無病息災を願う習わしを大切に
2月3日は節分です。子どもの頃は、家族総出で家中に豆をまきました。一年に一度、家の中に豪快に豆をまく気持ちよさったら! 弟と競い合い、なんとも爽快だった思い出がありますが、本来、豆をまくのは一家の主、または年男、年女、厄年の人の役目だそうです。
1月7日の朝、無病息災を願っていただく七草粥、15日の小正月は女正月といわれ、お正月に忙しかった主婦をねぎらい、小豆粥で家族の健康を願うとか。昔ながらの習わしには家族を思う気持ちがあります。歳時記に心を留めて一年を過ごすのもいいものです。
来るべき節分は、まさにいいきっかけ。その名からもわかるように、節分とは季節の変わり目。立春、立夏、立秋、立冬の前の日を指します。中でも、立春は旧暦でいえば新年、前日の節分はいわば大晦日。一年の厄をおとす意味を込めた、邪気を払う追儺式のひとつが豆まき。新たな年が幸せになるよう願う、大切な行事なのです。
炒った大豆をまいて、自分の歳の数+1食べ、一年の無病息災を願います。炒った大豆の代わりに落花生でやる地方もあるとか! 殻付きだからたしかに合理的、でも慣れていないのでやっぱり不思議な感じがします。習慣っておもしろいですね。
幸運がもたらされるように節分祭へ
今やすっかり定着した恵方巻きの丸かじり。その年の吉方位を向いて、巻き寿司を無言で丸かじりすると一年健康でいられるという、関西発祥の習わしです。2010年は西南西が吉です。関西出身ならが子どもの頃はやったことがありません。家庭によっても習慣って大きく違うものですね。
門口に、鰯のアタマと柊の小枝を挿して、魔除けにする習慣もあり、鬼が鰯のにおいで寄り付かなくなると始まったとか。さらに、最近にわかに注目を集めているのが、節分そば。旧暦の新年でいえば節分は大晦日ですから、大晦日の年越しそばと同じ、江戸時代の後期からある習慣だそうです。うーん、子どもの頃にやっていないとわからないものですね。伝えていくためにはまず家庭からだなとしみじみ思います。
そして、私が今年楽しみにしているのが、節分祭。京都では吉田神社はじめ、節分祭で知られる寺社仏閣がたくさん。厄を払い、福を呼ぶために、お参りしようと思っています。
吉田神社は万城目学の小説『鴨川ホルモー』にも登場しますが、節分祭は2月2~4日の3日間続きます。2日の午後6時からは平安初期に宮中で行われていたものを受け継ぐ、追儺式が行われます。陰陽師が鬼を追い払うのです、ぜひとも見てみたい! 古いお札を焼き上げる巨大な火炉も燃え、その炎が無病息災をもたらすとか。2日と3日は800店以上の露天が並び、わくわく間違いなし。
壬生寺ではほうらくを奉納し、壬生狂言で割って厄よけするという行事が、八坂神社では舞妓、芸妓が舞踊を奉納して豆まきするなど、見どころもそれぞれ。東京でも浅草寺などで豆まきがありますし、あんがい近くで楽しい節分祭をやっているかもしれません!
不況といわれる今だからこそ、節分に厄よけ祈願。幸せな一年になりますように!
text & photo 宮下亜紀