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テレビや新聞で耳にする、政治や経済の言葉。
でも、皆さん、本当に意味わかっていますか?
今更聞けない用語、けれども知らぬは一生の恥。
おバカ編集部のおバカな質問を、浜田先生にお答え頂きます!

第3章

2007年平成19年)8月24日金曜日

FX【エフエックス】

▼おバカ編集部
最近、FXという言葉をよく耳にします。友達も「FXで儲けた!」と言っていたのですが、そもそもFXって何なのですか?

▼浜田先生
最近、TVや新聞などでもよく話題になっていますよね。「FX」は、外国為替証拠金取引といって、1998年に外為法が改正されたのを機会に、新しく導入された金融商品のことなのですよ。分かりやすく言いますと、通貨を売買して利益を出そうという商品です。外国為替証拠金取引を英語で「フォーリンエクスチェンジ」と言うので、その頭文字を取って通称FX(エフエックス)と呼ばれています。

▼おバカ編集部
どうして通貨売買で利益が出るのですか?

▼浜田先生
FXには、外貨が安い時に買って高いときに売る『買いポジション』と、その逆に先物買いで外貨が高い時に売り安いときに買い戻すという『売りポジション』の2つがあって、円と外貨の差額が儲けになるのです。

▼おバカ編集部
なるほど~!!
でも、それって株や投資信託とどう違うのですか?

▼浜田先生
株の場合、例えば10万円の資金では10万円分の取引しか出来ませんよね。ですが、FXの場合は、取扱会社に証拠金(元本)を預けると、その会社が5倍・10倍とお金を貸してくれるのです。つまり、10万円の資金で、100万円分の取引が出来てしまうのですよ。これを、小さな力から大きな力を生み出すテコの原理に例え「レバレッジ(テコ)」と呼んでいます。

最近では1万円からでも取引が開始できますから、資金力が必要な株と違い、お小遣い程度の資金で気軽に始められ、注目を集めているのです。
現在、FXの口座数は、日本だけで66万口座に達し、証拠金残高は6133億円にも上っています。来年の3月には口座数は104万口座、証拠金残高は8314億円になると予想されているのですよ。

▼おバカ編集部
えぇ~!?日本だけですか!
どうして、そんなに人気があるのですか?

▼浜田先生
水が高いところから低いところへ流れるように、お金も条件の良い方へ流れていくのですよ。今の日本は超低金利ですから、銀行に預けていてもなかなか蓄えが増えませんよね。なので、日本の銀行から低金利の円を調達して高金利のドルを買う、円キャリートレードが流行っているのです。

FXでは、低金利の通貨を売って高金利の通貨を買った場合、その金利差による利益「スワップポイント」でも得をすることも出来ますしね。ただし、これは高金利の通貨を売って低金利の通貨を保持すると、逆にその金利差を支払わなければいけませんけれどね。

やはりFXの特徴としては、レバレッジを利用して少ない元手で大きな金額の取引が出来るということです。日本が夜でも、アメリカやヨーロッパは動いていますから24時間いつでも取引が出来ますし、為替の動きは刻一刻と変動していますから、そのタイミングさえうまくつかめば利益を得ることは可能なのです。

なかなか良く出来た商品ですよ。勤めに出られない子育てママや資産運用熱の高いOLさんが「私でも出来る!」と思うのでしょう。

▼おバカ編集部
確かに、何だか私にも出来るような気がしてきました!!
どこの通貨を買えば安心でしょうか?

▼浜田先生
そうですね、主流なのはドルやユーロで、特にドルは日本人にも分かりやすいのではないでしょうか。1ドル120円で取引開始した場合、118円なら円高で124円なら円安、といった具合に、為替の動きがイメージしやすいですよね。ですがここ最近は、ユーロの評価が上がっていて、ドルに対してユーロが2割くらい高くなっています。これはブッシュ人気の低迷などが原因で、ドルへの信用が揺らいでいるのです。通貨はその国の国力を表しますからね。

最近、日本では自民党の敗退が大きな話題になりましたね。政治や経済の動向は、海外からの円の評価に大きな影響を及ぼします。日本の円や株の保有率は、外国人の投資家が半分近くを占めているのですが、もし、彼らが今後の日本に不安を感じれば、円を手放してこれから発展していくと予想される中国の元や株を買おうと考えるかもしれません。通貨同士の力関係は、国際情勢が大きく影響してくるのですよ。為替の動きは日々変動していているので、FXを利用する時は、今後、どこの国の通貨がリードしていくのかをしっかり読んで、どの通貨を買うべきか判断しなければいけません。


▼おバカ編集部
なるほど~!
「専門知識がなくても、寝ている間に大儲け!」なんて広告をよく見かけますが、そう簡単なものではないのですね・・・。

▼浜田先生
もちろん!自分が想像したとおり為替が動けば大きな収益が得られますが、世の中思い通りに行かないことの方が多いですよね(苦笑)。

元本保証ではありませんから、ハイリスク・ハイリターンであるということを念頭においておかないといけません。
例えば、10万円の元本に10倍のレバレッジを使用して100万円の取引をした場合、相場が1%上がれば10万円の得がでますが、逆に1%下がれば90万円になってしまいます。そこで元本の10万円は相殺されてしまいますね。得が10倍になるということは、損も10倍になるということです。

元本が全て損失してしまったら取引が出来なくなりますから、その前に「元本を追加してください」という請求(マージンコール)なんかもあるのですよ。それを繰り返していくと、損どころか元本を捻出するために借金をしてしまうなんてこともありえますよね。大儲けしている人がいる反面、大損している人も多いのですよ。

そんな危険性を回避するために、あらかじめ設定した額まで損が出たら、自動的に決済できるロスカットシステムもあります。自分でブレーキをかけてうまくリスクコントロールすることも重要なのですね。

▼おバカ編集部
なかなか難しそうですね。
初心者でも大丈夫でしょうか?

