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テレビや新聞で耳にする、政治や経済の言葉。
でも、皆さん、本当に意味わかっていますか?
今更聞けない用語、けれども知らぬは一生の恥。
おバカ編集部のおバカな質問を、浜田先生にお答え頂きます!

第6章

2007年平成19年)11月28日水曜日

小沢一郎【オザワイチロウ】

▼おバカ編集部
最近、小沢一郎さんの辞任騒動がマスコミでも連日報道されていましたが、小沢さんってそんなにすごい方なのですか?

▼浜田先生
そうですねぇ。小沢さんは言わずと知れた民主党の代表で、今年7月の参院選で安倍前首相率いる自民党に圧勝したことは記憶に新しいですよね。

実は、小沢さんは、もともと政治家ではなく弁護士を目指していたのですよ。慶應義塾大学の経済学部を卒業後、日本大学大学院の法学部に進み司法試験を受けるために勉強をしていたのですが、政治家だったお父様が急死されてしまって、後を継がなくてはならなくなったのです。

そこで、当時自民党の幹事長だった田中角栄さんの後押しを受け、若干27歳という若さで政治の道へ足を踏み入れることとなったわけです。

▼おバカ編集部
そんな経緯があったのですね。
でも、あのどっしりとした風貌のせいなのか、どうも“悪代官”のようなイメージを持ってしまうのですが…。

▼浜田先生
小沢さんは、どちらかというと小泉純一郎氏のようにカリスマ性のあるエンターティナーというより、あくまで裏方に徹して影でコントロールする縁の下の力持ちタイプなのですよ。

口下手で、あまり表立って自分のことを良い風にアピールしませんから、そういう風に見られてしまいがちですよね。また、眉間にぐっと力が入った顔つきなのも原因の一つかもしれません。

最近は事務所費などの「政治とカネ」問題が取り沙汰されて、ますますマイナスイメージが強くなってしまっていますしね。

▼おバカ編集部
確かに、お金の問題が関わると、国民からの信頼って失われてしまいますよね。
国会での小沢さんの評判ってどうなのですか?

▼浜田先生
これまでの、細川連立政権の崩壊や新進党の解体といった経歴から、「壊し屋」と呼ばれたり、「ワンマン」、「独断専行」などと批判されることも多い方ですね。

それに、自らのスタンスを“来るもの拒まず、去るもの追わず”と語ったこともあるそうで、「昨日まで仲が良かったのに、今日になって突然関係を断ち切られた!」なんて不満に思ったせいで、小沢氏と袂を分かつことになった政治家も結構いますね。

また、有名な話ですが、理想の首相像を「神輿は軽くてパーがいい」と表現したこともあるとか。そういった人柄を、良く思わない人も多かったのではないでしょうか。

▼おバカ編集部
でも、こんなマイナスイメージを抱えていながら、参院選では国民は小沢さんを支持したのですよね?

▼浜田先生
はい。まず小沢さんが掲げた公約の中に、農業改革がありました。今、日本の食糧自給率は39%にまで低下していることはご存知でしたか?

日本の農家の方たちが高いコストをかけて農作物を作っていても、安い輸入食品に押されてしまっているのです。その結果、農地を縮小して、ますます競争力が低下していくという悪循環に陥っているわけです。

そこで、小沢さんは農家の収支の差額を国が補償しましょう、という提案をしたのです。
その結果、地方を中心とする農家の人たちから強い支持を得たのですよ。

小泉内閣時代の「強いものが勝つ」という考えのシワ寄せを被ったのは、こういった農家の方たちでしたからね。

▼おバカ編集部
なるほど!小沢さんは救世主のような存在だったのですね。

▼浜田先生
それ以外にも、テロ特措法に関して「インド洋への給油活動は、本来アメリカのブッシュ大統領が勝手に始めたことで、日本の自衛隊がいつまでも協力する必要はない!」と主張していました。

アメリカに頭が上がらない安倍前首相に対し、アメリカに頼らず自分たちで頑張ろう!という意見をぶつけたことで、自民党との考え方の違いをはっきりとアピール出来たことも大きかったですね。

▼おバカ編集部
でも、最近は自民党との連立構想が国会を騒がせていましたよね?

