春服、買いました~?
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テレビや新聞で耳にする、政治や経済の言葉。
でも、皆さん、本当に意味わかっていますか?
今更聞けない用語、けれども知らぬは一生の恥。
おバカ編集部のおバカな質問を、浜田先生にお答え頂きます!
第12章
2008年
20
8月13日
原油高騰【げんゆこうとう】
▼おバカ編集部
最近、ガソリンの値段がとうとう180円代に突入したと聞きました。物価もどんどん上がっていくし・・・、正直困ります!なぜ値上がりばかりが続くのでしょう?
▼浜田先生
はい。私もよく車を利用するので、とても困惑しています。これは、大元の原油価格が高騰していることが原因です。もともと原油というのは、地中深くに眠る化石燃料で、無尽蔵にある資源ではありません。たくさん使ってしまえば、当然なくなっていきますよね。なくなれば、需要と供給のバランスが崩れて、価格は当然高くなります。原油価格が高騰すれば、ガソリンは当然のこと、商品の輸送や配送にかかる燃料も高くなるわけで、必然的に物価も高騰してしまうというわけなのです。
▼おバカ編集部
なるほど!原油は、そんなに残り少なくなってしまっているのですか?
▼浜田先生
例えば、コップの水は半分くらいまでなら「まだある」と安心だけれども、半分を切ってしまうと「もうすぐなくなる」と不安になりますよね。今、まさにその半分を使ってしまったのではないか、あと何十年ものうちに、全部原油がなくなってしまうのではないか、という「オイルピーク説」が流れているんですよ。
昔は、石油は掘れば出てくる天然資源だったので、原油の価格は1バレル1ドルくらいだったのです。それがこのところ、ジワジワと値上がりしていて、去年の時点で1バレル50ドル、さらに今年に入ってから倍以上になり、今年の7月には1バレル147ドルと史上最高値をつけたのです。このままいくと、年末には200ドルになるのではないかとの予測まで出たほどです。
▼おバカ編集部
えー!去年の4倍じゃないですか!原油の減少は、こんなに急激に世界中に影響を及ぼすのですか!?
▼浜田先生
実は、原因は他にもあって、このところ話題になっている投機マネーが大きく影響しているようです。
数年前、アメリカの不動産バブルが弾けて、去年からサブプライムローン危機が起こりましたよね。多くのローン会社が破綻し、株価が一気に下がってしまいました。そこで、ローン会社に出資していた投資家たちが、次の有力な投機先はどこかと考えて目をつけたのが、原油の先物取引だったのです。
原油そのものが減っているうえに、今は中国、インドの経済成長によって需要は高まっていますから、価格が上がるのは予想できたのですね。
▼おバカ編集部
なんだか頭が混乱してきました・・・。要するに、「住宅ローンの次は、原油でお金儲けしちゃおう!」ってことですよね?でも原油を売買するとなると、家が石油缶だらけで大変じゃないですか!?
▼浜田先生
いえいえ(笑)。先物取引というのは、原油そのものを買ったり売ったりするわけではないのですよ。これは一体どういうものかというと、今後の原油価格の変動を予想して、将来の売買をするのです。
例えば、1バレル100ドルとして、「3ヵ月後に、100バレル=10000ドルで買いますよ」と約束をします。そして3ヵ月後、原油の価格が1バレル110ドルに値上がりしていたら、本来ならば11000ドルを支払わなければならないところを、“約束”をしていたために、10000ドルで買う事が出来るのです。そうして安値で買い付けた原油を、今度は高値で売却して利益を得るという仕組みなのです。
一日の原油の需要は、だいたい8700万バレルくらいですが、取引市場では、実に何十、何百倍もの取引が行われているのですよ。
▼おバカ編集部
ますます幾何学的な数字ですね・・・。これだけのお金を動かせる人って、どんな人たちなのですか?
▼浜田先生
大手石油会社や大手金融機関、大手の石油ブローカーなど、石油の専門的な人たちです。しかも、彼らは、価格の変動を自分でコントロールできるように、「原油の値段はまだまだ上がるよ」といった情報を意図的に流したりするのですよ。値段が高くなると聞けば、みんな安いうちに買っておこうとしますよね。そうすると、必要以上の高値を掴まされてしまうことだってあるのです。損をしている人がいるということは、当然、得をしている人がいるということですからね。
▼おバカ編集部
やっぱり一部の人たちだけがいい思いをしているだけじゃないですか!これって、取締りや規制は出来ないのでしょうか?
▼浜田先生
そうですね。さすがに今の状況では世界中の人たちが大損してしまいますから、規制は必要なのですが、これに対してアメリカが大反対しているのです。なぜかというと、アメリカはレーガン大統領の頃から、石油産業の政治献金を受けているからなのですよ。石油の値段が上がって石油会社が儲かれば、よりたくさん政治献金を提供してもらえるということになりますからね。
▼おバカ編集部
やっぱり政治ですか!だったら、いっそのこと政府が原油の値段を固定してしまえば、損得は関係なくなるのではないですか?
