春服、買いました~?
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テレビや新聞で耳にする、政治や経済の言葉。
でも、皆さん、本当に意味わかっていますか?
今更聞けない用語、けれども知らぬは一生の恥。
おバカ編集部のおバカな質問を、浜田先生にお答え頂きます!
第16章
2009年
21
1月7日
景気【けいき】
▼おバカ編集部
先生、明けましておめでとうございます!本年もよろしくお願いします!
さて、新年早々、不景気の暗いニュースばかりでパっとしませんね。そもそも、好景気と不景気って、誰が決めているのですか?
▼浜田先生
こちらこそ、本年もよろしくお願いします。
早速ですが、「景気」というのは、経済活動全般の状態のことを指します。特に日本の場合は「気」に敏感で、目に見えない空気や考え方といった意味合いも込められています。よく「病は気から」なんて言いますよね。
景気の良し悪しのバロメータはいろいろあります。例えば、内閣府はコンビニやタクシー運転手、ホテルの経営者を対象に「景気ウォッチャー調査」を行い、景気動向を指数(DI)化しています。景気は常に何らかのきっかけで上昇と下降を繰り返していて、これを「景気循環」と呼びます。今までも、「オリンピック景気」や「バブル景気」、「IT景気」などさまざまなパターンがありました。2002年2月から2007年10月までの長い期間に渡って、「いざなみ景気(正式名称未定)」という好景気が続いていたのです。
ところが最近は、この景気動向指数がずっと対前月比マイナス続きで、2003年のITバブル崩壊以降、最低水準まで落ち込んでしまいました。このままでは、2009年の日本経済はマイナス成長になりかねないと言われています。昨年11月に朝日新聞が日本の主要企業100社に景気アンケートを行ったところ、実に98社が「景気は後退している」と回答したほどです。
特に、中小企業は資金繰りが苦しいようです。今までは金融機関がサポートしていたのですが、今は銀行株価自体が最も下がっていますから、銀行もお金を貸せない状況です。日銀は、昨年12月に金融機関へ新たに3兆円の資金供給を打ち出したのですが、そのお金が個別の企業にまで行き渡らないのですよ。なぜならば、銀行は貸し倒れになるリスクを避けたいと思っているからです。
▼おバカ編集部
そうなのですね。この不景気は、やっぱりアメリカの金融危機の影響でしょうか?
▼浜田先生
そうですね。前回もお話しましたが、今までアメリカの国民総生産の75%は個人消費が占めていました。ここ10年くらい、アメリカでは住宅バブルが続き、家電も車もバンバン売れていたのです。そのおかげで、日本も中国も好景気が続いていたわけなのですね。しかし住宅バブルがはじけ、数々のローン公社や金融機関が相次いで破綻し、アメリカ人の消費が急激に落ち込んだのです。そうすると、当然、日本製の車も家電も売れなくなりますよね。その影響で、あのSONYでさえ、世界規模で1万人以上もの正社員をリストラする方針を固めました。中小企業だけでなく、世界を代表する日本の大企業も軒並み人員削減や賃金カット、役員報酬をゼロにするとしているのです。特に、トヨタやホンダが大打撃を受けたのは記憶に新しいですよね。これは、この10年・20年の間で未だかつてない危機的状況で、このままいくと大恐慌の再来とも言われているのですよ。
▼おバカ編集部
かなり深刻な状況なのですね!トヨタの季節工の技術者がどんどんクビ切りをされて、家まで失ってしまった人もいるとニュースで見ました。すごく気の毒です・・・。こういう人たちは、どこか行く当てがあるのでしょうか?
▼浜田先生
それが、愛知県豊田市にはホームレスの支援シェルター(無料宿泊所)がなく、市に相談に行っても、その場で電車賃を渡されて追い返されるそうです。これはなぜかというと、「このお金で、シェルターのある土地の最寄駅まで行ってください」ということだそうですよ。
▼おバカ編集部
そんな殺生な!これから失業者が増えれば、犯罪も増えて治安が悪化してしまうのに!そもそも国は、この景気悪化に何か対策を練っているのですか!?
