春服、買いました~?
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テレビや新聞で耳にする、政治や経済の言葉。
でも、皆さん、本当に意味わかっていますか?
今更聞けない用語、けれども知らぬは一生の恥。
おバカ編集部のおバカな質問を、浜田先生にお答え頂きます!
第19章
2009年
21
4月6日
政治献金【せいじけんきん】
▼おバカ編集部
小沢民主党代表と西松建設の献金問題で、また国会に打撃が走りましたよね。この事件の背景には、いったい何があるのでしょうか?
▼浜田先生
はい。本来国会議員には、国民の税金から政党助成金が支払われており、彼らはそのお金で秘書の給料や政治活動の費用などをまかなっています。その金額は議員1人あたり1億円にもなりますが、それだけでは足りないので、大物政治家は献金を募る必要があるのです。献金には、個人献金と企業献金があり、支持する政党や政治団体へお金を送ることが出来ます。政治資金規正法により5万円を越える献金はすべて名前を公表するように定められているので、大手企業の場合などは癒着を疑われる可能性もあります。
特定の政治家へ直接献金することは禁止されていますが、資金管理団体や後援会を通せば、個人献金のみ行うことが可能です。企業から政治家個人への献金は、財政癒着の原因になるため一切禁止されているのですよ。
しかし今回の西松建設の場合は、小沢代表の資金管理団体である「陸山会」に対し、「新政治問題研究会」と「未来産業研究会」の2つの政治団体を隠れみのにして、長きに渡り2億円もの献金を行っていたのです。それも管理職の個人名義で献金させて、あとからボーナスとして本人に返還していたそうですよ。
もともと西松建設は、海外での裏金問題を内部告発されて検察の捜査を受けていました。その過程で、「陸山会」へ長年に渡り献金をしていたことが明らかとなり、その金庫番をしていた小沢代表の元秘書・大久保隆規容疑者の逮捕へとつながったのです。小沢代表にしてみたら、いよいよ天下を取るかといった段階でしたから、まさにオセロの目がひっくり返ったともいえる状況でしょう。
▼おバカ編集部
そうだったのですね。しかしそこまでして、企業が多額の献金をする目的は何なのですか?
▼浜田先生
企業側としては、献金することで自分たちに有益な政策を実行してもらうことが狙いです。一方で政治家は、大規模な政策や選挙活動を行うためになるだけ多くの資金を集めたいわけですから、ある意味持ちつ持たれつと言えるでしょう。
そのため、大手ゼネコンの鹿島建設や大成建設の取り仕切りのもと、中堅のゼネコン各社の間では、大きな公共事業は順番に請け負うという取り決めが作られているのです。それに沿って、彼らは受注額によりそれぞれ献金額を決め、まとまった金額を有力な政治家の後援会や政治資金管理団体に送るという仕組みができています。そしてその見返りとして、国の予算でサービスをしてもらっているのですよ。本来であれば建設の受注は、ゼネコン各社が入札して、一番コストの安い会社が請け負うものなのですが、こういった談合では、献金分のコストも上乗せされていき、結局、めぐりめぐって、有権者の税金が高くなってしまうわけです。
▼おバカ編集部
つまり国の予算を無駄使いして、不要な高速道路や橋を作っているのですね?
▼浜田先生
はい。こういった癒着関係をなくすために、政治資金規制改革を行い政党助成金制度が作られたにも関わらず、政治家とゼネコンのギブアンドテイクの関係はずっと残っているのです。これに対しては検察側も、よほど悪質なものでない限り目をつぶっているのが実情のようですね。
▼おバカ編集部
結局は「政治とカネ」ということなのですね。でも、仮にこれが自民党なら国の予算を操れますが、民主党は予算配分の権利はないですよね?西松建設が小沢代表に献金していたメリットって何だったのでしょうか?
