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テレビや新聞で耳にする、政治や経済の言葉。
でも、皆さん、本当に意味わかっていますか?
今更聞けない用語、けれども知らぬは一生の恥。
おバカ編集部のおバカな質問を、浜田先生にお答え頂きます!

第34章

2010年平成22年)7月2日金曜日

2010年 参議院選挙【2010ねん さんぎいんせんきょ】

▼おバカ編集部
今月11日に参議院選挙がありますが、ズバリ今回の見どころを教えてください!

▼浜田先生
はい。ちょうど昨年の夏の衆院選では、政権交代が実現し、大いに盛り上がったわけですが、今回の参院選はその成果が問われるものになるでしょう。耳に心地よいマニフェストを掲げていた民主党は、子ども手当てにしても事業仕分けにしても、期待通りの結果を出せず、普天間基地問題に関しては沖縄県民の気持ちを振り回すだけに終わってしまいましたから。民主党は「マニフェストの半分は実行した」と言っていますが、有権者のほとんどは民主党に対してガッカリしているはずです。それらが、選挙にどのような影響を与えるのかが注目ですね。

▼おバカ編集部
しかも6月には鳩山さんと小沢さんが突然辞任して、民主党への信頼は、ますます下がってしまいましたよね。

▼浜田先生
はい。これまで「民主党を正そう」という声が内側から上がらなかったのは、やはり小沢さんが怖かったからなのですよね。このような民主党の無責任な言動は、国民にとって非常に不幸なことです。鳩山さんと小沢さんの辞任は「『政治とカネ』問題や普天間基地問題の責任を取る」という理由でしたが、国民の政治不信に拍車をかける結果となってしまいました。
世論調査によれば、新内閣誕生で支持率はV字回復、今のところ50%前後を獲得していますから、このまま選挙に突入して政権を維持しようという考えなのかもしれません。

▼おバカ編集部
その辞任劇によって、今回注目されていたインターネット選挙が見送られてしまいましたね。

▼浜田先生
はい。当初は、6月4日に新しい法律をつくり、次の参院選からインターネットでの選挙活動を解禁しようとしていました。つまり、現在は公職選挙法で禁止されている、選挙期間中のHPやブログ・動画共有サービスなどの更新を、自由に行えるようにすべきという動きになっていたのです。最近は多くの議員がブログやツイッターを利用していますし、有権者も情報を得るのに、インターネットを使う人が多いでしょう。政治家にとっても自分の主義主張、あるいは党としてのマニフェストを広く知らせることができます。今や国内のインターネット利用者数9千万人という時代に、この発達した通信手段を使わない手はないだろうということだったのです。
きっかけは、オバマ大統領がインターネットを駆使して選挙活動を成功させたことです。あの広いアメリカの国土をくまなく回って、自分の想いを伝えるのは現実的ではありませんが、インターネットなら自分の考えていることをタイムリーに、かつ広く多くの人に伝えることができたわけです。こうやって時代に沿って、新しいことは取り入れるべきです。むしろ日本は、遅れているくらいだったのですよ。

▼おバカ編集部
そうだったのですか!たしかにインターネットで選挙活動ができれば、お金も労力もかからないし、いいことづくしですよね。

▼浜田先生
はい。そもそも今の日本の選挙活動は、お金がかかりすぎています。選挙ポスターを一枚貼るのだって人件費がかかりますから、お金や知名度のない若手議員が政治に勝つのは、なかなかハードルが高いでしょう。それが結局、「政治とカネ」問題につながり、世襲議員が増える原因にもなるのです。
もちろん、デメリットもあります。「なりすまし」の書き込みや誹謗中傷が蔓延したり、高齢の議員はインターネットどころかパソコンも使えなかったり、また日本にはインターネットやパソコンがまだまだ普及していない地域もたくさんありますから、まったく安全で公平だとは言い難い部分もあります。しかし、今の腐敗した状況を打破し、新しい選挙や政治の流れを生み出す良いきっかけになり得たはずです。それに、若い有権者にもダイレクトにアピールできますから、投票率のアップや、政治を身近に感じてもらうためにも有効だったのに、残念ですね。

▼おバカ編集部
「政治を身近に」という視点でいえば、最近はタレントやスポーツ選手の出馬も目立っていますよね。これも投票率を上げるための作戦なのですか?

▼浜田先生
そうですねぇ。民主党にしても自民党にしても、現在パワーダウンしているのは明らかですから、著名人の知名度や人気によって話題も票も集めようと考えているのは間違いないでしょう。
しかし、民主党からの出馬打診を受けた高橋尚子さんが「政治の勉強をした人がやるべき」と断ったように、党は彼らの政治力を買っているのではないのですね。スポーツやタレントとしての実績と選挙とは別ものですから、著名人に頼った選挙ばかりを繰り返していると、国民も辟易してしまうでしょう。

▼おバカ編集部
本当にそうですよ。結局、どの政党を信頼して良いか分からずに、国民は混乱するばかりです!

