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テレビや新聞で耳にする、政治や経済の言葉。
でも、皆さん、本当に意味わかっていますか?
今更聞けない用語、けれども知らぬは一生の恥。
おバカ編集部のおバカな質問を、浜田先生にお答え頂きます!

第25章

2009年平成21年)10月29日木曜日

国債【こくさい】

▼おバカ編集部
最近、「国債」をめぐって議論がされていますね。国の借金ということは分かるのですが、具体的にどういうしくみなのですか?

▼浜田先生
はい。まず、国が政策を行うためには財源の確保が必要になりますが、これは本来、国民から集めた税収でまかなうのが大原則です。家計で例えるなら、収入額に見合った生活を送る中で、どうしてもお金が足りない場合には臨時でお金を工面することがありますよね。これと同じで、国は足りない財源を補う手段として、国民に国債を買ってもらい借金をします。短期のものなら1年間、長期のものなら30年間と償還期限が定められていて、国債を買った人は、その年数に応じた利息を受け取ることができるのです。
ちなみに国債には、赤字国債と建設国債の2種類あり、建設国債は主に道路や鉄道を作るインフラ整備のため、赤字国債は教育や医療、福祉など政策を実行するために使われています。

▼おバカ編集部
へ~。銀行の定期預金みたいですね。利回りはどのくらいなのですか?

▼浜田先生
これまでの推移を見ていると、利回りはその時々の景気が影響しています。バブル期には10%近くもありましたが、今は不景気なので10年もので1.36%です。銀行の定期預金の利回りがだいたい0.02%くらいですから、それに比べるとはるかに高いですよね。また、銀行はつぶれてしまう恐れもありますが、国がつぶれることはまずないですから、国債は安心・安全な金融商品と言えるでしょう。最近は、国債を購入する人が増えているのですよ。

▼おバカ編集部
なるほど、意外と身近なのですね。誰でも買えるのですか?

▼浜田先生
はい。まずは証券会社や銀行で国債の口座を開く必要がありますが、年4回、国債が発行されるタイミングで取引を行います。住所など身元が確認できれば、年齢や収入に関係なく、一口1万円から購入できますよ。
しかし、国債の安全性は、国がつぶれないことが大前提です。日本が破綻するとは今のところ考えにくいですが、人口がどんどん減って税収も下がっていますし、不景気が続いていますから、将来、利息つきできちんと返してもらえるかどうか、不安材料を抱えている状態ですね。そういう意味では、国債は経済のバロメーターと言えるでしょう。

▼おバカ編集部
本当にお金が返ってこないことはありえるのでしょうか?

▼浜田先生
そこは、国債整理基金特別会計として、将来きちんと返せるようにされているので、一応、安全性は保たれています。ただ、今問題となっているのが、これまで発行してきた国債が雪だるま式に膨らんで、このままでは国の借金が800兆円を超えるのは確実といわれていることです。

▼おバカ編集部
天文学的な数字ですね!そこへ利子がかかるということは、実際の借金額はもっと膨らんでいるということですよね?

▼浜田先生
その通りです。これはアメリカやイタリアを抜いて先進国のなかでも最悪で、日本の国内総生産の1.7倍まで膨らんでいるといわれています。

▼おバカ編集部
そこが、日本が借金大国と言われる所以なのですね。そもそも、国債ってなぜ発行され始めたのでしょうか。

▼浜田先生
東京オリンピック直後の高度経済成長がきっかけです。インフラ整備や新たな産業を発展させるために、日本で初めて赤字国債が発行されました。ただ、当時は日本の経済に元気がありましたから、国債といっても今ほどマイナスナイメージではなかったのですよ。今のように赤字が膨らむようになったのは、バブル崩壊以降のことです。

▼おバカ編集部
そういえば、最近は中国も初めて国債を発行しましたよね。かつての日本と似たような現象が起きているのですね。

▼浜田先生
そうですね。いま中国はすごく元気があって、利回りも2年ものの国債で2%以上、5年ものなら3%以上とかなり高くなっています。そのため中国国債は非常に人気で、60億元の国債発行に対して、3倍以上の倍率だったそうですよ。そのくらい、中国へ期待を寄せる人が多いということですよね。
また、現在、中国政府は1兆ドルのアメリカ国債を持っていますが、アメリカは中国からの支えがもっと必要だと考えて、さらなる買い増しを請求しています。しかし中国は、アメリカがきちんと償還してくれるかどうか疑心を抱いているので、代わりに国債の額に見合う担保物権を要求しているのですよ。つまり、万が一アメリカが中国にお金を返せなかった場合には、アメリカの不動産の所有権を中国がもらおうと言う狙いです。
一方、日本政府も6000億ドルものアメリカ国債を持っていますので、もし日本経済が本当にピンチになれば、これを売却してお金を調達することだってできます。しかし、日本人の国民性か、中国ほど強気に出られないのですよ。アメリカとの関係はなかなか断ち切れないですからね。

▼おバカ編集部
え~、日本だって赤字なのに、他国にお金を貸している場合じゃないですよね~?

