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テレビや新聞で耳にする、政治や経済の言葉。
でも、皆さん、本当に意味わかっていますか?
今更聞けない用語、けれども知らぬは一生の恥。
おバカ編集部のおバカな質問を、浜田先生にお答え頂きます!
第13章
2008年
20
9月26日
福田康夫【ふくだやすお】
▼おバカ編集部
突然の辞任表明から1ヶ月近くが経って、新総裁も麻生さんに決まり、福田さんはすっかり過去の人になってしまいましたが、何故また1年という短い期間で辞めることになってしまったのですか?
▼浜田先生
はい。まず福田さんが総理大臣になった時期というのは、夏の参院選で自民党が民主党に大敗し、いわゆるねじれ国会となった直後。自民党がピンチの状態だった上に、政治資金の問題や社保庁の年金問題など様々な問題が起こっている大変な時期でした。それでも当初、福田さんとしては、自民党のみんなが応援してくれて、ねじれ国会も何とか乗り越えていけるだろうと思っていたようです。一時期は民主党との大連立構想も持ち上がりましたが、結局は小沢さんが全面対決モードで攻めてくるので上手くいかず、話し合いがまったく出来ない状態となってしまいました。そうしているうちに、彼自身の指導力に疑問を抱く声も上がって、支持率も史上最低の20%くらいまで落ちてしまったのです。そういった背景や様々な要因があって、今回辞任を決意したようですね。
辞任後はパタリと存在感を消してしまうところは福田さんらしく、辞任表明の翌日には、奥さんと銀座の眼鏡屋さんでショッピングをしていたそうですよ。
▼おバカ編集部
そうだったのですね!そもそも、福田さんはどんな経緯で政治家になったのですか?
▼浜田先生
福田さんは、もともと石油会社で17年近くサラリーマンをしていて、政治には興味のない人でした。元総理大臣の父(故・福田赳夫氏)の後を弟さんが継ぐはずだったのですが、残念ながら病気で亡くなられてしまい、本人としては嫌々ながらも政治家の世界に足を踏み入れることとなったのです。
▼おバカ編集部
最初から政治家を目指していたわけではなかったのですね。だから、どことなく飄々(ひょうひょう)とした雰囲気があったのかも。
▼浜田先生
そうですね。森内閣・小泉内閣の官房長官時代は、ちょっとニヒルでありながらも、きちんと考え抜いた対応や受け答えをしていたので、仕事ぶりには高い評価のある人でしたよ。
▼おバカ編集部
それにしても、辞任会見の時の「私は自分自身を客観的に見ることができるのです。あなた達とは違うんです」という捨てゼリフは話題になりましたよね。
▼浜田先生
そうですね(笑)。本来、福田さんは「相手が嫌がることはやらない」という事なかれ主義。強いリーダーシップを発揮するというより、「周りの人の意見を取りまとめて、うまく折り合いをつけましょう」というスタンスなので、一国の主としてはちょっと力強さが足りなかったのでしょう。もちろん、ご自分の意思や目的も持っていたのでしょうが、それを堂々とPRすることもなかったので、自民党や民主党、有権者とのコミュニケーションが成り立たなかったようです。それが「他人事のように見える」と言われる原因だったのでしょう。
▼おバカ編集部
なるほど、そうだったのですね。ちなみに、海外の政府からはどう思われていたのですか?
▼浜田先生
外交面での評判は悪くなく、特に中国では、福田さんの雰囲気や風貌が「ドラえもん」の“のび太”に似ていることから、「のび太総理」なんて呼ばれていたのですよ!「ドラえもん」は中国でも人気のアニメですし、福田さん自身も中国に対して好意的でしたから、余計に親しまれていたのでしょう。
また、アメリカのテロとの戦いにおいても、日本はアジア最大の同盟国としてアメリカへの支援を最重要課題としていましたから、ブッシュ大統領からの福田さんに対する期待は高かったのです。とはいえ、ブッシュ大統領と一番ウマが合った日本の首相は間違いなく小泉さんで、プレスリーのモノマネやキャッチボールをしたことは有名ですよね。安倍さんにしても福田さんにしても、そういったノリの良さやエンターテイメント性がなかったので、イマイチ日本国民が盛り上がらなかったのかもしれませんね。
▼おバカ編集部
確かに、福田さんがプレスリーのモノマネをするのは想像がつきません!