▼浜田先生
小沢代表は、「日本列島改造論」を打ち出した田中角栄氏のもと、自民党とゼネコン業界との強いつながりの中にいた人です。自身も自民党の幹事長を務めていましたし、野党とはいえ、ゼネコン業界にとって小沢代表は特別な存在なのですよ。特に東北地方の経済界への影響力が非常に強く、その中でも小沢王国といわれている岩手県は、大口の仕事は小沢代表にお伺いを立てないと受注出来ないほどなのですよ。そんな中、小沢代表の「天の声」で、西松建設が指定されることが多かったと言われています。このような、小沢代表とゼネコン業界とのお金のつながりは、国会でもみんなが知っていることでした。しかし今までなかなか明るみに出なかったのは、実際に政治資金の管理を行っているのは秘書や地元の後援会であるため、本人がどこまで介入していたかを突き詰められなかったからなのですよ。
▼おバカ編集部
「民主党はクリーンな政治を打ち出す」というから期待していたのに、がっかりです。でも今回の件で一番得をしたのは麻生首相ですよね。何だか、裏に何かがあるのではないかと疑ってしまうのですが……。
▼浜田先生
事件の時は、最後に笑った人が怪しいと言われますよね(笑)。実際、10%台まで支持率が落ち込んでいた麻生内閣は民主党と逆転しましたからね。確かに、今回の事件は、民主党の足をひっぱるために自民党が裏で手を回した国策捜査ではないかとの見方があるのも事実です。ただし実態はまだまだグレーな部分が多く、明らかになっていません。企業から不正な献金を受け取っている政治家は、他にもたくさんいますし、そもそも西松建設の献金額4億8千万円のうち、2億8千万円は自民党に流れているわけですから。最近では、自民党の尾身幸次氏がかつて西松建設から多額の献金を受け取り、沖縄の科学技術大学院大学の建設を直接発注していたことが明らかになりましたし、経済産業省の二階大臣の事務所費用を西松建設が肩代わりしていたこともニュースになりましたよね。自民党にしても民主党にしても、多かれ少なかれ怪しいお金を受け取っているわけで、今回の事件で自民党が小沢代表をあまり責めないのは、自民党側にもやましいことがあるからなのですよ。
また、西松建設からの不正な献金を受け始めたのは、大久保容疑者の前任である高橋嘉信氏だと報道されていますよね。彼は現在、自民党から後押しを受けて、次期衆議院選挙に岩手4区から出馬準備をしています。民主党を離れて自民党から出馬するということですから、過去に何かしら小沢代表に対する不満でもあったのでしょう。今後、彼が自分の知る小沢代表の弱みを武器にする可能性は高いかもしれません。
▼おバカ編集部
そうなのですか!政治の世界は闇だらけですね……。でも小沢代表の続投について、民主党内では賛否両論あるものの、比較的応援ムードですよね?
▼浜田先生
そうですね。鳩山幹事長や菅直人氏らは小沢代表に対する遠慮もあるのでしょうが、民主党が小沢代表を辞任させられないのは、代わりにリーダーシップを取れる人物がいないからなのですよ。一部では批判をする声もありますが、基本的には、みんなで豪腕・小沢代表を支えようという姿勢でしょう。これでは、「民主党は結局こんなものか」と国民の落胆は隠せないですよね。実際、今まで民主党が国民に支持されてきたのは、スキャンダルが続く自民党への不信によるところが大きかったですからね。
▼おバカ編集部
たしかに、「民主党がいい」というより「自民党より民主党の方がマシ」という感覚ですよね。結局どちらでも同じだからと、投票率もすごく悪いですよね。
▼浜田先生
それが一番危険なのですよ。もっと国民やマスコミが批判精神を持って、1億円もの政党助成金に見合うだけの仕事をしているのか、なぜそれだけでは足りないのか、どこに無駄があるのかを、もっとメスを入れていくべきです。
今の国会は、国民から見放されていることに気付いていないでしょう。特に今は100年に一度の危機的状況ですから、自民党と民主党の枠を超えて10年・20年先のビジョンを見据えた議論をするべき時なのです。そのためにも、もっと健全で元気な政治をしてくれるような、魅力的な政治家が登場することを望みますね。
取材・文/皆川夕美
