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テレビや新聞で耳にする、政治や経済の言葉。
でも、皆さん、本当に意味わかっていますか?
今更聞けない用語、けれども知らぬは一生の恥。
おバカ編集部のおバカな質問を、浜田先生にお答え頂きます!

第21章

2009年平成21年)6月5日金曜日

鳩山由紀夫【はとやまゆきお】

▼おバカ編集部
政権交代間近とまで言われていた小沢一郎前代表の辞任劇、政界のみならず国民の間にも衝撃が走りましたね。新代表の鳩山由紀夫さんは、一体どういう方なのですか?

▼浜田先生
はい。鳩山さんは、東京大学の工学部を卒業後しばらくは大学の助教授をしていたのですが、1986年、39歳の時に政界入りを果たしました。もともとは自民党にいたのですが、1993年に武村正義氏らと新党さきがけを立ち上げ、代表幹事に就任したのです。その後、菅直人氏らと民主党を結成し1999年には代表になったのですが、2002年の統一補選で惨敗し、責任を取る形で辞任しています。つまり民主党の代表になるのは、今回で2度目ということになりますね。

▼おバカ編集部
そうだったのですね。でも、もともと鳩山さんは「小沢さんが辞めるなら自分も辞める」といっていたのに、代表になってしまうなんて矛盾を感じるのですが…。

▼浜田先生
確かに、当初鳩山さんは「小沢さんを支えきれなかった自分にも責任があるのだから、自分が代表を務めるわけにはいかない」と言っていました。しかし西松建設の献金問題以降、結局は民主党も自民党も同じじゃないかという国民の不信が強まってしまった。そこで民主党の新しい顔をということで、岡田克也さんと鳩山さんが代表選挙を行ったのです。

▼おバカ編集部
もしかしたら次期総理大臣になるかもしれないのに、こんなあっさり決めてしまうなんてちょっと納得がいきません!

▼浜田先生
そうですね。本当は地元の意見なども聞いてじっくり決めようとの声もあったのですが、小沢さんの「空白期間は置くな」という鶴の一声で、時間的余裕を与えず国会議員の意見だけで決めてしまいました。しかし結局は、鳩山さんはあまり自信がないようで、小沢さんの操り人形という印象ですね。

▼おバカ編集部
うーん、頼りないですね。鳩山さんが打ち出している政策は、どのくらいの実現性があるのでしょうか?

▼浜田先生
はい。まずは日本経済活性化のために、官僚の無駄遣いを3年間で10兆円無くすこと、天下りや渡りの根絶、衆議院の比例定数を80削減することを挙げています。特に、117億円もの国税を予算に盛り込んだ「国立メディアセンター(仮称)」を真っ向批判しているのですが、これに変わる別の政策、新しい雇用が生まれるような提案がまだできていないのですよ。また、国家公務員の人件費を2割以上削減すると言っていますが、民主党はもともと公務員とのしがらみが強い政党ですから、そこに鳩山さんがメスを入れられるのかどうか、大きな疑問が残ります。

▼おバカ編集部
うーん、何だか先行きが不安ですね・・・。そういえば、鳩山代表の言う「愛の政治」、「友愛精神」とは具体的にどういうことなのですか?

▼浜田先生
たとえば、日本で働き税金を払っている在日韓国人や中国人に対して、参政権を与えるべきだと主張しています。靖国神社の参拝問題など、未だギクシャクしているアジアとの関係を、友愛の精神で乗り越えたいと言っているのです。確かにいつまでも過去の歴史にとらわれているわけにはいきませんから、愛や友愛といった感情は一つの大きな力に成りうるでしょう。しかしながら、愛の力で北朝鮮のミサイルを止められるかと言ったら、なかなか現実的ではありません。悲しいことですが、愛の力だけではどうにもならないこともありますね。

▼おバカ編集部
そうですよね。いい事を言っているなとは思うのですが・・・。では、鳩山さんの強みって何なのですか?