▼浜田先生
初心者の方向けに、アドバイスやシュミレーションをしてくれる会社もありますよ。業界最大手は「外為どっとコム」ですが、他にも取扱会社はたくさんあります。手数料や取引可能額も会社によって異なりますから、会社選びもポイントになるでしょう。ただ、中にはいわゆる悪徳業者も多く潜んでいます。おいしい儲け話で高額のお金を集めておいて、ある日突然姿を消してしまう会社や、多額の手数料を取られたり、倒産時に保証金が戻ってこないなど、被害例も多く出ているのですよ。

▼おバカ編集部
えぇ~!それは怖いですね!
どんなところに注意をして会社を選んだらいいのでしょうか?

▼浜田先生
口コミや掲示板の書き込みなど、利用者の声を聞くのが一番安心かもしれませんね。実際、悪徳業者によるトラブルが相次いだので、2004年に金融商品販売法が適用され法律の網がかけられました。2005年7月には金融先物取引法が改正されて、無理な勧誘や「必ず儲かる」といった断定的な広告などを、法律で禁止するようになりました。

ただ、残念ながら、まだまだ悪徳業者は潜んでいます。為替の動きだけでなく、業者を見極める目も必要になるでしょう。すべては自己責任において行わなければいけませんから、何事も慎重に行うことが大切ですね。


取材 : 皆川夕美

Profile 浜田 和幸(はまだ かずゆき)浜田 和幸先生
1953年鳥取県生まれ。東京外語大学中国科卒業後、米ジョージ・ワシントン大学大学院政治学博士課程修了。戦略国際問題研究所主任研究員等を経て帰国。現在、国際未来科学研究所代表。また国連大学アメリカ評議会ミレニアム未来研究委員、21世紀の成長企業を探る研究会座長などを歴任。
浜田先生へ質問!
あなたが疑問に思っていることをおバカ編集部が浜田先生に取材します。
※ご投稿頂いたご質問は、編集部で検討し取材させて頂きます。
知っツモ WORD
外為法
外国為替及び外国貿易法の略称。外国為替と外国貿易を管理する法律。国際収支と通貨の安定、日本経済の発展を目的とする日本の法律。1980年と1988年に大幅な規制緩和が行われている。
円キャリートレード
低金利の円で投資資金を調達し、高金利の外貨に換えて投資すること。投資対象は、株や債券、不動産など。
金融先物取引法
金融先物取引業者の適正な運営を確保する法律。FXでは、無理な勧誘や契約意志のない人に対する再勧誘の禁止、広告規制や手数料やリスクについての標示義務などが適用されている。
これまで学んだこと
[日本経済&世界情勢を学ぶⅡ]
第29回 「中国経済【ちゅうごくけいざい】」 第28回 「デフレⅡ【でふれ・Ⅱ】」
第27回 「日航再建問題【にっこうさいけんもんだい】」 第26回 「普天間基地移設問題【ふてんまきちいせつもんだい】」
第25回 「国債【こくさい】」 第24回 「政権交代【せいけんこうたい】」
第23回 「衆議院議員総選挙【しゅうぎいんぎいんそうせんきょ】」 第22回 「東京都議会議員選挙【とうきょうとぎかいぎいんせんきょ】」
第21回 「鳩山由紀夫【はとやまゆきお】」 第20回 「2016年夏季五輪招致【2016ねんかきごりんしょうち】」
第19回 「政治献金【せいじけんきん】」 第18回 「国家公務員制度改革【こっかこうむいんせいどかいかく】」
第17回 「ガザ地区【がざちく】」 第16回 「景気【けいき】」
第15回 「バラク・オバマ新大統領【ばらく・おばましんだいとうりょう】」 第14回 「金融危機【きんゆうきき】」
第13回 「福田康夫【ふくだやすお】」 第12回 「原油高騰【げんゆこうとう】」
第11回 「北海道洞爺湖サミット【ほっかいどうとうやこさみっと】」 第10回 「チベット問題【ちべっともんだい】」
第9回 「暫定税率【ざんていぜいりつ】」 第8回 「アメリカ大統領選挙【あめりかだいとうりょうせんきょ】」
第7回 「山田洋行【ヤマダヨウコウ】」 第6回 「小沢一郎【オザワイチロウ】」
第5回 「裁判員制度【サイバンインセイド】」 第4回 「内閣総理大臣 【ナイカクソウリダイジン】」
第3回 「FX【エフエックス】」 第2回 「日本年金機構 【ニホンネンキンキコウ】」
第1回 「北京オリンピック 【ペキンオリンピック】」


[日本経済&世界情勢を学ぶⅠ]
第22回 「10年後の日本」 第21回 「増税」
第20回 「企業買収」 第19回 「内閣改造」
第18回 「郵政民営化」 第17回 「アメリカ経済 2」
第16回 「アメリカ経済」 第15回 「上場」
第14回 「新貨幣」 第13回 「海外支援」
第12回 「1円企業」 第11回 「高速道路」
第10回 「株式」 第9回 「税金」
第8回 「りそな銀行」 第7回 「通貨」
第6回 「国連」 第5回 「デフレ」
第4回 「有事法案」 第3回 「年金」
第2回 「竹中 平蔵」 第1回 「ペイオフ」
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