▼浜田先生
もちろん、麻生総理は自分の政策をスタートするよりも、景気対策を優先しています。しかし、過去最大の住宅ローン減税や約2兆円の「ばら撒き政策」なんてものを打ち出したものの、どちらも不評でしたよね(苦笑)。もっと中長期的に、消費の活性化に繋がる対策が必要なのですが、なかなかこれという妙案が浮かばない状況なのです。こうしている間にどんどん時間は過ぎるばかりです。
▼おバカ編集部
ますます先行きが不安です。こんな状態がいつまで続くのでしょうか?
▼浜田先生
実は悲しい事に、2009年中に景気が上向きに転じると考えている企業はゼロなのです。このままでは、2010年あるいは2011年まで、この不景気は続くという見方もされています。これからは、中小企業の倒産も相次ぐだろうとも言われていて、ますます失業者は増えると予想されるでしょうね。
▼おバカ編集部
えぇー、そんな!先生、そこを何とかできないのでしょうか!?
▼浜田先生
そうですねぇ。そもそも、日本経済の弱点は、アメリカ経済頼みであることです。「日本の景気が回復するには、アメリカ経済の立て直しを待つしかない」と、極めて弱気なのですよ。この状況を打破するには、日本自らが立ち上がって、何か新しいことをする必要があります。
▼おバカ編集部
例えば何がありますか?
▼浜田先生
まずは農林水産業を立て直すことが大切でしょう。今、日本には、人の手が入れられていない耕作放棄が、埼玉県と同じくらいの規模であり、食料自給率も39%にまで落ち込んでしまっています。実はこれまでも、自給自足の大切さは何度も訴えられてきたのですが、いつでも海外から食糧を輸入できるという安心感から、誰も着手してこなかったのです。しかし今後は、中国やロシアの人口増加や環境汚染などの問題で、輸入食材の確保が困難になり、日本が食糧不足に陥ってしまう可能性が考えられます。それを回避するためには、自給率をせめて70%くらいまでに上げる必要がありますね。しかし農林水産業や畜産業というのは、重労働である割に収入が低いため、若い人が就きたがらず、各地で人手不足や跡継ぎ不足など巻き起こっているのです。農業についている人口の3分の2が65歳以上の高齢者なのですよ。
▼おバカ編集部
では、そういった人手不足の産業に、日本中に溢れる失業者や若いニートたちを再雇用し、うまく活用すれば新しいビジネスが生まれる可能性があるということですか?
▼浜田先生
その通りです。今後は、農業の株式会社化も予想されているのですよ。
それでなくても今は、中国の粉ミルクやダンボール餃子事件以降、世界中で食の安心・安全への関心が高まっていますよね。アメリカは「チャイナフリー」といって中国産の食材は購入せず、その代わり日本産の食材を非常に信頼しています。日本は世界に誇る長寿国ですが、これは、日本食が体に良いという何よりの証拠です。日本食をもっとブランド化して、日本の安全な食糧をもっと世界に向けて発信していくべきなのです。今こそ、こういった日本の潜在的な可能性に着目して、今まで出来なかったことに取り組むチャンスなのです。日本自身もチェンジの時なのですよ。こういう事は、景気のいい時には意外と気づかないものです。危機に直面した時にどう対策を練るかで、次に飛躍する時にどこまで高く飛べるかが決まるでしょう。
▼おバカ編集部
そうなのですね!では、日ごろ私達ひとりひとりが、生活の中で意識しておくべきことって何でしょうか?