▼浜田先生
彼の強みは、何と言っても資金力でしょう。父、祖父、曽祖父と代々続く政治家一家で、さらには大手企業ブリヂストンの一族ですから、今の政界の中でもおそらく一番の資産家でしょう。民主党の中で鳩山グループに属している人たちは、鳩山さんの政策に共鳴しているというよりは、彼の政治資金力が目的でグループに属している人もいるくらいですよ。

▼おバカ編集部
麻生さんと同じく、お坊ちゃん議員ということですね。

▼浜田先生
はい。鳩山さんは「私は庶民派だ」と主張しているのですが、その理由は「自分は自転車に乗れるから」なのだそうです(苦笑)。宇宙人に似ているから「宇宙人キャラ」を打ち出すなど、親しみやすさをアピールしたいのでしょうが、ちょっと国民の感覚からズレていますよね。それに、出会った時すでに人妻だった今の奥さんを、元夫から略奪してしまったそうですよ。鳩山さん曰く「未婚、既婚に関係なく、すべての女性の中からこの人を選んだ」とのことですが(苦笑)。

▼おバカ編集部
まさに「愛の政治」ですね(笑)。

▼浜田先生
要するに一事が万事で、すべて都合の良い方に自分自身を変えてしまう傾向があります。自民党時代は自民党、民主党時代は小沢さんの女房役。外交面でも、韓国にもロシアにも、相手に合わせることが上手いのですよ。しかし、それでは国のトップとしてはどうかという印象がありますよね。いわゆる小沢チルドレンで、小沢さんの影響力が大きいがために、この日本を変えていくための鳩山さん自身のビジョンや哲学、強いリーダーシップが感じられないのです。そこが彼の弱みでしょうね。次の衆議院選挙、あるいはその後の政界再編に、果たして彼がどのくらい大きな働きが出来るのか、大きな不安材料が残ります。それを今後どのように払拭していくのかを期待したいですね。

▼おバカ編集部
そうなのですね。では、鳩山さんだからできることって何かないのでしょうか。

▼浜田先生 
そうですねぇ。鳩山さんはもともと工学部の出身で技術や環境に関心があるわけですから、そういった得意分野でもっと力を発揮して欲しいと思います。たとえば、アメリカのオバマ大統領が「グリーン・ニューディール政策」を打ち出していますが、太陽光発電や風力発電の技術は日本のほうが優れているのですよ。にも関わらず、あまり普及していないのは、太陽光パネルの設置や風力発電のウィンドファームにかかる費用がまだまだ高いからなのです。ですから、そこに国の予算を投入すれば、新しいビジネスや雇用が生まれる可能性があります。日本国内で成功すれば、アメリカや中国にもどんどん売れるようになるでしょう。

▼おバカ編集部
たしかに、雇用問題や環境問題など解決すべき問題は山積みなのに、麻生さんも鳩山さんもお互いを批判しあうことにエネルギーを費やしていますね。そのエネルギーをもっと国民のために使って欲しいです。

▼浜田先生
まさに、そこが政治家と国民とのズレなのですよ。国民の関心はどこにあるか、あるいは有権者が何を求めているか、その辺を麻生さんも鳩山さんもちゃんと理解をするべきです。政治家も選挙に勝たなければただの人ですから、国民目線の政治実現に向け意識改革をして欲しいと思います。そして国民の側も、政治家に対してただ文句を言うのではなく、自分の足で選挙会場に向かって、自分の意思で選んだ政治家に一票を投じる必要があるでしょう。


