商品の8割が安い中国製なのですよ。
日本でも、ユニクロなどの企業が、コストカットのために中国、最近ではラオスの安い工場へも生産を流していて、賃金の高い日本の労働者はどんどん職を失っています。そうすれば、更にデフレや貧困化が進行してしまうでしょう。

▼おバカ編集部
うーん、ますます不安になってきました…。日銀や政府は、何も対策をしていないのですか?

▼浜田先生
はい。もちろんこういった状況を打破するために、日銀が量的緩和措置をとったりもしましたが、日本の経済活動全体が縮小・沈滞しているために、なかなか回復の見通しがつかないのが現状なのですよ。
銀行の金利が下がっているので、企業も新しいビジネスになかなか投資できず、雇用も生まれないという状況なのです。
それに、今は日本企業の8割が赤字経営で、法人税が納められない状態ですから、国も税収確保が難しいのですよね。本来ならば、政治的に国の予算を投入して、新しいビジネスや産業を生み出したり、経済の活性化を図ったりするべきなのですが…。

▼おバカ編集部
結局、政権交代したところで、何も状況は変わらなかったということですよね~?鳩山さん、しっかりしてください!

▼浜田先生
そうですねぇ。事業仕分けを行ってムダを排除したところで、そもそも国会議員の数が多すぎるのですよね(苦笑)。国民が不景気を背負って身を削っているのだから、まずは政治家自らが身を削ってしかるべきでしょう。1500万円の“子ども手当て”をもらっていた鳩山さんのように、お金の価値を分かっていない人が政界を動かしていることも問題のひとつかもしれません。政権交代によって景気回復すると期待していたのに、結果的にデフレをぶり返してしまったわけですから。国民の不安感が拭えるような明確な政策、ビジョンを求めたいですね。

▼おバカ編集部
何かいい対策はないでしょうか?

▼浜田先生
日本には元来「助け合い」という素晴らしい文化があるのにも関わらず、今の時代ではそれが失われているように感じます。頼れるのは自分だけ、だから結婚もしないし、出産もためらってしまう…そういう人が増えているのでしょう。
そこで子ども手当てが支給されたとしても、ローンや借金の足しにされてしまったり、あるいは将来のために貯蓄をしたりして、結局、市場にお金が回らないということもじゅうぶんに考えられます。
そういった表面的で一時的な措置ではなく、長期的かつ広範に渡って、新しい産業、技術、そして雇用が生まれるように国の予算を投入するべきです。たとえば、地球環境をいかに守るかに焦点をあて、そこへどう新しいビジネスを落とし込むかが重要でしょう。

▼おバカ編集部
具体的にどんなことが考えられますか?

▼浜田先生
はい。たとえばノルウェーでは、“水”を軸に資金運用を配分しています。水を使わない、あるいは汚さない産業に対して、資金を優先的に貸し付けているのです。日本も同じように、コストが多少高くても環境に配慮した企業へ優先的にお金を貸すような、新しい仕組みが生まれたらいいのではないでしょうか。

▼おバカ編集部
なるほど!高くていいものにお金を出すのはいい傾向ですよね。では、今後、私たちに出来ることは何でしょうか?

▼浜田先生
もっとも重要なのは、国民が健全に働ける環境をつくりだすことでしょう。今は生活保護や派遣村などが目立ちますが、もちろん、どうしても働けない事情がある場合はそれらも必要ですが、何でも福祉漬けにしてしまうのもどうかと思います。「たとえ収入がなくても、物価は安いし保護も受けられる。だから働かなくてもどうにか生活できる」というように、人々の労働意欲をそいでしまうことにもなりかねません。そうするとますます収入格差が広がり、最悪の場合、犯罪につながる危険性だってあります。
景気の“気”は空気、雰囲気と、メンタル的な意味合いが非常に強いのですよ。まずはマスコミの自虐的な報道に左右されない、個々の価値観を持つことが、デフレ打開策のひとつだと思います。「安かろう悪かろう」で満足して消耗していくのでは空しいですよね。一つ一つじっくり選んで、お金を出して買って、愛着を持ってずっと使う…そんな価値観を、ひとりでも多くの人が持てるようになるといいですね。


