春服、買いました~?
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テレビや新聞で耳にする、政治や経済の言葉。
でも、皆さん、本当に意味わかっていますか?
今更聞けない用語、けれども知らぬは一生の恥。
おバカ編集部のおバカな質問を、浜田先生にお答え頂きます!
第18章
2009年
21
3月6日
国家公務員制度改革【こっかこうむいんせいどかいかく】
▼おバカ編集部
最近、国家公務員制度の改革が必要だとニュースになっていますが、これはなぜですか?
▼浜田先生
今、大きく取り沙汰されているのが、各省庁の官僚による「天下り」問題です。天下りというのは、退職した官僚が省庁からあっせんを受け、関連する民間企業や団体の幹部クラスの地位に、「再就職」することです。
キャリアと呼ばれる国家公務員にとって、最高ポストにあたるのは事務次官なのですが、この職に就けるのは同期キャリアの中でたった一人だけなのです。入省当初は同期として一緒に働いていたとはいえ、やはりみんなエリート意識が強いですから、「同期の“部下”になるなんてごめんだ」と思うのでしょう。そのため、同期キャリアの中で誰がトップに立つかが決まった時点、あるいは自分がトップになれないと判明した時点で、みんな定年を待たずに退職してしまう慣例があるのです。そこで関連組織に天下れば、能力に関係なく高い地位に就くことが出来るので、メンツが保たれるというわけなのです。
2007年4月の段階で、2万6632人の国家公務員が4696団体に天下っており、最近では、同じ省庁の出身者が5代以上連続して幹部に就任している団体が、実に94団体もあると発表されました。
▼おバカ編集部
そんな実態があったのですね!
▼浜田先生
はい。この天下りの最大の問題点は、彼らが再就職するための補助金や契約金などに、莫大なお金が動いているということです。2006年には1年間で約12兆円、月に換算すると1兆円ものお金が、天下り団体に流れているのですよ。受け入れ側としては、彼らを受け入れるだけであり余るほどのお金がもらえるわけですから、いわば手放しで大歓迎というわけです。
また、なかには短い期間で二度・三度と再就職を繰り返す「渡り歩き」をしている人も多く、その都度 数千万単位の退職金が支払われています。農水省出身のある官僚は、6つの団体や企業を渡り歩き、3億円以上ものお金を手にしたと言われているのですよ。
▼おバカ編集部
えー!そんな大金、一生かかったって手に出来ませんよ!まさかそのお金は、私たちの税金や保険料でまかなわれているとか?
▼浜田先生
その通りです(汗)。日本の一般会計は83兆円ですが、それとは別に、各省庁に特別会計という巨額のお金を持っています。2008年度は21もの特別会計があり、合計すると368兆円にもなるといわれています。この特別会計には、国民の年金保険料や雇用保険料も含まれているのですが、実際はこのお金が、天下りの資金源とされているのですよ。天下り団体のための、必要性の低いリゾートホテルなどの建設費を特別会計から支払っているのです。しかも、特別会計の中には一般会計との二重会計もあり、非常に透明性が低いため、実際何のために税金が使われているか分からないまま、国は無駄遣いを重ねているのです。
▼おバカ編集部
ますます許せない…。彼らは天下り先でちゃんと仕事をしているのですか?
▼浜田先生
それが、毎日お茶を飲んで新聞を読んでいるだけだったり、あるいは年に数回しか出社しないのに、高給をもらっているのが現状です。
しかしながら、彼らの持つ知識や能力を活かせない、働く力があるのに仕事がない、これはもったいない話ですよね。たとえば民間でも定年退職をした後に、長年培ってきた知識や能力、人脈を活かして再就職する人は多いですし、平均寿命の延びている日本では再就職はとても大切なことです。ただ、税金を使っての天下りや渡り歩き、ましてや仕事をしていない人に高いお給料を支払うことを認めるのは、国として問題であろうというわけです。
▼おバカ編集部
本当ですよ!そんなもののために、私たちの税金を引き上げようとしているなんて納得がいきません!なぜ今さら表沙汰になっているのですか?もっと前から問題視すべきだったのではないのでしょうか?
▼浜田先生
はい。これまでは、長きに渡って自民党の天下にあったため、あらゆる問題が表に出てこなかったのです。しかし今は民主党が力を持つようになり、野党側が切り込みを入れるようになって、ようやく明らかになってきたのです。
そして今年1月には、渡辺喜美元行政改革担当相が「天下りのあっせん禁止」を提案しました。麻生総理も、あらゆる方面からの批判を受けてようやく、天下りと渡りを年内に廃止させると発言しました。
▼おバカ編集部
今さら遅いですよー!そもそも、今まで天下りを良しとしてきた人たちには、罪の意識はないのですか?