取材・文/皆川夕美

Profile 浜田 和幸(はまだ かずゆき)浜田 和幸先生
1953年鳥取県生まれ。東京外語大学中国科卒業後、米ジョージ・ワシントン大学大学院政治学博士課程修了。戦略国際問題研究所主任研究員等を経て帰国。現在、国際未来科学研究所代表。また国連大学アメリカ評議会ミレニアム未来研究委員、21世紀の成長企業を探る研究会座長などを歴任。
浜田先生へ質問!
あなたが疑問に思っていることをおバカ編集部が浜田先生に取材します。
※ご投稿頂いたご質問は、編集部で検討し取材させて頂きます。
知っツモ WORD
国立メディアセンター(仮称)
麻生首相が、117億円の事業費を盛り込んで設立しようとしている、通称「漫画の殿堂」。目的は、日本のアニメ、漫画、ゲームソフトの展示などをし、メディア芸術を一台産業として発展させること。国税のムダ使いの象徴として野党から批判されている。
グリーン・ニューディール政策
2008年にオバマ大統領が打ち出した経済政策。脱温暖化ビジネスを拡大していくことで、環境問題と経済危機を克服することが目的。太陽光や風力など再生可能エネルギーの拡大、プラグインハイブリッド車の普及など、エネルギー分野だけで約15兆円の国費を投入し、500万人の新規雇用を生み出そうと考えている。
これまで学んだこと
[日本経済&世界情勢を学ぶⅡ]
第35回 「メキシコ湾原油流出事故
【めきしこわんげんゆりゅうしゅつじこ】」
第34回 「2010年 参議院選挙【2010ねん さんぎいんせんきょ】」
第33回 「ギリシャ経済危機【ぎりしゃけいざいきき】」 第32回 「新党【しんとう】」
第31回 「高速道路無料化【こうそくどうろむりょうか】」 第30回 「外国人参政権【がいこくじんさんせいけん】」
第29回 「中国経済【ちゅうごくけいざい】」 第28回 「デフレⅡ【でふれ・Ⅱ】」
第27回 「日航再建問題【にっこうさいけんもんだい】」 第26回 「普天間基地移設問題【ふてんまきちいせつもんだい】」
第25回 「国債【こくさい】」 第24回 「政権交代【せいけんこうたい】」
第23回 「衆議院議員総選挙【しゅうぎいんぎいんそうせんきょ】」 第22回 「東京都議会議員選挙【とうきょうとぎかいぎいんせんきょ】」
第21回 「鳩山由紀夫【はとやまゆきお】」 第20回 「2016年夏季五輪招致【2016ねんかきごりんしょうち】」
第19回 「政治献金【せいじけんきん】」 第18回 「国家公務員制度改革【こっかこうむいんせいどかいかく】」
第17回 「ガザ地区【がざちく】」 第16回 「景気【けいき】」
第15回 「バラク・オバマ新大統領【ばらく・おばましんだいとうりょう】」 第14回 「金融危機【きんゆうきき】」
第13回 「福田康夫【ふくだやすお】」 第12回 「原油高騰【げんゆこうとう】」
第11回 「北海道洞爺湖サミット【ほっかいどうとうやこさみっと】」 第10回 「チベット問題【ちべっともんだい】」
第9回 「暫定税率【ざんていぜいりつ】」 第8回 「アメリカ大統領選挙【あめりかだいとうりょうせんきょ】」
第7回 「山田洋行【ヤマダヨウコウ】」 第6回 「小沢一郎【オザワイチロウ】」
第5回 「裁判員制度【サイバンインセイド】」 第4回 「内閣総理大臣 【ナイカクソウリダイジン】」
第3回 「FX【エフエックス】」 第2回 「日本年金機構 【ニホンネンキンキコウ】」
第1回 「北京オリンピック 【ペキンオリンピック】」


[日本経済&世界情勢を学ぶⅠ]
第22回 「10年後の日本」 第21回 「増税」
第20回 「企業買収」 第19回 「内閣改造」
第18回 「郵政民営化」 第17回 「アメリカ経済 2」
第16回 「アメリカ経済」 第15回 「上場」
第14回 「新貨幣」 第13回 「海外支援」
第12回 「1円企業」 第11回 「高速道路」
第10回 「株式」 第9回 「税金」
第8回 「りそな銀行」 第7回 「通貨」
第6回 「国連」 第5回 「デフレ」
第4回 「有事法案」 第3回 「年金」
第2回 「竹中 平蔵」 第1回 「ペイオフ」
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