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テレビや新聞で耳にする、政治や経済の言葉。
でも、皆さん、本当に意味わかっていますか?
今更聞けない用語、けれども知らぬは一生の恥。
おバカ編集部のおバカな質問を、浜田先生にお答え頂きます!

第22章

2009年平成21年)7月8日水曜日

東京都議会議員選挙【とうきょうとぎかいぎいんせんきょ】

▼おバカ編集部
いよいよ7月12日に迫った東京都議選。都内中で盛り上がっていますが、そもそも都議会の概要がよく分かりません!先生、教えてください!

▼浜田先生
はい。まず、東京都の選挙人名簿は推定1060万人とされていますが、その有権者による投票で、42選挙区から定数127名の議員が選ばれます。とはいっても、選挙区によって人口は異なりますから、それに応じて各選挙区の定員も増減します。人口の多い世田谷区と大田区はそれぞれ8名、少ない千代田区や中央区からは1名ずつ選ばれ、当選したら任期は4年間となります。現在の都議会は、自民党48名、民主党34名、公明党22名、共産党13名、生活者ネットワーク4名、無所属4名で構成されています(※欠員2名)。自民・公明を合わせて70名なので、今は与党が過半数を占めている状態ですね。
東京都は日本の中でもとくに財政が豊かで、その規模は年間6兆円にものぼります。これはフィンランドの国全体の財政規模とほぼ同じです。そういう意味では、一つの国に相当する力を持っているわけで、国会議員と同等の力があるといっても過言ではないでしょう。

▼おバカ編集部
でも、その割には都民からあまり馴染みがないですよね。都議会議員っていったい何をやっているのですか?

▼浜田先生
はい。基本的には石原都知事の進める政策案について、都議会議員が各区民の意見をどう吸い上げて都政に反映させるか、政策論争をするわけです。その都度、広報紙を通じて議決結果などは案内されています。しかし実際、定例議会は年間で4回しか開催されておらず、彼らが拘束されるのは日数にして89日間ほどです。

▼おバカ編集部
年に4分の1くらいしか稼動してないということじゃないですか!それ以外の期間はいったい何をしているのですか?

▼浜田先生
主に、調査をしたり地盤を固めたりといった自分の政治活動ですね。あとは、都議会議員は国会議員と違い兼職が許されているので、普段は他の職業に就いている人もいます。今回の候補者の中には、現役のお医者さんもいるくらいですから。

▼おバカ編集部
そうなんですか!自分の収入がありながら、議員報酬ももらっているなんて何だかズルイ気が…。しかも、都議会議員は国会議員よりも待遇が良い、という報道を見たのですが。

▼浜田先生
はい、たしかに都議会議員の厚遇は問題視されています。都議会議員の収入は三つあって、まず一つめはいわゆる議員報酬です。平均月給103万7千円、ボーナスが年三回で527万円、年収にすると1770万円と言われています。そして二つめに、政務調査費として月一律60万円が支給されます。これは事務所経費、人件費、視察先へのお土産代と、基本的に何に使っても良いとされているお金です。

▼おバカ編集部
毎月60万円って、私たちの月給よりはるかに多いじゃないですか!では、あともう一つはなんですか?

▼浜田先生
はい。三つめは交通費です。普通、交通費というのは実際に使った電車代やタクシー代を清算してから支払われるものですが、都議会議員の場合は一律定額で月43万円も支給されているのです。つまり、徒歩で移動しても電車に乗ってもタクシーに乗っても、1日1万円以上が渡されるというわけです。しかも、実はそれ以外にも特典があって、都議会議員は、東京都が持っている公用車を使うことができます。これには、車の維持費や運転手の人件費などで年間2億円もの予算が計上されているのですよ。公用車は台数に限りがあるので、誰もがいつでも使えるというわけではありませんが、代わりにハイヤーを使用することができます。先ほどもいいましたが、交通費をもらっているのに、ですよ(苦笑)。この待遇の良さは、まさにミニ国会議員といってもいいくらいなのです。

▼おバカ編集部
本当ですよ!お金の使い方は国会議員と同じですね。

▼浜田先生
はい、その通りです。他にも、海外視察という名目でアメリカやヨーロッパへ訪れた際の旅費も、一人200~300万円ほどが支給されます。海外視察の際は報告書の提出義務があるのですが、以前、別の報告書を丸写ししていたことがバレて、問題になったこともあったんです。

▼おバカ編集部
えー!そんなずさんな仕事ぶりなのに、お給料が高いなんて!この待遇の良さは、昔からなのですか?