▼浜田先生
そうですね。今の日本はいわゆる「ねじれ国会」であるため、いくら参院選で勝ったとはいえ、小沢さんの考えを実現するにはまだまだ長い道のりなのですよ。

自民党と民主党がいつまでもにらみ合った状況では、新しい法律はいつまでたっても成立しませんよね。このままでは日本は一歩も前へ進まないと懸念した小沢さんと福田首相は、日本のため、あるいは世界のために、連立を組もうと考えたわけです。

▼おバカ編集部
小沢さんと福田首相って、そんなに仲がいいのですか?

▼浜田先生
かつて小沢さんは、田中角栄氏に非常に可愛がられていて、政治のイロハも角栄氏に教わったようなものですから、角栄氏と対立関係にあった福田赳夫氏の息子である福田首相とは、ぶつかり合うのではないかと懸念されていたようです。

でも、実際は福田首相とは自民党時代に同じ釜のメシを食べていた仲ということもあり、福田首相に言わせれば「阿吽(あうん)の呼吸」で、お互い分かり合える仲というのを強調されていましたね。

なにしろ、小沢さんは自民党の幹事長も経験しており、大方の自民党員より格段に自民党色の強い政治家ですから。

連立を組むということに対して、これなら衆議院で法案が否決される心配もなくなると、小沢さんは自信たっぷりでいたわけです。しかし、民主党の議員たちは大反対を受けてしまったのですよ。

▼おバカ編集部
えっ~!?なぜですかぁ~?
民主党の意見が通りやすくなるなら、悪い話ではないですよね?

▼浜田先生
そうですよね。ただ、民主党員は現在の民主党は勢いに乗って力もついてきているから、なにも自民党と連立を組まなくたって、次の衆議院選も勝てる!と思っていたのです。

小沢さんとしては、国の為、民主党の為の決断だったのですが、民主党の若い議員たちからすれば、何の相談もなく、トップ間だけで連立話を進めてしまったことに納得がいかなかったのでしょう。

▼おバカ編集部
会社で例えれば、社長が突然「今日からライバル会社と合併するぞ!」って宣言するようなものですものね。確かに社員は驚きますよね。

▼浜田先生
そうですね。議員たちから総スカンをくらった小沢さんは「みんなのために頑張ったのに!」と“プッツン”してしまったわけです(笑)。

▼おバカ編集部
それで「辞~めた!」と言ってしまったわけですね。残された議員たちは、大慌てですよね!

▼浜田先生
もちろんです。「小沢さんがいなくなったら、今の民主党を引っ張っていける人はいない!なんとか考えを改めてください!」と議員たちは必死で引き止めたのです。それを受けて、小沢さんも一度は辞任を表明しましたが、結局、辞任撤回することになったのですよ。

▼おバカ編集部
今の民主党があるのは、やっぱり小沢さんの力があってこそということなんですね。

▼浜田先生
そうですね。特に、今の民主党員は、本人の実力よりも小沢人気で当選した人が多いので、小沢さんは「このままでは、次の衆院選も本当に勝てるかどうか分からない。この先、民主党ブームは長くないかもしれない」と危機感を持ったのではないでしょうか。

▼おバカ編集部
今の日本の国会では、小沢さんがキーマンということですね。なんだか、総理大臣よりも存在感があるように感じちゃいますね。

▼浜田先生
実は、小沢さんは、49歳の時に総理大臣になるチャンスがあったのですが、まだ若すぎるということを理由に断ったことがあるのです。

今も65歳で、まだまだお若いのですが、健康面で少し不安を抱えているために、次の選挙が総理大臣を目指す最後のチャンスだと思っているようですよ。

特に、今は防衛省のスキャンダルという追い風に乗って勢いがありますから、このままその流れに乗って行きたいのでしょうね。政治家が成功するかどうかは、本人の力量だけでなくて、社会情勢やいろいろなタイミングが大きく影響してきますからね。