▼浜田先生
そうですねぇ(苦笑)。本来なら国債発行を止めて借金を返すこと、限られた財源の中で緊急性、優先性の高いものから予算を振り分けることを考えるべきです。ただ先にも話しましたが、今は税収が落ち込んでいて、今年度には40兆円を割り込むと言われています。先頃の補正予算で3兆円の無駄を削減できたとはいえ、それだけでは到底追いつかないのは明らかですよね。そうなると結局、国債の発行額を増やさざるを得ないのかもしれません。利子による負担を軽減するために、無利子国債の発行も検討されています。

▼おバカ編集部
でも鳩山さんは選挙中、無駄遣いの根絶や国庫の埋蔵金を発掘すれば、予算は確保できると見込んでいましたよね?国を借金漬けにした自民党を猛烈に批判していたのに、どうして見誤っちゃったのでしょうか?

▼浜田先生
はい。それがいざ政権を取ってフタをあけてみたら、国庫がほぼカラッポ状態だったのですよ。鳩山内閣としては、政権の目玉であるマニフェストを実行したいという思いもありますが、95兆円という過去最大の予算編成に加えて、赤字国債の発行高も過去最高にのぼりそうな状態です。お金がないと分かったうえで、それでもマニフェストを実行するのか、実行するなら税金を上げるのか、それとも国債を発行するのか、あるいは政策を一部変更するのか、どう政治決断をしていくかがポイントとなるでしょう。たとえば子ども手当てだったら、支給額を半額にするとか、時期を遅らせるとか、対応を考える必要がありそうですね。

▼おバカ編集部
たしかに、国の借金で子ども手当てを支払ったとしても、回りまわって、将来その子どもたちが苦しむかもしれないですものね。

▼浜田先生
そうですね。人は誰でも一度派手な生活を送ると、なかなか戻れないものです。国庫の状態を明らかに出来たのは政権交代の最大のメリットですから、このチャンスを活かして、国家が身の丈にあった生活へと軌道修正できるよう、鳩山さんの決断力、実行力、説明能力に期待したいものですね。


取材・文/皆川夕美

Profile 浜田 和幸(はまだ かずゆき)浜田 和幸先生
1953年鳥取県生まれ。東京外語大学中国科卒業後、米ジョージ・ワシントン大学大学院政治学博士課程修了。戦略国際問題研究所主任研究員等を経て帰国。現在、国際未来科学研究所代表。また国連大学アメリカ評議会ミレニアム未来研究委員、21世紀の成長企業を探る研究会座長などを歴任。
浜田先生へ質問!
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※ご投稿頂いたご質問は、編集部で検討し取材させて頂きます。
知っツモ WORD
国債整理基金特別会計
国債の費用と使途を明確にするため、その収支を一般会計から区分した特別会計のこと。
無利子非課税国債
現在発行が検討されている、利子のつかない国債。利子による借金の負担を軽減することが目的。利子がつかない代わりに、相続税の減免などがメリットとなる。
これまで学んだこと
[日本経済&世界情勢を学ぶⅡ]
第29回 「中国経済【ちゅうごくけいざい】」 第28回 「デフレⅡ【でふれ・Ⅱ】」
第27回 「日航再建問題【にっこうさいけんもんだい】」 第26回 「普天間基地移設問題【ふてんまきちいせつもんだい】」
第25回 「国債【こくさい】」 第24回 「政権交代【せいけんこうたい】」
第23回 「衆議院議員総選挙【しゅうぎいんぎいんそうせんきょ】」 第22回 「東京都議会議員選挙【とうきょうとぎかいぎいんせんきょ】」
第21回 「鳩山由紀夫【はとやまゆきお】」 第20回 「2016年夏季五輪招致【2016ねんかきごりんしょうち】」
第19回 「政治献金【せいじけんきん】」 第18回 「国家公務員制度改革【こっかこうむいんせいどかいかく】」
第17回 「ガザ地区【がざちく】」 第16回 「景気【けいき】」
第15回 「バラク・オバマ新大統領【ばらく・おばましんだいとうりょう】」 第14回 「金融危機【きんゆうきき】」
第13回 「福田康夫【ふくだやすお】」 第12回 「原油高騰【げんゆこうとう】」
第11回 「北海道洞爺湖サミット【ほっかいどうとうやこさみっと】」 第10回 「チベット問題【ちべっともんだい】」
第9回 「暫定税率【ざんていぜいりつ】」 第8回 「アメリカ大統領選挙【あめりかだいとうりょうせんきょ】」
第7回 「山田洋行【ヤマダヨウコウ】」 第6回 「小沢一郎【オザワイチロウ】」
第5回 「裁判員制度【サイバンインセイド】」 第4回 「内閣総理大臣 【ナイカクソウリダイジン】」
第3回 「FX【エフエックス】」 第2回 「日本年金機構 【ニホンネンキンキコウ】」
第1回 「北京オリンピック 【ペキンオリンピック】」


[日本経済&世界情勢を学ぶⅠ]
第22回 「10年後の日本」 第21回 「増税」
第20回 「企業買収」 第19回 「内閣改造」
第18回 「郵政民営化」 第17回 「アメリカ経済 2」
第16回 「アメリカ経済」 第15回 「上場」
第14回 「新貨幣」 第13回 「海外支援」
第12回 「1円企業」 第11回 「高速道路」
第10回 「株式」 第9回 「税金」
第8回 「りそな銀行」 第7回 「通貨」
第6回 「国連」 第5回 「デフレ」
第4回 「有事法案」 第3回 「年金」
第2回 「竹中 平蔵」 第1回 「ペイオフ」
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