▼浜田先生
はい。もともとは、東京都の経済力や規模、仕事への責任の大きさから、それにふさわしい報酬が必要だということで決められたことでした。しかしこれは都民も納得の上でなら問題ないのですが、そもそも都民は自分たちの税金がこんな風に使われているのだという実態を知らないのですよね。しかし、東京には日本の10分の1もの人口がいるわけですが、その分失業者の数も多いわけです。今はこれだけ景気が悪くて、一方で議員は桁外れの待遇を受けているわけですから、失業者のために議員報酬を10%くらい返上しよう、なんて声があってもいいと思うのですが。そういう面では、都民ももっと問題意識を持たないといけないのではないでしょうか。

▼おバカ編集部
たしかに、都議選の投票率ってすごく低いですよね。前回の選挙のときはたった43%だったとか。でも、東京の人はみんな忙しいし、決められた日に投票に行かなきゃいけないというのは、やはり足が遠のくと思うのですよ。たとえば、ネットから投票とかできるようにならないのですかねぇ?

▼浜田先生
う~ん。それは、本人確認が出来ないから難しいでしょうねぇ。やっぱり、会場に行って候補者の名前を書くのが一番確実でしょう。事前投票もできますから。とはいえ、ただ投票にしに行くけだけでなく、誰が都民のためにしっかり働いてくれるか、見極めないといけません。

▼おバカ編集部
でも、結局のところ誰を選んでいいかが分らないのですよ。誰がどんなことを考えているのか、全然見えてこないし…。

▼浜田先生
そうですね。たしかに選挙ポスターを見れば顔と名前は分かるけれど、どんな政策を打ち出しているかまでは読み取れないですよね。新聞には候補者の政策や略歴を一覧にした広報紙が折込まれるのですが、今は新聞を取ってない人も多いですからね。だから公式HPにアクセスするとか、立会演説会で話を聞いてチラシをもらうなどして、都民が自ら時間とエネルギーを使わないと、ちゃんと理解することは難しいのかもしれません。それに、東京都も、45億円という都議選の予算を、PR用のうちわ作成とか標語募集のような必要性の低いものに使わないで、もっと有効にお金を使ってほしいですね。

▼おバカ編集部
本当ですよ!ただ「投票に来てください」って言うばかりで、もっと具体的に広報してほしいです!今、東京都が改善すべきことってたくさんあるはずです!

▼浜田先生
その通りです。東京をいかに住みやすく働きやすい環境にするかは、大きなテーマだと思います。東京は毎年人口が増え続けて、現在は約1300万人。世界約200ヶ国の中でも72番目に人口が多い土地です。その分、交通渋滞はいつまで経っても改善されないし、相当エネルギーが無駄になっているはずですね。ほかにも医療や子育て、福祉の問題に加えて、築地市場の移転問題や2016年のオリンピックなど、課題はたくさんあります。それらに対して、いかに都民が住みやすくなるような政策を打ち出してくれるか、税金を有効に使ってくれるか、私たちは厳しい目で見届けないといけないでしょう。

▼おバカ編集部
そうですね。ちなみに、次の都議選でもし与党が負けたら、麻生さんの立場はますますピンチになるのでしょうか。

▼浜田先生
そうですねぇ。この都議選を、麻生さんは最後のとりでと感じているでしょうね。これを落とすともう選挙が出来なくなってしまう。そうすると自民党内での一層の麻生批判に繋がりますから。かといって、麻生さんを引きずり下ろしたところで、代わりになれるような人がいないのが現状です。進むも退くもできない、それが自民党の一番の弱みですね。

▼おバカ編集部
麻生さんのことが嫌だからと、「自民党の候補者に投票しない!」という有権者は多そうですよね?

▼浜田先生
静岡県知事選では「国政と切り離した判断を」と訴えて“麻生隠し”をしていました。とはいえ、やはりどうしても自民党を象徴するのは麻生さん、という認識があるのは事実です。ただ、それが決定打になることはないでしょう。都議選の場合は中選挙区制ですから、政党で選ぶというわけでなく、同じ政党内でも競い合います。そこで個人の魅力や、応援してくれる団体の組織票がかなり大きなウェイトを占めてくるのです。そういう点では、創価学会とのつながりがある公明党は強いのかもしれません。自民党と連立で与党としての立場を維持するために、何としてでも都議選で良い結果を出して、その流れで衆院選に挑みたいと思っている。だから、全国から信者を総動員して応援しているのです。しかし今は、国民全体が自民党離れをしているのは明らかで、「一度、民主党にやらせてみようか」という意識があるのは否定できません。民主党・鳩山代表の個人献金問題をマスコミが必要以上に叩かなかったのは、民主党に政権交代をやらせてみたいという民意があるからに違いありません。そういう意味では、都議選で与党が負ければ、国政に影響が出るのは避けられないでしょう。でも基本的には、党派や宗教にとらわれないで、人物本位で選べばいいと思いますよ。