性格も政策も大人しかったという印象なのですが、実際、福田さんが残した実績といえば何があるのでしょうか?
▼浜田先生
う~ん、在任期間も1年と短いですから、正直なところ、大きな政策は打ち出せなかったでしょうね。強いて言うなら、消費者庁の設置法案を取りまとめた事と道路特定財源の一般財源化、G8サミットの議長を務めた事くらいでしょうか。もちろん本人的には、食の安全問題や環境問題への取り組みなど、やりたいことはそれなりにあったようですが、他に解決しなければいけない問題が山積していて、本来動かすべきコマを進められなかったのです。北朝鮮の拉致問題についても、「在任中に解決する」と宣言していたのですが、結局は実現できないままで足踏み状態ですから、被害者の家族の方々は困惑しています。消費者庁の創設だって、今後麻生さんが引き継ぐかどうかは分からないですからね。
▼おバカ編集部
え~!結局、何も出来なかったようなものじゃないですか!じゃぁ、日本が福田さんを首相にしたことによるメリットって何だったのでしょう?
▼浜田先生
そうですねぇ。福田さんは奇しくも父・赳夫氏と同じ72歳で総理大臣になったわけですが、この年齢で首相を務めるということは、日本の政治の歴史においても割と珍しいことなのです。これによって日本は世界に確たる長寿国であり、70代でもまだまだ元気でいられる国だということを世界中にアピール出来るチャンスだったのですが、結局1年で辞任してしまったとなると、「やはり年齢には勝てないのだ」と思われてしまうでしょうね。
▼おバカ編集部
そうですよね。もうちょっと頑張って欲しかったですよね。こうも短期間での辞任ばかりが続くと、次の総理大臣もすぐに辞めてしまうのではないかと疑ってしまいます!
▼浜田先生
そうですね。今のねじれ国会のままでは、誰が総理大臣になっても厳しい状態であるのは確かでしょう。自民党の体制を立て直し、国民からの信頼を回復するためには、自民党が生まれ変わることをPRする必要があります。麻生さんは国民からの人気は絶大ですし、アニメ好きといった一風変わったキャラクター性で、自民党に新しい風をもたらしてくれるかもしれません。とはいえ、彼の場合は失言癖があるのがちょっと心配なのですが(苦笑)。
今、日本の国会議員には2世、3世が多く、後継者を残すために「やってもらいたい人よりやりたい人、出したい人より出たい人」が選ばれる傾向にあります。これが日本の政治の弱点であり、一種の危機的状況とも言えるでしょうね。アメリカの大統領選挙のように長い予備選挙を勝ち抜いて、スキャンダルにも負けないような打たれ強さが、日本の政治家には足りないのだと思います。それに、「政治生命をかけてでもこれは絶対に実現したいんだ!」という強い意志がなければ、国民はついていかないでしょう。
麻生新総理は、私との討論(『国力会議』(祥伝社))の中でも、「強くなければ生きていけない、やさしくなければ生きていく資格がない」という言葉を繰り返し、自らも「強いリーダーシップを持つ」と宣言しています。期待したいものです。
取材・文/皆川夕美
1953年鳥取県生まれ。東京外語大学中国科卒業後、米ジョージ・ワシントン大学大学院政治学博士課程修了。戦略国際問題研究所主任研究員等を経て帰国。現在、国際未来科学研究所代表。また国連大学アメリカ評議会ミレニアム未来研究委員、21世紀の成長企業を探る研究会座長などを歴任。
浜田和幸先生のHPはコチラ→
あなたが疑問に思っていることをおバカ編集部が浜田先生に取材します。
※ご投稿頂いたご質問は、編集部で検討し取材させて頂きます。
福田赳夫(1905~1995)
