鼻がむずむずしてきました・・・

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テレビや新聞で耳にする、政治や経済の言葉。
でも、皆さん、本当に意味わかっていますか?
今更聞けない用語、けれども知らぬは一生の恥。
おバカ編集部のおバカな質問を、浜田先生にお答え頂きます!

第9章

2008年平成20年)3月12日水曜日

暫定税率【ざんていぜいりつ】

▼おバカ編集部
最近、ニュースで暫定税率という言葉をよく耳にしますが、漢字も難しくて、意味がサッパリ分からないのですが、コレって何の事なのですか?

▼浜田先生
暫定税率というのは、本来の税金に上乗せされている税金のことです。最近、耳にする機会が多いのは、3月末で期限切れを迎えるガソリン税の暫定税率を延長するか否かが、国会で議論されているからなのですよ。

本来、ガソリン代というのは、ガソリンそのものの価格と消費税、自動車重量税や地方道路税などのガソリン税で成り立っているのですが、実はこのガソリン税には、約25円分の税金が暫定的に上乗せされているのです。

暫定という言葉は「しばしの間」といった意味なのですが、実はガソリン税の暫定税率は、34年間も前からのものなのですよ。

▼おバカ編集部
え~!!30年以上も上乗せされたままなのですか?

▼浜田先生
そうなのですよ。1974年のオイルショックにより、危機的状況に置かれた日本は、石油の節約のためガソリン代を高くしようと考えたのです。そうすれば、国民が自動車を使わなくなってガソリンの消費量が減り、さらにはCO2削減につながるので環境にも良いだろうということから、一時的にとられた措置だったのですよ。それが、今日までずっと続いてしまっているわけです。

▼おバカ編集部
そうだったのですか!
でも、このお金って何に使われているのですか?

▼浜田先生
道路整備や高速道路の設置、老朽化した橋の修繕などに使われています。車を利用する人が支払った税金で道路を整備するというわけですから、まぁ筋は通っているのですが、自民党は、日本中の道路を整える為には、まだ59兆円ものお金が必要だと主張しており、暫定税率をさらに10年延長しようとしています。

税金が入ってくるということを前提に計画を立てているので、暫定税率が廃止されれば国は財源を失って、日本経済全体にとってもマイナスだと訴えているのです。とは言え、集めたお金で不必要な道路や、採算の取れない高速道路を作られたり、お役人のマッサージ機を買う為に使われたりしている残念な現状もあるようで、不評を買っています。

そういう現状に対して民主党は、そんなムダ使いをするなら、暫定税率をスッパリ止めてしまいましょう!と考えているのです。ガソリン代が安くなれば、国民の負担も減りますからね。

しかしながら、今の日本は「ねじれ国会」ですから、なかなか話し合いが進んでいないという状況が続いています。

▼おバカ編集部

このまま3月まで結論がでなかったら、どうなってしまうのですか?

▼浜田先生
延長の決定がされなければ、暫定税率は自動的に廃止されます。そうなると、4月からガソリン代は安くなりますね。1リットル150円ぐらいのガソリン代が、25円分安くなる訳ですから、車を利用する人にとってはプラスになりますよね。

しかし、もし暫定税率が3月末で廃止されても、自民党は依然力を持っていますから、衆議院で延長法案が再可決される可能性があります。そうすると、一度安くなったガソリン代が、また元の値段に戻ることになるので、混乱が予想されますね。

▼おバカ編集部
そんなぁ~!
でも、どうして、こんなに長い期間、放っておいたのですかね?もっと早く対策を立てていれば、こんな土壇場になって慌てる必要もなかったはずですよね?

▼浜田先生
そのとおりです。今まで暫定税率が継続されてきたのは、自民党が長年与党で力を持っていたからというのが原因です。自民党には、ゼネコンとつながりのある「道路族」という人たちがいます。あちこちに道路や橋を建てればゼネコンが潤うわけですから、そこから政治献金を支援してもらっていたのですね。これが、田中角栄元首相の頃から続く聖域で、誰も踏み込めなかったのです。

しかし、昨年の参院選で民主党が自民党に勝って、与野党が逆転したことをきっかけに、今まで自民党があやふやにしていた部分に、メスを入れたというわけなのです。

▼おバカ編集部
ようやく問題視されたのですね!でも「とりあえずの税金」ってことなら、廃止しちゃっていいのではないですか?国のムダ使いのために税金が上乗せされているなんて、あり得ませんよ~!

▼浜田先生
それがそういう訳にもいかないのですよ。暫定税率で上乗せされていたお金は、毎年2兆円を超えると言われていて、国にとっては大きな財源なのです。34年間、黙っていても入ってきた多額の財源を、急にナシにしましょうという風には、なかなか出来ないわけですね。

特に、今の日本は巨額の財政赤字を抱えていますから、たとえば、ガソリン税は車に乗る人から、タバコ税はタバコを吸う人から、酒税はお酒を飲む人から、というように、目的税をとらないと、にっちもさっちも行かない状況なのですよ。ガソリン税のような大きな財源を失えば、日本経済には当然の打撃を受けることになります。そうすると、今度は消費税を上げざるを得ない、なんて言い出すかもしれませんよ!