▼おバカ編集部
そうですね。選挙は、「自分はこの人を応援したい!」と思って一票を投じることが大切ですものね。

▼浜田先生
はい。今後、都議会議員はどれだけ仕事をしたか、成績表のようなものが出来たらいいですね。そういった判断材料があれば、選挙もよりやりやすくなるでしょう。評価されると分かれば、議員だって一生懸命頑張ってくれるはずですから。
とにかく次の都議選では、一人でも多くの人が問題意識を持って、投票所に足を運んでくれることを願いたいですね。


取材・文/皆川夕美

Profile 浜田 和幸(はまだ かずゆき)浜田 和幸先生
1953年鳥取県生まれ。東京外語大学中国科卒業後、米ジョージ・ワシントン大学大学院政治学博士課程修了。戦略国際問題研究所主任研究員等を経て帰国。現在、国際未来科学研究所代表。また国連大学アメリカ評議会ミレニアム未来研究委員、21世紀の成長企業を探る研究会座長などを歴任。
浜田先生へ質問!
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※ご投稿頂いたご質問は、編集部で検討し取材させて頂きます。
知っツモ WORD
築地魚市場の移転問題
取り扱い数量の拡大により施設が手狭になったことや施設の老朽化などの原因から、東京ガス工場跡地の豊洲へ移転が決定。しかし豊洲の土壌汚染が判明した。東京湾の環境問題が注目され、そこで獲れる魚介類の汚染も問題視されている。
これまで学んだこと
[日本経済&世界情勢を学ぶⅡ]
第35回 「メキシコ湾原油流出事故
【めきしこわんげんゆりゅうしゅつじこ】」
第34回 「2010年 参議院選挙【2010ねん さんぎいんせんきょ】」
第33回 「ギリシャ経済危機【ぎりしゃけいざいきき】」 第32回 「新党【しんとう】」
第31回 「高速道路無料化【こうそくどうろむりょうか】」 第30回 「外国人参政権【がいこくじんさんせいけん】」
第29回 「中国経済【ちゅうごくけいざい】」 第28回 「デフレⅡ【でふれ・Ⅱ】」
第27回 「日航再建問題【にっこうさいけんもんだい】」 第26回 「普天間基地移設問題【ふてんまきちいせつもんだい】」
第25回 「国債【こくさい】」 第24回 「政権交代【せいけんこうたい】」
第23回 「衆議院議員総選挙【しゅうぎいんぎいんそうせんきょ】」 第22回 「東京都議会議員選挙【とうきょうとぎかいぎいんせんきょ】」
第21回 「鳩山由紀夫【はとやまゆきお】」 第20回 「2016年夏季五輪招致【2016ねんかきごりんしょうち】」
第19回 「政治献金【せいじけんきん】」 第18回 「国家公務員制度改革【こっかこうむいんせいどかいかく】」
第17回 「ガザ地区【がざちく】」 第16回 「景気【けいき】」
第15回 「バラク・オバマ新大統領【ばらく・おばましんだいとうりょう】」 第14回 「金融危機【きんゆうきき】」
第13回 「福田康夫【ふくだやすお】」 第12回 「原油高騰【げんゆこうとう】」
第11回 「北海道洞爺湖サミット【ほっかいどうとうやこさみっと】」 第10回 「チベット問題【ちべっともんだい】」
第9回 「暫定税率【ざんていぜいりつ】」 第8回 「アメリカ大統領選挙【あめりかだいとうりょうせんきょ】」
第7回 「山田洋行【ヤマダヨウコウ】」 第6回 「小沢一郎【オザワイチロウ】」
第5回 「裁判員制度【サイバンインセイド】」 第4回 「内閣総理大臣 【ナイカクソウリダイジン】」
第3回 「FX【エフエックス】」 第2回 「日本年金機構 【ニホンネンキンキコウ】」
第1回 「北京オリンピック 【ペキンオリンピック】」


[日本経済&世界情勢を学ぶⅠ]
第22回 「10年後の日本」 第21回 「増税」
第20回 「企業買収」 第19回 「内閣改造」
第18回 「郵政民営化」 第17回 「アメリカ経済 2」
第16回 「アメリカ経済」 第15回 「上場」
第14回 「新貨幣」 第13回 「海外支援」
第12回 「1円企業」 第11回 「高速道路」
第10回 「株式」 第9回 「税金」
第8回 「りそな銀行」 第7回 「通貨」
第6回 「国連」 第5回 「デフレ」
第4回 「有事法案」 第3回 「年金」
第2回 「竹中 平蔵」 第1回 「ペイオフ」
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