▼浜田先生
確かに、そういった議論はされているのですが、なかなか解決されないのですよ。物価は需給関係の折り合いで決まりますから、「規制してしまうと、高い値段のまま固定されてしまうだろう」というのがアメリカの言い分なのです。確かに自由経済の社会ですから、それも一理あるといえばあるのですが・・・。
▼おバカ編集部
結局、全部アメリカのせいじゃないですかー!そもそもアメリカの住宅ローンが原因でもあるのに、どうして日本や他の国が巻き込まれなきゃいけないのでしょうか!?今は日本でも地方のガソリンスタンドが次々閉鎖していっているし、いつ暴動が起きてもおかしくないですよね?
▼浜田先生
そうですねぇ。日本でも7月に、漁業関連の方がストを起こしたりしましたが、それでも、ヨーロッパの国々やアジア、途上国や産油国に比べれば、日本人は非常におとなしいのですよ。でも、日本の98%は外国から石油を買っていますから、非常に危険な状況になっているのですがね。
▼おバカ編集部
危険すぎます!これから、原油の高騰を少しでも緩和させるために、私達に何か出来る事はないのでしょうか?
▼浜田先生
そうですね。まず、我々日本人は、原油税・ガソリン税・消費税と税金を3重に払っているということ、さらにそれが有効活用されているのかどうかを、きちんと理解して議論する必要があります。以前、特定財源のお勉強もしましたが、ガソリン税のほとんどは、不必要な高速道路や無駄な道路工事に使われていますからね。それと同時に、太陽光や風力発電といった、石油やガソリンを使わないライフスタイルを変えていくことで、原油の価格に左右されない国づくりをすることも大切かもしれませんね。
取材・文/皆川夕美
1953年鳥取県生まれ。東京外語大学中国科卒業後、米ジョージ・ワシントン大学大学院政治学博士課程修了。戦略国際問題研究所主任研究員等を経て帰国。現在、国際未来科学研究所代表。また国連大学アメリカ評議会ミレニアム未来研究委員、21世紀の成長企業を探る研究会座長などを歴任。
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あなたが疑問に思っていることをおバカ編集部が浜田先生に取材します。
※ご投稿頂いたご質問は、編集部で検討し取材させて頂きます。
バレル
原油の容積を表す単位。バレルとは英語で「樽」の事。昔、樽に油を入れて売買していたことから由来する。1バレル約159リットル。
サプブライムローン
アメリカの住宅購入が困難な低所得者向けに貸し付けられた高金利の住宅ローン。購入者のローン返済が困難になり、多くのローン会社が破綻し株価が暴落。世界中の金融機関が多額の被害をこうむった。サブ=準、プライム=優良。つまり優良者向けではないということ。
[日本経済&世界情勢を学ぶⅡ]
第29回 「中国経済【ちゅうごくけいざい】」
第28回 「デフレⅡ【でふれ・Ⅱ】」
第27回 「日航再建問題【にっこうさいけんもんだい】」
第26回 「普天間基地移設問題【ふてんまきちいせつもんだい】」
第25回 「国債【こくさい】」
第24回 「政権交代【せいけんこうたい】」
第23回 「衆議院議員総選挙【しゅうぎいんぎいんそうせんきょ】」
第22回 「東京都議会議員選挙【とうきょうとぎかいぎいんせんきょ】」
第21回 「鳩山由紀夫【はとやまゆきお】」
第20回 「2016年夏季五輪招致【2016ねんかきごりんしょうち】」
第19回 「政治献金【せいじけんきん】」
第18回 「国家公務員制度改革【こっかこうむいんせいどかいかく】」
第17回 「ガザ地区【がざちく】」
第16回 「景気【けいき】」
第15回 「バラク・オバマ新大統領【ばらく・おばましんだいとうりょう】」
第14回 「金融危機【きんゆうきき】」
第13回 「福田康夫【ふくだやすお】」
第12回 「原油高騰【げんゆこうとう】」
第11回 「北海道洞爺湖サミット【ほっかいどうとうやこさみっと】」
第10回 「チベット問題【ちべっともんだい】」
第9回 「暫定税率【ざんていぜいりつ】」
第8回 「アメリカ大統領選挙【あめりかだいとうりょうせんきょ】」
第7回 「山田洋行【ヤマダヨウコウ】」
第6回 「小沢一郎【オザワイチロウ】」
第5回 「裁判員制度【サイバンインセイド】」
第4回 「内閣総理大臣 【ナイカクソウリダイジン】」
第3回 「FX【エフエックス】」
第2回 「日本年金機構 【ニホンネンキンキコウ】」
第1回 「北京オリンピック 【ペキンオリンピック】」
[日本経済&世界情勢を学ぶⅠ]
第22回 「10年後の日本」
第21回 「増税」
第20回 「企業買収」
第19回 「内閣改造」
第18回 「郵政民営化」
第17回 「アメリカ経済 2」
第16回 「アメリカ経済」
第15回 「上場」
第14回 「新貨幣」
第13回 「海外支援」
第12回 「1円企業」
第11回 「高速道路」
第10回 「株式」
第9回 「税金」
第8回 「りそな銀行」
第7回 「通貨」
第6回 「国連」
第5回 「デフレ」
第4回 「有事法案」
第3回 「年金」
第2回 「竹中 平蔵」
第1回 「ペイオフ」
http://www.fe-mail.co.jp/lifestyle/obaka2/80813.cfm
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