▼浜田先生
そうですね。今までは、アメリカ発のマネーゲームのモデルに流されていたわけですから、日本発の信頼に根ざしたビジネスモデルを生み出したいですね。そのためには、うまい儲け話に安易に飛びつくのではなく、情報を咀嚼(そしゃく)して、考える力を養うことが必要です。とはいっても、お金儲けばかりを考えるのではなく、日本独自の「気」や「心」も大切です。それに、日本はまじめな貯蓄国ですが、お金を貯めるためだけに働くのも、ちょっと寂しいですよね。自分の夢のためにお金を使って、循環させていけば、心も生活も、日本の経済も潤うのではないでしょうか。
取材・文/皆川夕美
1953年鳥取県生まれ。東京外語大学中国科卒業後、米ジョージ・ワシントン大学大学院政治学博士課程修了。戦略国際問題研究所主任研究員等を経て帰国。現在、国際未来科学研究所代表。また国連大学アメリカ評議会ミレニアム未来研究委員、21世紀の成長企業を探る研究会座長などを歴任。
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※ご投稿頂いたご質問は、編集部で検討し取材させて頂きます。
いざなみ景気
古事記に記されたいざなぎ・いざなみによる国生みの伝説が名称の由来。過去の「いざなぎ景気」を上回る記録的な好景気であったが、その恩恵は一部の資本家などに局所集中していたため、国民が豊かさを感じることはなかった。別名、格差景気。
デジタルカメラ、DVD、薄型テレビなどの「デジタル三種の神器」の需要増加による景気回復も、この好景気の特徴である。
住宅ローン減税
住宅を購入したときに少しでも納税者の税負担を軽減するために、住宅等の取得等のための借入金の一定割合を、一定の要件のもと、所得税額から控除するというもの。一般住宅は最大500万円、耐震性に優れた「長期優良住宅(200年住宅)」は最大600万円を所得税・住民税から、10年間に渡って税額控除できるようにする。
最大減税額の適用を受けるには一般住宅の場合、09年1月1日から2年以内に、200年住宅は3年以内に入居することが条件。それ以降の入居分については最大減税額を引き下げる。
[日本経済&世界情勢を学ぶⅡ]
第29回 「中国経済【ちゅうごくけいざい】」
第28回 「デフレⅡ【でふれ・Ⅱ】」
第27回 「日航再建問題【にっこうさいけんもんだい】」
第26回 「普天間基地移設問題【ふてんまきちいせつもんだい】」
第25回 「国債【こくさい】」
第24回 「政権交代【せいけんこうたい】」
第23回 「衆議院議員総選挙【しゅうぎいんぎいんそうせんきょ】」
第22回 「東京都議会議員選挙【とうきょうとぎかいぎいんせんきょ】」
第21回 「鳩山由紀夫【はとやまゆきお】」
第20回 「2016年夏季五輪招致【2016ねんかきごりんしょうち】」
第19回 「政治献金【せいじけんきん】」
第18回 「国家公務員制度改革【こっかこうむいんせいどかいかく】」
第17回 「ガザ地区【がざちく】」
第16回 「景気【けいき】」
第15回 「バラク・オバマ新大統領【ばらく・おばましんだいとうりょう】」
第14回 「金融危機【きんゆうきき】」
第13回 「福田康夫【ふくだやすお】」
第12回 「原油高騰【げんゆこうとう】」
第11回 「北海道洞爺湖サミット【ほっかいどうとうやこさみっと】」
第10回 「チベット問題【ちべっともんだい】」
第9回 「暫定税率【ざんていぜいりつ】」
第8回 「アメリカ大統領選挙【あめりかだいとうりょうせんきょ】」
第7回 「山田洋行【ヤマダヨウコウ】」
第6回 「小沢一郎【オザワイチロウ】」
第5回 「裁判員制度【サイバンインセイド】」
第4回 「内閣総理大臣 【ナイカクソウリダイジン】」
第3回 「FX【エフエックス】」
第2回 「日本年金機構 【ニホンネンキンキコウ】」
第1回 「北京オリンピック 【ペキンオリンピック】」
[日本経済&世界情勢を学ぶⅠ]
第22回 「10年後の日本」
第21回 「増税」
第20回 「企業買収」
第19回 「内閣改造」
第18回 「郵政民営化」
第17回 「アメリカ経済 2」
第16回 「アメリカ経済」
第15回 「上場」
第14回 「新貨幣」
第13回 「海外支援」
第12回 「1円企業」
第11回 「高速道路」
第10回 「株式」
第9回 「税金」
第8回 「りそな銀行」
第7回 「通貨」
第6回 「国連」
第5回 「デフレ」
第4回 「有事法案」
第3回 「年金」
第2回 「竹中 平蔵」
第1回 「ペイオフ」
http://www.fe-mail.co.jp/lifestyle/obaka2/90107.cfm
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