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テレビや新聞で耳にする、政治や経済の言葉。
でも、皆さん、本当に意味わかっていますか?
今更聞けない用語、けれども知らぬは一生の恥。
おバカ編集部のおバカな質問を、浜田先生にお答え頂きます!
第29章
2010年
22
2月25日
中国経済【ちゅうごくけいざい】
▼おバカ編集部
すさまじい勢いで経済成長を遂げている中国。何かと話題に上りますが、その実態を教えてください!
▼浜田先生
はい。いまの中国の経済ブームは、一昨年の
北京オリンピック開催
によるところが大きいのを、みなさんもご存知ですよね。インフラ整備などの内需拡大のために資金が注入されて、雇用が生まれ、個人収入が豊かになって、車も服も売れて・・・と非常に良い循環ができています。この世界的な金融危機の中、中国だけが唯一10%もの経済成長を遂げています。
さらに今年5月には上海万博が開催されますが、その経済効果は少なくとも20兆円、多ければその倍の40兆円とも言われています。加えて人口13億という巨大なマーケットですから、世界中が注目をしているのは間違いありません。日本でも、いわゆる中国特需の状態がずっと続いていますね。
▼おバカ編集部
国民総生産(GDP)では、日本はとうとう中国に抜かれてしまいましたよね。中国人はみんなお金持ちになったのですか?
▼浜田先生
いえいえ。確かに国全体のGDPでは世界一となりましたが、個人単位でみると一人頭2000ドルほどで、日本に比べるとまだまだ貧しいのですよ。富裕層が年々増えているとはいえ、それは上海や香港などのほんの一部分にすぎず、郊外には水道も電気も来ないような、70年前と変わらない生活をしている人たちが8~9億もいるのです。彼らは自給自足をしながら細々と暮らし、病気になっても治療が受けられず、まさに生命の危機にも晒されているのですよ。
▼おバカ編集部
そうだったのですか!実際は日本よりも経済格差が深刻なのですね。
▼浜田先生
はい。それに中国は、ほかにもたくさんの問題を抱えているのですよ。そのひとつに、急速な経済発展による環境汚染があります。工場がたくさんできれば当然、そこから川や土壌、大気が汚染されて公害が発生しますよね。この影響で、昨年は北京だけで100万人を超える障害児が生まれたと報告されていますし、障害者手帳所持者の数は7000万人にも上るそうです。これは信じがたい数ですよね。しかし被害を受けている当の国民たちは、貧しいがゆえに国に訴えることすらできない状況なのです。
▼おバカ編集部
それはひどい!あれだけ人口が多いと、みんなが同じように暮らすのは難しいのですね。
▼浜田先生
はい。それに、中国は極めて独裁的な国ですから、文化面においても規制が厳しいのです。たとえば海外の自由な雰囲気に触発されないようにするため、外国映画は年間25本しか上映されないそうですよ。また、インターネットの閲覧も制限されていて、国内の環境破壊や人権侵害の問題、地域格差など、国にとって都合の悪い問題を、国民が検索しても見られないように隠しているのです。このことで今、検索大手のグーグルは中国市場から撤退する、と大問題になっていますね。
でも、今はインターネットの普及や海外旅行などで、海外の文化に触れている若い中国人がだんだん増えてきましたから、独裁的に13億もの人口をまとめあげようとするのは、無謀な話ですよね。
▼おバカ編集部
確かに、世の中の流れに逆行していますよね。人口といえば、中国には一人っ子政策がありますが、これはまだ必要なのでしょうか?