▼おバカ編集部
そんなぁ~!!それは困りますー!!(汗)
何か良い対策はないのですか?

▼浜田先生
そうですねぇ。確かに、今の日本には、まだまだ道路の整備されていない地域や、常に渋滞している高速道路、開かずの踏み切りがたくさんあり、事故や事件も多発している現状があります。

特に、人口が少ない地方においては、県内だけでそれらの問題を解決するお金を集めることは難しいわけです。そうすると交通が不便な地方では、ますます人が離れていき、国のバランスが崩れてしまいます。その為にも、新しい道路を一切作ってはいけないという考えではなく、もっと日本の特色をいかした道路作りが必要だと思います。

また、今は、このガソリン税のような道路特定財源を一般財源化することも検討されています。一般化することでガソリン税を別の目的にも使えるようにして、もっと効率が良い、有意義な税金の使い道を検討しようという考え方です。

最近の日本は、人口も減っていますから、経済の活力が失われていくのではないかと、海外からの見方が厳しくなっています。そういう状況下で、もっと日本独自の教育や産業に役立つ税金の使い道を考えないと、今後の日本はより厳しい状況になっていってしまうでしょうね。税金のムダ使いは、国民の一人一人が意識を高めてチェックをして、危機感を持って、行政に訴えかけていかないといけないと思います。


取材:皆川夕美

Profile 浜田 和幸(はまだ かずゆき)浜田 和幸先生
1953年鳥取県生まれ。東京外語大学中国科卒業後、米ジョージ・ワシントン大学大学院政治学博士課程修了。戦略国際問題研究所主任研究員等を経て帰国。現在、国際未来科学研究所代表。また国連大学アメリカ評議会ミレニアム未来研究委員、21世紀の成長企業を探る研究会座長などを歴任。
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※ご投稿頂いたご質問は、編集部で検討し取材させて頂きます。
知っツモ WORD
道路特定財源
特定財源とは、使い道が特定されている税金のこと。
道路特定財源は、「道路整備のためのお金は車を利用する人が負担する」という考え方で設けられた税金制度。昨年度の総額は5兆6千億円にものぼる。
道路族
民党内に所属する、ゼネコンと利害関係を持つ派閥。
他にも、郵政族や農林族などがある。
これまで学んだこと
[日本経済&世界情勢を学ぶⅡ]
第29回 「中国経済【ちゅうごくけいざい】」 第28回 「デフレⅡ【でふれ・Ⅱ】」
第27回 「日航再建問題【にっこうさいけんもんだい】」 第26回 「普天間基地移設問題【ふてんまきちいせつもんだい】」
第25回 「国債【こくさい】」 第24回 「政権交代【せいけんこうたい】」
第23回 「衆議院議員総選挙【しゅうぎいんぎいんそうせんきょ】」 第22回 「東京都議会議員選挙【とうきょうとぎかいぎいんせんきょ】」
第21回 「鳩山由紀夫【はとやまゆきお】」 第20回 「2016年夏季五輪招致【2016ねんかきごりんしょうち】」
第19回 「政治献金【せいじけんきん】」 第18回 「国家公務員制度改革【こっかこうむいんせいどかいかく】」
第17回 「ガザ地区【がざちく】」 第16回 「景気【けいき】」
第15回 「バラク・オバマ新大統領【ばらく・おばましんだいとうりょう】」 第14回 「金融危機【きんゆうきき】」
第13回 「福田康夫【ふくだやすお】」 第12回 「原油高騰【げんゆこうとう】」
第11回 「北海道洞爺湖サミット【ほっかいどうとうやこさみっと】」 第10回 「チベット問題【ちべっともんだい】」
第9回 「暫定税率【ざんていぜいりつ】」 第8回 「アメリカ大統領選挙【あめりかだいとうりょうせんきょ】」
第7回 「山田洋行【ヤマダヨウコウ】」 第6回 「小沢一郎【オザワイチロウ】」
第5回 「裁判員制度【サイバンインセイド】」 第4回 「内閣総理大臣 【ナイカクソウリダイジン】」
第3回 「FX【エフエックス】」 第2回 「日本年金機構 【ニホンネンキンキコウ】」
第1回 「北京オリンピック 【ペキンオリンピック】」


[日本経済&世界情勢を学ぶⅠ]
第22回 「10年後の日本」 第21回 「増税」
第20回 「企業買収」 第19回 「内閣改造」
第18回 「郵政民営化」 第17回 「アメリカ経済 2」
第16回 「アメリカ経済」 第15回 「上場」
第14回 「新貨幣」 第13回 「海外支援」
第12回 「1円企業」 第11回 「高速道路」
第10回 「株式」 第9回 「税金」
第8回 「りそな銀行」 第7回 「通貨」
第6回 「国連」 第5回 「デフレ」
第4回 「有事法案」 第3回 「年金」
第2回 「竹中 平蔵」 第1回 「ペイオフ」
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