▼浜田先生
今回の選挙に対して、自民党の谷垣さんは「自分の政治生命をかけて戦う」と必死に演説しています。おおむね、民主・自民の二大政党の戦いになることは間違いないでしょう。
しかし、以前「新党」の回でもお話したように、乱立する小さな党の中でも、「みんなの党」が人気を伸ばしてきています。民主党も自民党も、増税を視野に入れているのに対して、「みんなの党」の渡辺さんは「増税の前にやるべきことがある」というのが主張です。とは言え実際その中身は、議員の数を減らすとか、天下りの撤廃とか、これまで民主党や自民党が言ってきたことと、あまり代わり映えしないというのが実情です。しかも、「立ち上がれ日本」は高齢議員が多く、頼りない印象がもたれており、「新党改革」は舛添さんにクセがありすぎるから、「この3党の中で比べたら『みんなの党』かな」という状況なのですよね。

▼おバカ編集部
う~ん、消去法でしか選べないのでは、盛り上がりに欠けますね。

▼浜田先生
このまま有権者からの投票率が上がらないと、組織票を持っている政党が強くなってしまいます。労働組合や利益団体、それこそ宗教団体がバックについた政党が勝ってしまう可能性もあるわけです。
これでは、政治に民意が反映されないどころか、ますます日本の政治はおかしくなってしまうかもしれません。有権者一人一人が自分の考えを持って、きちんと政党を選んで投票できるように、意識を変えて勉強をすることが必要なのではないでしょうか。
いよいよ迫った参院選、日本が明るく変われるような、良い結果に期待しましょう!



Profile 浜田 和幸(はまだ かずゆき)浜田 和幸先生
1953年鳥取県生まれ。東京外語大学中国科卒業後、米ジョージ・ワシントン大学大学院政治学博士課程修了。戦略国際問題研究所主任研究員等を経て帰国。現在、国際未来科学研究所代表。また国連大学アメリカ評議会ミレニアム未来研究委員、21世紀の成長企業を探る研究会座長などを歴任。
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知っツモ WORD
菅直人
1946年生まれ。東京工業大学理学部応用物理学科卒。市川房江の選挙事務所代表を務めたことをきっかけに政界入りし、1980年に初当選。1996年には橋本内閣で厚生大臣に就任、薬害エイズ問題に尽力する。1996年鳩山由紀夫氏とともに民主党を結成、党代表に就任。2010年6月2日の鳩山首相の辞任により、民主党代表および第94代内閣総理大臣に就任。政治家一族ではなく一般家庭に生まれ育った、“非世襲”議員。
公職選挙法
国会議員、や地方の議員などの選挙運動に関する日本の法律。「事前運動」や「戸別訪問」などが選挙違反として規制されている。なかでも、「不特定多数への法定外文書図画の頒布」は選挙用のハガキ送付やビラ配布を禁止するもので、インターネットでの選挙活動も含まれる。
これまで学んだこと
[日本経済&世界情勢を学ぶⅡ]
第34回 「2010年 参議院選挙【2010ねん さんぎいんせんきょ】」 第33回 「ギリシャ経済危機【ぎりしゃけいざいきき】」
第32回 「新党【しんとう】」 第31回 「高速道路無料化【こうそくどうろむりょうか】」
第30回 「外国人参政権【がいこくじんさんせいけん】」 第29回 「中国経済【ちゅうごくけいざい】」
第28回 「デフレⅡ【でふれ・Ⅱ】」 第27回 「日航再建問題【にっこうさいけんもんだい】」
第26回 「普天間基地移設問題【ふてんまきちいせつもんだい】」 第25回 「国債【こくさい】」
第24回 「政権交代【せいけんこうたい】」 第23回 「衆議院議員総選挙【しゅうぎいんぎいんそうせんきょ】」
第22回 「東京都議会議員選挙【とうきょうとぎかいぎいんせんきょ】」 第21回 「鳩山由紀夫【はとやまゆきお】」
第20回 「2016年夏季五輪招致【2016ねんかきごりんしょうち】」 第19回 「政治献金【せいじけんきん】」
第18回 「国家公務員制度改革【こっかこうむいんせいどかいかく】」 第17回 「ガザ地区【がざちく】」
第16回 「景気【けいき】」 第15回 「バラク・オバマ新大統領【ばらく・おばましんだいとうりょう】」
第14回 「金融危機【きんゆうきき】」 第13回 「福田康夫【ふくだやすお】」
第12回 「原油高騰【げんゆこうとう】」 第11回 「北海道洞爺湖サミット【ほっかいどうとうやこさみっと】」
第10回 「チベット問題【ちべっともんだい】」 第9回 「暫定税率【ざんていぜいりつ】」
第8回 「アメリカ大統領選挙【あめりかだいとうりょうせんきょ】」 第7回 「山田洋行【ヤマダヨウコウ】」
第6回 「小沢一郎【オザワイチロウ】」 第5回 「裁判員制度【サイバンインセイド】」
第4回 「内閣総理大臣 【ナイカクソウリダイジン】」 第3回 「FX【エフエックス】」
第2回 「日本年金機構 【ニホンネンキンキコウ】」 第1回 「北京オリンピック 【ペキンオリンピック】」


[日本経済&世界情勢を学ぶⅠ]
第22回 「10年後の日本」 第21回 「増税」
第20回 「企業買収」 第19回 「内閣改造」
第18回 「郵政民営化」 第17回 「アメリカ経済 2」
第16回 「アメリカ経済」 第15回 「上場」
第14回 「新貨幣」 第13回 「海外支援」
第12回 「1円企業」 第11回 「高速道路」
第10回 「株式」 第9回 「税金」
第8回 「りそな銀行」 第7回 「通貨」
第6回 「国連」 第5回 「デフレ」
第4回 「有事法案」 第3回 「年金」
第2回 「竹中 平蔵」 第1回 「ペイオフ」
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