寒い~!!

豪華プレゼントが当たる!会員登録


テレビや新聞で耳にする、政治や経済の言葉。
でも、皆さん、本当に意味わかっていますか?
今更聞けない用語、けれども知らぬは一生の恥。
おバカ編集部のおバカな質問を、浜田先生にお答え頂きます!

第14章

2008年平成20年)10月30日木曜日

金融危機【きんゆうきき】

▼おバカ編集部
最近、日本の株価がバブル後最安値になったとニュースになっていますが、このまま世界の金融はどうなってしまうのでしょう?

▼浜田先生
今、あらゆる国で金融パニックが起こっていますね。中でも、アイスランドが最も打撃を受けていて、このことでますます世界中が不安に陥っています。

そもそもアイスランドは、人口約31万人の小さな国で、捕鯨などの水産業しかとりたてて産業がなく、ヨーロッパの中でも最も貧しい国と言われていました。しかし、不動産などの金融商品を生業にしたことで急成長を遂げて、近年では国民の一人当たりの総生産が世界上位になるほど、経済的に豊かな国になったのです。戦争もなく治安も良好で、福祉施設や教育費、医療費も無料と、世界で一番住みやすいと言われた国だったのですよ。

それが今回の金融破たんの影響で、アイスランドの通貨(クローネ)が半分以下になってしまい、住宅ローンなどで今まで借りていた外貨、つまり借金が倍額になってしまったのですよ。想像しただけでも恐ろしいですよね。大きな銀行が次々と倒産に追い込まれ、天国から地獄へと突き落とされてしまったのです。

これでは国家として成り立たないということで、イギリスに資金を融通してもらおうとお願いしたのだけれど、エリザベス女王自身も、今回の金融破たんで65億ドルもの損害を被るなど、イギリスも他国を助ける余裕がないという状況なのです。

そこで、救いの手を差し伸べたのが、ロシアです。ロシアは、共産党の一党独裁により、国家がある程度金融をコントロールしているため、自由主義経済と比べると被害は少ないうえ、今まで蓄積していた原油の儲けが8000億ドルあるので、世界に3番目にお金持ちの国なのですよ。そこで、プーチン大統領は「ロシアは困っている国を助けられますよ」とここぞとばかりにアピールしています。この機会に独裁国家というマイナスイメージを払拭して、アイスランドやヨーロッパを味方につけたいという、政治的な目論みもあるようですが(苦笑)。

▼おバカ編集部
でも、今回の金融パニックが起こったのは、アメリカのサブプライム問題が原因ですよね?こんなに世界中に影響を及ぼすとは、誰も想像していなかったのでしょうか?

▼浜田先生
はい。実はこのサブプライム問題、とても根が深いんです。もともとは、1977年にカーター大統領が「地域再投資法」というのを作ったのが始まりです。これは、低所得者にも持ち家を持ってもらうことで、地域に対する愛着が沸き、地域活性化につながるだろうという考えで作られたものでした。さらにその後、1994年に民主党のクリントン大統領が「持ち家促進法案」を導入したのですが、これを支えたのが、政府系住宅金融会社であるファニーメイやフレディマックだったのです。

日本では、最初にいくらかの頭金を用意して、厳正な審査に通らなければローンを組めませんよね。でもファニーメイやフレディマックは、通常では審査に通らないような人にも、「政府がバックについているから大丈夫ですよ。だから民主党に投票してくださいね」といって、どんどんローンを組ませてしまったのです。

そうして、翌年の1995年から2005年までの約10年の間に、1250万人もの人が持ち家を購入することができ、そのおかげで民主党は人気を得て、クリントン政権は二期続いたのです。

しかし、その後のハーバード大学の調査によれば、当時家を購入したうちの49%の人たちが、実際には定収入がなかったのですよ。

▼おバカ編集部
えー!600万人以上の人たちが、返せるアテがないのに家を買ったということですよね!?これじゃあ破綻するのも当然です!

▼浜田先生
その通りです(苦笑)。当時、土地の値段は右肩上がりだったので、「もし支払いが出来なくなっても、その時点で家を手放せば、ペイ出来るどころか儲けも出るだろう」という理由付けだったのです。しかし、結局は思ったよりも不動産の価値は上がらず、返済が困難な人が増えてしまったのですよ。

今、デリバティブ(金融派生商品)は750兆ドルまで膨らんでいると言われています。ブッシュ大統領は、この金融パニックをどうにか沈静化させようと、7千億ドル(日本円にして70~75兆円)の公的資金の注入を決定しましたが、これでも全く足しにもならないほどの金額ですよね。今後のアメリカ政府の動きは、次期大統領候補のオバマ氏かマケイン氏に託されることになります。しかし、実はふたりとも、フレディマックとファニーメイから多額の政治献金をもらっているので、なかなかこの問題にメスを入れるのは難しいかもしれません。

今のこの状況は、1929年の世界大恐慌より恐ろしいといわれています。このままでは、アメリカというタイタニック号とともに、世界は沈んでいくという可能性だってあるのですよ。

▼おバカ編集部
えー!それは怖いです!!日本にも近いうち大きな波が押し寄せてくるのでしょうか?