1953年鳥取県生まれ。東京外語大学中国科卒業後、米ジョージ・ワシントン大学大学院政治学博士課程修了。戦略国際問題研究所主任研究員等を経て帰国。現在、国際未来科学研究所代表。また国連大学アメリカ評議会ミレニアム未来研究委員、21世紀の成長企業を探る研究会座長などを歴任。
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あなたが疑問に思っていることをおバカ編集部が浜田先生に取材します。
※ご投稿頂いたご質問は、編集部で検討し取材させて頂きます。
政党助成金
政治活動を助成するために国庫から支払われる資金。1994年、企業や団体などからの政治献金を制限する目的で導入された。資金源は国民の税金であり、応援していない政党へも配分されることや、参政権のない外国人や未成年者も支払わなければならない点などの問題がある。
政治資金規正法
1948年に制定。政治団体に対し、設立の届け出や政治資金収支報告書の提出義務などを課す、日本の法律。政治資金の流れを明確にすることが目的で、献金や政治資金パーティーなどを規制する。違反した場合は、罰則が課せられる場合もある。
日本列島改造論
第64・65代内閣総理大臣、田中角栄氏の主張および著書。日本列島を高速道路や新幹線で結び、地方の工業の活性化、過疎や過密などの問題を解決することが目的。これにより不要な高速道路の建設、それによるガソリン税の増税、ゼネコンとの癒着疑惑など、のちに大きな問題を残すこととなった。
[日本経済&世界情勢を学ぶⅡ]
第29回 「中国経済【ちゅうごくけいざい】」
第28回 「デフレⅡ【でふれ・Ⅱ】」
第27回 「日航再建問題【にっこうさいけんもんだい】」
第26回 「普天間基地移設問題【ふてんまきちいせつもんだい】」
第25回 「国債【こくさい】」
第24回 「政権交代【せいけんこうたい】」
第23回 「衆議院議員総選挙【しゅうぎいんぎいんそうせんきょ】」
第22回 「東京都議会議員選挙【とうきょうとぎかいぎいんせんきょ】」
第21回 「鳩山由紀夫【はとやまゆきお】」
第20回 「2016年夏季五輪招致【2016ねんかきごりんしょうち】」
第19回 「政治献金【せいじけんきん】」
第18回 「国家公務員制度改革【こっかこうむいんせいどかいかく】」
第17回 「ガザ地区【がざちく】」
第16回 「景気【けいき】」
第15回 「バラク・オバマ新大統領【ばらく・おばましんだいとうりょう】」
第14回 「金融危機【きんゆうきき】」
第13回 「福田康夫【ふくだやすお】」
第12回 「原油高騰【げんゆこうとう】」
第11回 「北海道洞爺湖サミット【ほっかいどうとうやこさみっと】」
第10回 「チベット問題【ちべっともんだい】」
第9回 「暫定税率【ざんていぜいりつ】」
第8回 「アメリカ大統領選挙【あめりかだいとうりょうせんきょ】」
第7回 「山田洋行【ヤマダヨウコウ】」
第6回 「小沢一郎【オザワイチロウ】」
第5回 「裁判員制度【サイバンインセイド】」
第4回 「内閣総理大臣 【ナイカクソウリダイジン】」
第3回 「FX【エフエックス】」
第2回 「日本年金機構 【ニホンネンキンキコウ】」
第1回 「北京オリンピック 【ペキンオリンピック】」
[日本経済&世界情勢を学ぶⅠ]
第22回 「10年後の日本」
第21回 「増税」
第20回 「企業買収」
第19回 「内閣改造」
第18回 「郵政民営化」
第17回 「アメリカ経済 2」
第16回 「アメリカ経済」
第15回 「上場」
第14回 「新貨幣」
第13回 「海外支援」
第12回 「1円企業」
第11回 「高速道路」
第10回 「株式」
第9回 「税金」
第8回 「りそな銀行」
第7回 「通貨」
第6回 「国連」
第5回 「デフレ」
第4回 「有事法案」
第3回 「年金」
第2回 「竹中 平蔵」
第1回 「ペイオフ」
http://www.fe-mail.co.jp/lifestyle/obaka2/90406.cfm
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