林空露天風呂とごちそう野菜
林の中にせりだしたウッドデッキは、薪能の舞台を思い出します。緑の空間にぽっかりと浮かんでいるような露天風呂…。新しくできた「林空露天風呂」付きのお部屋です。この“林”“空”という言葉に魅かれて、蔵王へとやってきました。「だいこんの花」という可愛い名前のお宿、開業当初から蔵王の名物であるだいこんをはじめ、さまざまな野菜を中心にしたお料理で話題になりました。そんなわけで、今回はそのお料理も楽しみで楽しみで・・・。
夕食の前に、やっぱり温泉。お部屋の露天風呂も楽しみにしてきたのですが、まずは森に点在する貸切風呂へでかけました。橋を渡り一番奥にある「通り雨」。暖簾をくぐると、まるで森の中の遊歩道にちょこんと露天風呂があるみたい。下は渓流、涼やかな水音が響きます。野鳥の声と水の音、やわらかなお湯につつまれてゆっくりと時が流れていきました。
遠刈田温泉・温泉山荘だいこんの花のお湯は、ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩・硫酸塩泉。さらさらでふんわりとしたやわらかな肌触り。それでも、蔵王のお山の力と森のエネルギーがぎっしりで、入ってみると実はかなりパワーチャージ系。すとんと深くまであたたまる温泉です。
お待ちかねの夕食です。まずはアミューズに、と運ばれてきた野菜たち、レタスの下には大きな生のだいこん。シャキシャキみずみずしくってとっても甘い。手前は新じゃがいもの摺り流し、これも絶品。感激したのは「三陸産カツオの燻香仕立 彩夏野菜」、なす、きゅうり、みょうが、とまとなど、口いっぱいに「夏」が広がり本当に幸せな一皿でした。夏の名物料理はかぼちゃの冷しフォンデュ、お菓子みたいに美味しくて楽しい。ゆるやかに仕切られたダイニングは、個室タイプで他のお客様の顔は見えないけれど、お料理が運ばれるたびにあちこちから次々と歓声が聞こえてきます。それが、またワクワク感を誘い、とっても楽しい気分、旅ごはんはこうでなくっちゃとしみじみ幸せを感じました。
夜の林空露天風呂も極上でした。虫の声、河鹿の声、木々の間からのぞく星空。蔵王の山は月のパワーも大きく感じます。パワフルな温泉であたたまり、山と森の命に抱かれて、ぐっすりと眠りました。
クラランス、エスティ・ローダーグループなど、外資系化粧品会社や海外ブランドのマーケティング・広報・宣伝に携わり、15年以上の経験を持つ。OL生活のかたわら「温泉ソムリエ」「温泉入浴指導員」(厚生労働省認定)を取得し温泉を研究。その後、温泉とともに生きる決意をして独立。長年にわたる美容と旅の経験を生かし「温泉ビューティ研究家」として活動。現在は、雑誌、テレビ、ラジオ、インターネットなど数多くのメディアで活躍中。ドイツにて日本人初の「気候療法士」の研修課程を修了。著書「温泉ビューティ」、「だから行きたくなる 温泉セラピーの宿」(集英社)につづき、2009年10月に「癒されてきれいになる おひとりさま温泉」(朝日新聞出版)が発売。