Profile 浜田 和幸(はまだ かずゆき)浜田 和幸先生
1953年鳥取県生まれ。東京外語大学中国科卒業後、米ジョージ・ワシントン大学大学院政治学博士課程修了。戦略国際問題研究所主任研究員等を経て帰国。現在、国際未来科学研究所代表。また国連大学アメリカ評議会ミレニアム未来研究委員、21世紀の成長企業を探る研究会座長などを歴任。
浜田先生へ質問!
あなたが疑問に思っていることをおバカ編集部が浜田先生に取材します。
※ご投稿頂いたご質問は、編集部で検討し取材させて頂きます。
知っツモ WORD
ねじれ国会
本来、参議院・衆議院ともに第一党は同じであるはずが、それぞれが異なる状態。現在の国会では、参議院選で民主党が勝ったことで「ねじれ」現象が起きている。法案が可決せず、法律が成立しないという問題がある。
連立政権
2つの党から構成される政権のこと。対決しあう二大政党が連立を組む場合は、「大連立」と呼ばれる。自民党と民主党の連立構想はそれにあたるが、実現はしなかった。
これまで学んだこと
[日本経済&世界情勢を学ぶⅡ]
第29回 「中国経済【ちゅうごくけいざい】」 第28回 「デフレⅡ【でふれ・Ⅱ】」
第27回 「日航再建問題【にっこうさいけんもんだい】」 第26回 「普天間基地移設問題【ふてんまきちいせつもんだい】」
第25回 「国債【こくさい】」 第24回 「政権交代【せいけんこうたい】」
第23回 「衆議院議員総選挙【しゅうぎいんぎいんそうせんきょ】」 第22回 「東京都議会議員選挙【とうきょうとぎかいぎいんせんきょ】」
第21回 「鳩山由紀夫【はとやまゆきお】」 第20回 「2016年夏季五輪招致【2016ねんかきごりんしょうち】」
第19回 「政治献金【せいじけんきん】」 第18回 「国家公務員制度改革【こっかこうむいんせいどかいかく】」
第17回 「ガザ地区【がざちく】」 第16回 「景気【けいき】」
第15回 「バラク・オバマ新大統領【ばらく・おばましんだいとうりょう】」 第14回 「金融危機【きんゆうきき】」
第13回 「福田康夫【ふくだやすお】」 第12回 「原油高騰【げんゆこうとう】」
第11回 「北海道洞爺湖サミット【ほっかいどうとうやこさみっと】」 第10回 「チベット問題【ちべっともんだい】」
第9回 「暫定税率【ざんていぜいりつ】」 第8回 「アメリカ大統領選挙【あめりかだいとうりょうせんきょ】」
第7回 「山田洋行【ヤマダヨウコウ】」 第6回 「小沢一郎【オザワイチロウ】」
第5回 「裁判員制度【サイバンインセイド】」 第4回 「内閣総理大臣 【ナイカクソウリダイジン】」
第3回 「FX【エフエックス】」 第2回 「日本年金機構 【ニホンネンキンキコウ】」
第1回 「北京オリンピック 【ペキンオリンピック】」


[日本経済&世界情勢を学ぶⅠ]
第22回 「10年後の日本」 第21回 「増税」
第20回 「企業買収」 第19回 「内閣改造」
第18回 「郵政民営化」 第17回 「アメリカ経済 2」
第16回 「アメリカ経済」 第15回 「上場」
第14回 「新貨幣」 第13回 「海外支援」
第12回 「1円企業」 第11回 「高速道路」
第10回 「株式」 第9回 「税金」
第8回 「りそな銀行」 第7回 「通貨」
第6回 「国連」 第5回 「デフレ」
第4回 「有事法案」 第3回 「年金」
第2回 「竹中 平蔵」 第1回 「ペイオフ」
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