取材・文/皆川夕美

Profile 浜田 和幸(はまだ かずゆき)浜田 和幸先生
1953年鳥取県生まれ。東京外語大学中国科卒業後、米ジョージ・ワシントン大学大学院政治学博士課程修了。戦略国際問題研究所主任研究員等を経て帰国。現在、国際未来科学研究所代表。また国連大学アメリカ評議会ミレニアム未来研究委員、21世紀の成長企業を探る研究会座長などを歴任。
浜田先生へ質問!
あなたが疑問に思っていることをおバカ編集部が浜田先生に取材します。
※ご投稿頂いたご質問は、編集部で検討し取材させて頂きます。
知っツモ WORD
OECD
経済協力開発機構の略。経済成長、貿易の自由化、途上国支援を目的とした国際機関で、本部はパリにある。現在の加盟国は30カ国。日本は1964年に加入した。
量的緩和措置
2001年に発足した、日銀の金融政策。市場に出回るお金の供給学を増やし、企業の設備投資や運用促進につなげることを目的とする。都市や地方にある銀行の国債を日銀が買い取り、企業にお金を貸し付けるというしくみ。
これまで学んだこと
[日本経済&世界情勢を学ぶⅡ]
第29回 「中国経済【ちゅうごくけいざい】」 第28回 「デフレⅡ【でふれ・Ⅱ】」
第27回 「日航再建問題【にっこうさいけんもんだい】」 第26回 「普天間基地移設問題【ふてんまきちいせつもんだい】」
第25回 「国債【こくさい】」 第24回 「政権交代【せいけんこうたい】」
第23回 「衆議院議員総選挙【しゅうぎいんぎいんそうせんきょ】」 第22回 「東京都議会議員選挙【とうきょうとぎかいぎいんせんきょ】」
第21回 「鳩山由紀夫【はとやまゆきお】」 第20回 「2016年夏季五輪招致【2016ねんかきごりんしょうち】」
第19回 「政治献金【せいじけんきん】」 第18回 「国家公務員制度改革【こっかこうむいんせいどかいかく】」
第17回 「ガザ地区【がざちく】」 第16回 「景気【けいき】」
第15回 「バラク・オバマ新大統領【ばらく・おばましんだいとうりょう】」 第14回 「金融危機【きんゆうきき】」
第13回 「福田康夫【ふくだやすお】」 第12回 「原油高騰【げんゆこうとう】」
第11回 「北海道洞爺湖サミット【ほっかいどうとうやこさみっと】」 第10回 「チベット問題【ちべっともんだい】」
第9回 「暫定税率【ざんていぜいりつ】」 第8回 「アメリカ大統領選挙【あめりかだいとうりょうせんきょ】」
第7回 「山田洋行【ヤマダヨウコウ】」 第6回 「小沢一郎【オザワイチロウ】」
第5回 「裁判員制度【サイバンインセイド】」 第4回 「内閣総理大臣 【ナイカクソウリダイジン】」
第3回 「FX【エフエックス】」 第2回 「日本年金機構 【ニホンネンキンキコウ】」
第1回 「北京オリンピック 【ペキンオリンピック】」


[日本経済&世界情勢を学ぶⅠ]
第22回 「10年後の日本」 第21回 「増税」
第20回 「企業買収」 第19回 「内閣改造」
第18回 「郵政民営化」 第17回 「アメリカ経済 2」
第16回 「アメリカ経済」 第15回 「上場」
第14回 「新貨幣」 第13回 「海外支援」
第12回 「1円企業」 第11回 「高速道路」
第10回 「株式」 第9回 「税金」
第8回 「りそな銀行」 第7回 「通貨」
第6回 「国連」 第5回 「デフレ」
第4回 「有事法案」 第3回 「年金」
第2回 「竹中 平蔵」 第1回 「ペイオフ」
この記事をブログ・SNSにクチコミする
http://www.fe-mail.co.jp/lifestyle/obaka2/20100202.cfm



Members

ログイン

ようこそ
ゲストさん




このページを友達に教える