▼浜田先生
それが、まったくないようなのですよ(苦笑)。なぜなら、同年齢・同学歴の公務員と一般企業に勤める人の賃金を比べると、一生でもらう金額は公務員の方が低いからです。今でこそ一般企業は、大不況の影響で減給やボーナスカットといったリスクを背負っていますが、景気が良いときや会社が上場したとき、あるいはヒット商品などで会社の業績がアップした場合には、当然お給料は跳ね上がりますよね。しかし公務員はお給料が一定にしか上がらないため、一般企業に勤める人よりも生涯賃金が最低でも2~3割くらい低い場合もあるのですよ。
そうすると、入省当初は「国のために頑張ろう」とみな一様に張り切っていたのだけれど、歳をとってから周りと比べたときに、どうしても見劣りしてしまうのですね。それで、「今まで薄給でも国のために骨身を削って勤めてきたのだから、最後くらいは甘い蜜を吸ったっていいじゃないか」という考えに至るわけです。
▼おバカ編集部
そうだったのですか!公務員って国が潰れない限りお給料がもらえるし、安定していていいなと思っていたけれど、実はそうとも言い切れないのですね。
▼浜田先生
そうですね。しかし公務員は、よほど不祥事を起こさない限りエスカレーター式に出世していきますが、一度きりの公務員試験に合格しただけで、その人が本当に公務員に向いているか、国を支えるポジションにふさわしいかというと、疑問が残りますよね。
▼おバカ編集部
確かに、たとえば役所に行っても、ひとつの窓口が異様に込んでいるのに誰も手伝わなかったり、仕事をしている様子が感じられないお偉いさんがいたり・・・。企業じゃありえないですよね。
▼浜田先生
確かにそうですね(苦笑)。まずはそういった市役所や区役所など身近なところから、サービスの効率化を求める必要もあるでしょう。
公務員はいわば国民の税金で雇われているわけですから、本来ならば「国民の意見をしっかり聞き入れる」といった意識でいて欲しいですよね。
国民は、政治家を選挙で選ぶことは出来ますが、官僚などの公務員を選ぶことはできません。彼らを一人ひとり調べるのは現実的には難しいですが、せめて公務員の人たちがきちんと仕事をしているかチェックする機能を、国民側が持つべきなのかもしれません。
景気が危機的状況にある中で、政治や経済、日本全体をチェンジするいい機会です。そのためには人材の面で、公務員のあり方から変えていく必要があるのでしょう。国民が危機感を持って、公務員制度について考えることが大切ですよね。
取材・文/皆川夕美
1953年鳥取県生まれ。東京外語大学中国科卒業後、米ジョージ・ワシントン大学大学院政治学博士課程修了。戦略国際問題研究所主任研究員等を経て帰国。現在、国際未来科学研究所代表。また国連大学アメリカ評議会ミレニアム未来研究委員、21世紀の成長企業を探る研究会座長などを歴任。
浜田和幸先生のHPはコチラ→
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※ご投稿頂いたご質問は、編集部で検討し取材させて頂きます。
キャリア
国家公務員試験の中でも最も難関とされる第1種に合格した公務員の通称。幹部候補として中央省庁に採用された、いわゆるエリート中のエリート。
その他職員との出世スピードが違い、高級官僚ポストをほぼ独占する。これをキャリア制度と呼ぶ。
渡辺喜美(わたなべ・よしみ)
1952年生まれ。日本の政治家。2006年の安倍晋三内閣にて、国務大臣の職務として「国・地方行政改革」「公務員制度改革担当」などを勤める。福田康夫内閣でも留任するが、2008年の内閣改造に伴い退任。現在無所属。父は、元衆議院議員の故・渡辺美智雄。
[日本経済&世界情勢を学ぶⅡ]
第29回 「中国経済【ちゅうごくけいざい】」
第28回 「デフレⅡ【でふれ・Ⅱ】」
第27回 「日航再建問題【にっこうさいけんもんだい】」
第26回 「普天間基地移設問題【ふてんまきちいせつもんだい】」
第25回 「国債【こくさい】」
第24回 「政権交代【せいけんこうたい】」
第23回 「衆議院議員総選挙【しゅうぎいんぎいんそうせんきょ】」
第22回 「東京都議会議員選挙【とうきょうとぎかいぎいんせんきょ】」
第21回 「鳩山由紀夫【はとやまゆきお】」
第20回 「2016年夏季五輪招致【2016ねんかきごりんしょうち】」
第19回 「政治献金【せいじけんきん】」
第18回 「国家公務員制度改革【こっかこうむいんせいどかいかく】」
第17回 「ガザ地区【がざちく】」
第16回 「景気【けいき】」
第15回 「バラク・オバマ新大統領【ばらく・おばましんだいとうりょう】」
第14回 「金融危機【きんゆうきき】」
第13回 「福田康夫【ふくだやすお】」
第12回 「原油高騰【げんゆこうとう】」
第11回 「北海道洞爺湖サミット【ほっかいどうとうやこさみっと】」
第10回 「チベット問題【ちべっともんだい】」
第9回 「暫定税率【ざんていぜいりつ】」
第8回 「アメリカ大統領選挙【あめりかだいとうりょうせんきょ】」
第7回 「山田洋行【ヤマダヨウコウ】」
第6回 「小沢一郎【オザワイチロウ】」
第5回 「裁判員制度【サイバンインセイド】」
第4回 「内閣総理大臣 【ナイカクソウリダイジン】」
第3回 「FX【エフエックス】」
第2回 「日本年金機構 【ニホンネンキンキコウ】」
第1回 「北京オリンピック 【ペキンオリンピック】」
[日本経済&世界情勢を学ぶⅠ]
第22回 「10年後の日本」
第21回 「増税」
第20回 「企業買収」
第19回 「内閣改造」
第18回 「郵政民営化」
第17回 「アメリカ経済 2」
第16回 「アメリカ経済」
第15回 「上場」
第14回 「新貨幣」
第13回 「海外支援」
第12回 「1円企業」
第11回 「高速道路」
第10回 「株式」
第9回 「税金」
第8回 「りそな銀行」
第7回 「通貨」
第6回 「国連」
第5回 「デフレ」
第4回 「有事法案」
第3回 「年金」
第2回 「竹中 平蔵」
第1回 「ペイオフ」
http://www.fe-mail.co.jp/lifestyle/obaka2/90306.cfm
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