水を飲めば、体が動き出す!
むくみと冷えの大敵は水不足! 体内の水分が足りない→不安を感じて体が水を貯めこむ→むくむ……という悪循環が判明した前編。「トイレにそこそこ行ってるから水のめぐりは悪くないはず…」と勝手に思いこんでいたので、『クリア メディカルサロン』泌尿器科腎臓専門医の石黒伸先生のお話しにひやりとしました。今回は改善策についてうかがいます。
どれくらい水を飲めばいいんですか?
「飲んでほしい目安は、体重50kgの人で一日1.5L。飲んでも500mlボトル1本がいいところでしょ?」
飲んでるつもりだったけど、全然足りてないですね。毎日1.5L飲むとどんなふうに変わるんですか?
「1.5L飲み始めると、いったんむくみがひどくなります。人体は、飢えよりも渇水に非常に弱い。だから“水を貯めておかないとヤバイ”と感じ、さらに貯めこもうとする。でも水代謝を司る腎臓が体内の水分量を感知し、満杯とわかれば不要な水を放出するようになるんです」
どれくらいで水の入れ替わりが始まるんですか?
「1週間くらいですね、トイレの回数も増え始めるので、実感がわくと思いますよ。規則正しく水をとれば手足の血管がしっかり膨らみ、血のめぐりが良くなって冷え性や自律神経の失調の改善にもつながります」
マメに水を飲むことで体が変わるんですね。
「じっと寝てるだけでも体内から水が蒸発してるんです。実感のある尿や汗だけでなく、ばい菌の侵入を防ぐために粘膜の湿り気だって必要。一日に涙は1L、鼻水は3Lも出てるんですよ!」
うわ~水分って本当に必要なんですね…!
「体重の60%が水分。kgあたり50ccが一日に必要です。50kgの人なら2500cc。ただし1000ccは食事から摂れるので、飲んでほしい水の量は1.5L。体重(kg)×30=必要な水分量の目安ですね」
コーヒーやお茶はそこそこ飲んでるんですけど…。
「コーヒー・紅茶・ウーロン茶・緑茶のカフェイン、ビールのホップは利尿作用が高く、水が出ていってしまうから、いわば逆効果。水としてカウントしないでくださいね」
え~カウントするとこでした! 自己流でやるより、むくみ外来でアドバイスしてもらった方が確実に達成できそうですね…。
「このプロセスが有効なのは腎臓が健康な場合、だからむくみ外来では、まず尿や血液検査で腎機能の状態をチェックして、その人にあったプログラムを組みます。体重や身長、体質によっても必要な水の量が微妙に違うので、上手な水の飲み方から、食生活や運動面のアドバイスも交えて、改善していくんです」
毎日の習慣で、リラックスモードにスイッチ
水の大事さをかみしめるばかりですが、もうひとつ、見過ごせない要因が、自律神経の乱れ。交感神経(働きマンモード)→副交感神経(リラックスモード)にスムーズにバトンタッチする方法もうかがいました。
1)暗闇に身をおくこと
「真っ暗にすると、自然とリラックスできるんです。都会は深夜でも明るいので、遮光カーテンにして、部屋の明かりを間接照明にするととても休まりますよ。夜遅くまでTVやネットに熱中するのも神経が高ぶってよくない、お笑い番組は22時までに(笑)。朝はバッ!とカーテンを明けて、まず3分間、外の光を瞳孔に注ぎ込むと交感神経が興奮し始めて目が覚めます」
2)お風呂時間を大切に
「お湯の温度は40℃以下、冬場は+2℃を目安に。43℃以上になると交感神経が目覚めるので、朝は熱いシャワーでいいですが、夜はシャワーだけですまさず、半身浴でじっくり温まって。入浴時にキャンドルを灯したり、アロマを香らせるのも効果的です」
3)トイレに行く習慣を
「トイレに座ると、さほどしたいと思っていなかったのに、排泄物の出ることってありますよね。トイレは個室なので自然とリラックスモードに切り替わって腸が働くんです。トイレの回数が少ない人は、もよおしていなくても意識してトイレに行ってみてください」
水を飲むことも、この3つも、すぐにできることじゃないですか…!? ジム通いやカロリー計算は続かないけど、これなら気持ちの切り替えだけ、普段の生活でできることばかり! 先生曰く「むくみや冷えでつらい時に、運動しろと言っても続かない。まずは体内のサイクルを正して、運動や食事の見直しはそれから」と。体がしんどいと運動する気にならないし、食事の見直しだってストレスにもなる。あせらず欲張らず、まず毎日の習慣から、自分を変えてきましょ!
text & photo 宮下亜紀