▼浜田先生
はい。実は、これも人権問題として取り沙汰されています。子どもの数なんて両親が決めるもので、国が規制するものではないですからね(苦笑)。とはいえ、一般家庭の経済状況はまだまだ厳しく、1人を育てるのが精一杯なのでしょう。しかし働き手が必要な農家などでは、子どもを1人以上産んでも届け出さない、いわゆる“闇の子ども”がたくさんいるのです。もちろん教育も医療も受けられませんから、社会の底辺で苦しむか、犯罪に走るしかないという状況なのです。現在の中国の公式人口は13億人ですが、実際は16億人ともいわれ、その誤差は“闇の子ども”の数でもあるのです。それに悲しいことに、「子どもを一人しか産めないのなら男の子を」ということで、女の子が生まれたら川に流してしまう夫婦もいるのですよ。
▼おバカ編集部
そんな実情があったなんて・・・。中国は今ノリにノっていると思っていましたが、私たちの耳に入ってくる情報はごく一部なのですね。
▼浜田先生
中国はメディアに対しても情報管理が巧みですから、報道規制もひどいのですよ。
特に共産党の一党独裁政権の下では、上から右と言われたら右、左と言われたら左を向かざるをえないのです。指揮系統が非常に徹底されているため、反抗すれば牢屋に入れられるか、あるいは公開銃殺も当たり前なのです。現在、世界中で起きている公開銃殺の実に9割が中国人なのですよ。しかも銃殺した人たちの臓器を売ってお金儲けをしている人もいます。もちろん、そのお金は政府の懐に入るのです。こんな風に光と影があるのが、中国の実態なのですよ。
▼おバカ編集部
う~ん、黒いですね、中国!でも、ここまで悪いことをしていて、それでも中国政府が強気でいられるのには、何か理由があるのですか?
▼浜田先生
それはやはり、世界の国々が中国の巨大なマーケットを無視できないからでしょう。もし中国経済が破綻したら、それこそ世界大恐慌が訪れるかもしれない、だからみんな中国に頼るしかない状況なのですよ。
前回、北京オリンピックの回でもお話しましたが、かつてナポレオン皇帝は「眠れる獅子が目覚めた時、世界は震撼させられるだろう」という有名な予言を残しています。そこで中国は、今まさに予言が現実になる時期が訪れている、アメリカや日本を抜いて世界トップになってやるぞと意気込んでいるのですね。
▼おバカ編集部
でもこのままいくと、かつての日本のようにバブルがはじける可能性もありますよね?
▼浜田先生
そこは、中国もアメリカや日本の失敗を見てきていますからね。昨年末から銀行の貸し出しを抑えるなど、国が介入してお金の流れをコントロールし、バブルを回避しようとしています。それでなくても中国人は商才がありますから。事実、不動産は1980年代の半ばから一度も下がっていないのですよ。
▼おバカ編集部
さすが商売上手な中国人!では最後に、日本との関係について伺いたいのですが、やはり反日感情はまだ強いのでしょうか?
▼浜田先生
残念ながら、今でも反日教育が続けられています。たとえば南京大虐殺のことでも、間違った情報を教えられて、中国人の子供たちは「日本人は怖い」という印象を刷り込まれています。そうやって過去の歴史をつついては、中国は日本からお金を巻き上げているのですよ。
▼おバカ編集部
う~ん、もっと日本人と触れ合って、日本の良さを知ってもらえれば、悪い印象は払しょくできるはずですよね?