▼浜田先生
うーん、そうですねぇ。最近は、日本の車や家電も売れなくなってきていますし、今回の金融問題は氷山の一角で、水面下ではもっと大きな負債を抱えているかもしれません。今回の影響で日本の株価が急落していますから、景気はさらに悪くなるかもしれません。そうすると、ただでさえニートやフリーターが多い国なのに、雇用条件が悪くなったりリストラが増えたりと、ますます経済格差は広がってしまうでしょう。

▼おバカ編集部
ますます不安です!私たちが意識することで、改善に繋がる道はないのでしょうか?

▼浜田先生
今の日本は、アメリカ式のマネーゲームに毒されて、一攫千金で儲けようとしていたツケが回ってきている状態です。今回の金融危機は、その毒を抜くいい機会なのかもしれません。

特に、日本はバブル崩壊後、時間はかかったけれども徐々に立ち直ってきたという経験があります。その経験を元に、日本がリーダーシップをとって、世界との立ち位置を挽回するチャンスでしょう。麻生首相は、景気回復を第一の目標に掲げ、総裁選を延期して経済対策を優先することを決定しました。まずは、国民がちゃんと働ける場と安定した収入を得て、海外の経済事情に振り回されない国づくりをすることが大切でしょうね。


取材・文/皆川夕美

Profile 浜田 和幸(はまだ かずゆき)浜田 和幸先生
1953年鳥取県生まれ。東京外語大学中国科卒業後、米ジョージ・ワシントン大学大学院政治学博士課程修了。戦略国際問題研究所主任研究員等を経て帰国。現在、国際未来科学研究所代表。また国連大学アメリカ評議会ミレニアム未来研究委員、21世紀の成長企業を探る研究会座長などを歴任。
浜田先生へ質問!
あなたが疑問に思っていることをおバカ編集部が浜田先生に取材します。
※ご投稿頂いたご質問は、編集部で検討し取材させて頂きます。
知っツモ WORD
全米持ち家促進法案
クリントン大統領が発案した、通称「105%ローン」。100万円のローンに対して105万円を借りることが出来る法案。差額の5万円で家具や家電製品を買い足せると、お金を借りる人には有利な法案だった。
公的資金
国家や地方公共団体が、破たんした金融機関や企業の再建のために注入する資金のこと。注入しても経営が破綻してしまうこともあり、その場合、国のムダ遣いと批判されてしまう。
これまで学んだこと
[日本経済&世界情勢を学ぶⅡ]
第28回 「デフレⅡ【でふれ・Ⅱ】」 第27回 「日航再建問題【にっこうさいけんもんだい】」
第26回 「普天間基地移設問題【ふてんまきちいせつもんだい】」 第25回 「国債【こくさい】」
第24回 「政権交代【せいけんこうたい】」 第23回 「衆議院議員総選挙【しゅうぎいんぎいんそうせんきょ】」
第22回 「東京都議会議員選挙【とうきょうとぎかいぎいんせんきょ】」 第21回 「鳩山由紀夫【はとやまゆきお】」
第20回 「2016年夏季五輪招致【2016ねんかきごりんしょうち】」 第19回 「政治献金【せいじけんきん】」
第18回 「国家公務員制度改革【こっかこうむいんせいどかいかく】」 第17回 「ガザ地区【がざちく】」
第16回 「景気【けいき】」 第15回 「バラク・オバマ新大統領【ばらく・おばましんだいとうりょう】」
第14回 「金融危機【きんゆうきき】」 第13回 「福田康夫【ふくだやすお】」
第12回 「原油高騰【げんゆこうとう】」 第11回 「北海道洞爺湖サミット【ほっかいどうとうやこさみっと】」
第10回 「チベット問題【ちべっともんだい】」 第9回 「暫定税率【ざんていぜいりつ】」
第8回 「アメリカ大統領選挙【あめりかだいとうりょうせんきょ】」 第7回 「山田洋行【ヤマダヨウコウ】」
第6回 「小沢一郎【オザワイチロウ】」 第5回 「裁判員制度【サイバンインセイド】」
第4回 「内閣総理大臣 【ナイカクソウリダイジン】」 第3回 「FX【エフエックス】」
第2回 「日本年金機構 【ニホンネンキンキコウ】」 第1回 「北京オリンピック 【ペキンオリンピック】」


[日本経済&世界情勢を学ぶⅠ]
第22回 「10年後の日本」 第21回 「増税」
第20回 「企業買収」 第19回 「内閣改造」
第18回 「郵政民営化」 第17回 「アメリカ経済 2」
第16回 「アメリカ経済」 第15回 「上場」
第14回 「新貨幣」 第13回 「海外支援」
第12回 「1円企業」 第11回 「高速道路」
第10回 「株式」 第9回 「税金」
第8回 「りそな銀行」 第7回 「通貨」
第6回 「国連」 第5回 「デフレ」
第4回 「有事法案」 第3回 「年金」
第2回 「竹中 平蔵」 第1回 「ペイオフ」
この記事をブログ・SNSにクチコミする
http://www.fe-mail.co.jp/lifestyle/obaka2/81030.cfm



Members

ログイン

ようこそ
ゲストさん




このページを友達に教える