福田康夫氏の実父であり、第67代 内閣総理大臣。在任期間は1976年12月から1978年12月。当時、その風貌が似ていたことから「昭和の水戸黄門」と称された。79年のG8サミットにおいて議長を務めることが目標だったが、志半ばで大平正芳氏に敗北。08年の洞爺湖サミットで康夫氏が議長を努め、父が叶えられたかった思いを叶える形となった。
消費者庁
マンションの耐震偽装や食品の偽装、薬関係のトラブルなど、対応窓口が各省バラバラだった消費者行政を一元化する構想。今年1月に福田首相が施政方針演説を行い、「生活者や消費者が主役となる社会」と呼びかけた。
[日本経済&世界情勢を学ぶⅡ]
第35回 「メキシコ湾原油流出事故
【めきしこわんげんゆりゅうしゅつじこ】」
第34回 「2010年 参議院選挙【2010ねん さんぎいんせんきょ】」
第33回 「ギリシャ経済危機【ぎりしゃけいざいきき】」
第32回 「新党【しんとう】」
第31回 「高速道路無料化【こうそくどうろむりょうか】」
第30回 「外国人参政権【がいこくじんさんせいけん】」
第29回 「中国経済【ちゅうごくけいざい】」
第28回 「デフレⅡ【でふれ・Ⅱ】」
第27回 「日航再建問題【にっこうさいけんもんだい】」
第26回 「普天間基地移設問題【ふてんまきちいせつもんだい】」
第25回 「国債【こくさい】」
第24回 「政権交代【せいけんこうたい】」
第23回 「衆議院議員総選挙【しゅうぎいんぎいんそうせんきょ】」
第22回 「東京都議会議員選挙【とうきょうとぎかいぎいんせんきょ】」
第21回 「鳩山由紀夫【はとやまゆきお】」
第20回 「2016年夏季五輪招致【2016ねんかきごりんしょうち】」
第19回 「政治献金【せいじけんきん】」
第18回 「国家公務員制度改革【こっかこうむいんせいどかいかく】」
第17回 「ガザ地区【がざちく】」
第16回 「景気【けいき】」
第15回 「バラク・オバマ新大統領【ばらく・おばましんだいとうりょう】」
第14回 「金融危機【きんゆうきき】」
第13回 「福田康夫【ふくだやすお】」
第12回 「原油高騰【げんゆこうとう】」
第11回 「北海道洞爺湖サミット【ほっかいどうとうやこさみっと】」
第10回 「チベット問題【ちべっともんだい】」
第9回 「暫定税率【ざんていぜいりつ】」
第8回 「アメリカ大統領選挙【あめりかだいとうりょうせんきょ】」
第7回 「山田洋行【ヤマダヨウコウ】」
第6回 「小沢一郎【オザワイチロウ】」
第5回 「裁判員制度【サイバンインセイド】」
第4回 「内閣総理大臣 【ナイカクソウリダイジン】」
第3回 「FX【エフエックス】」
第2回 「日本年金機構 【ニホンネンキンキコウ】」
第1回 「北京オリンピック 【ペキンオリンピック】」
[日本経済&世界情勢を学ぶⅠ]
第22回 「10年後の日本」
第21回 「増税」
第20回 「企業買収」
第19回 「内閣改造」
第18回 「郵政民営化」
第17回 「アメリカ経済 2」
第16回 「アメリカ経済」
第15回 「上場」
第14回 「新貨幣」
第13回 「海外支援」
第12回 「1円企業」
第11回 「高速道路」
第10回 「株式」
第9回 「税金」
第8回 「りそな銀行」
第7回 「通貨」
第6回 「国連」
第5回 「デフレ」
第4回 「有事法案」
第3回 「年金」
第2回 「竹中 平蔵」
第1回 「ペイオフ」
http://www.fe-mail.co.jp/lifestyle/obaka2/80926.cfm
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