▼浜田先生
その通りです!日本と中国との間には、戦争という負の歴史があるのは事実ですが、いつまでも過去にとらわれているのではなく、未来志向に切り替える必要があります。
たとえば環境汚染で困っている中国人に、日本の優れた環境技術や、安全性の高い食品や製品を知ってもらえれば、それは大きなビジネスにもなり得ますよね。一方、いま元気をなくしている日本は、中国のダイナミズム、たくましさ、バイタリティなど、学べる部分がたくさんあります。かつて日本は中国を見下していた節もありますが、基本的には国と国は対等であるべきですよね。同じ地球上で限られた資源を共有しているわけですから、お互いを尊敬し合って、持ちつ持たれつで協力し合える関係が理想的ではないでしょうか。
取材・文/皆川夕美
1953年鳥取県生まれ。東京外語大学中国科卒業後、米ジョージ・ワシントン大学大学院政治学博士課程修了。戦略国際問題研究所主任研究員等を経て帰国。現在、国際未来科学研究所代表。また国連大学アメリカ評議会ミレニアム未来研究委員、21世紀の成長企業を探る研究会座長などを歴任。
浜田和幸先生のHPはコチラ→
あなたが疑問に思っていることをおバカ編集部が浜田先生に取材します。
※ご投稿頂いたご質問は、編集部で検討し取材させて頂きます。
中国特需
中国の急激な経済成長に伴い、日本の鉄鋼や車、家電製品などの需要が増加し、利益を上げている状態のこと。
グーグル中国撤退説
天安門事件や環境汚染など、国にとって都合の悪い情報を隠すため、中国政府の激しい検閲がなされている。これに対しグーグル側は「本来、情報は自由に行きかうべきだ」と主張、中国市場からの撤退を示唆し、モメている問題。
南京大虐殺
1937年、日中戦争の期間に行われた南京攻略戦後、日本軍が中国・南京を占領し、中国軍捕虜や一般市民を虐殺したとされる事件。30万人が殺されたといわれているが、当時、南京には20万人しか人口がなかった。このように、中国の教科書などには誤った情報が多い。
[日本経済&世界情勢を学ぶⅡ]
第34回 「2010年 参議院選挙【2010ねん さんぎいんせんきょ】」
第33回 「ギリシャ経済危機【ぎりしゃけいざいきき】」
第32回 「新党【しんとう】」
第31回 「高速道路無料化【こうそくどうろむりょうか】」
第30回 「外国人参政権【がいこくじんさんせいけん】」
第29回 「中国経済【ちゅうごくけいざい】」
第28回 「デフレⅡ【でふれ・Ⅱ】」
第27回 「日航再建問題【にっこうさいけんもんだい】」
第26回 「普天間基地移設問題【ふてんまきちいせつもんだい】」
第25回 「国債【こくさい】」
第24回 「政権交代【せいけんこうたい】」
第23回 「衆議院議員総選挙【しゅうぎいんぎいんそうせんきょ】」
第22回 「東京都議会議員選挙【とうきょうとぎかいぎいんせんきょ】」
第21回 「鳩山由紀夫【はとやまゆきお】」
第20回 「2016年夏季五輪招致【2016ねんかきごりんしょうち】」
第19回 「政治献金【せいじけんきん】」
第18回 「国家公務員制度改革【こっかこうむいんせいどかいかく】」
第17回 「ガザ地区【がざちく】」
第16回 「景気【けいき】」
第15回 「バラク・オバマ新大統領【ばらく・おばましんだいとうりょう】」
第14回 「金融危機【きんゆうきき】」
第13回 「福田康夫【ふくだやすお】」
第12回 「原油高騰【げんゆこうとう】」
第11回 「北海道洞爺湖サミット【ほっかいどうとうやこさみっと】」
第10回 「チベット問題【ちべっともんだい】」
第9回 「暫定税率【ざんていぜいりつ】」
第8回 「アメリカ大統領選挙【あめりかだいとうりょうせんきょ】」
第7回 「山田洋行【ヤマダヨウコウ】」
第6回 「小沢一郎【オザワイチロウ】」
第5回 「裁判員制度【サイバンインセイド】」
第4回 「内閣総理大臣 【ナイカクソウリダイジン】」
第3回 「FX【エフエックス】」
第2回 「日本年金機構 【ニホンネンキンキコウ】」
第1回 「北京オリンピック 【ペキンオリンピック】」
[日本経済&世界情勢を学ぶⅠ]
第22回 「10年後の日本」
第21回 「増税」
第20回 「企業買収」
第19回 「内閣改造」
第18回 「郵政民営化」
第17回 「アメリカ経済 2」
第16回 「アメリカ経済」
第15回 「上場」
第14回 「新貨幣」
第13回 「海外支援」
第12回 「1円企業」
第11回 「高速道路」
第10回 「株式」
第9回 「税金」
第8回 「りそな銀行」
第7回 「通貨」
第6回 「国連」
第5回 「デフレ」
第4回 「有事法案」
第3回 「年金」
第2回 「竹中 平蔵」
第1回 「ペイオフ」
http://www.fe-mail.co.jp/lifestyle/obaka2/20100225.cfm
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