 | 諸先輩方に囲まれる緊張感がいい刺激になっています |
―警察ドラマとはいえ、警視庁捜査一課特殊斑SITが舞台の「交渉人」は、通常の刑事モノとは少し違いますよね?
「そうですね。起きた事件の犯人を検挙するというのが、みなさんが考える刑事モノのドラマですよね。でもドラマの舞台となる警視庁捜査一課特殊斑SITは、立て籠もりや誘拐事件など、今まさに事件が進行しているという中で特別要請を受け出動していく部隊。そして犯人と交渉をしながら、事件を解決していくのが『交渉人』の仕事。だから事件勃発から解決までの緊張感ある現場が舞台となるんです」
―自ら配属を希望して女性初の交渉人に任命される、米倉さん演じる主人公「宇佐木玲子」ですが、どんな女性なのですか?
「警察組織って圧倒的な男性社会ですよね。中でも特殊班はさらに厳しい男社会、女性が異動してきたって誰一人歓迎してくれない。彼女は警察官だった父親を立て籠もり事件で亡くしているという過去があり、それも自ら配属を希望する大きな理由。歓迎されなくても、厳しい男社会であっても、『人質の命も、犯人の命も守る』という信条を胸に、毅然と犯罪の最前線で戦っていくという精神的にも肉体的にも非常にタフな女性ですね」
―そんなタフな玲子を演じるために、バッサリと髪を切られたと聞きましたが?
「長い髪だと、現場での一生懸命さを出そうとすると、髪を束ねるぐらいしかないんですよ。そうすると前髪でのバリエーションしか出せないし・・・。短いヘアスタイルだと躍動感が出るんですよね。また玲子のいさぎよい部分を感じてもらうにも短いほうがいいかなと思ってバッサリいきました」
―すごくお似合いですよ!それにタフなボディを作るための筋トレにも励まれているとか。
「以前からカラダ作りのために、インナーマッスルを鍛えるトレーニングはずっと続けているのですが、今回は少し表に見える筋肉を作ろうかなと。アクションシーンなどもありますし、武術に長けているという役どころですから。最近、肩や腕なんかに効果も出てきましたよ。おかげで可愛いお洋服はちょっと着れませんけどね(笑)」。
―先ほどもお話しにあったように、男社会で戦っていく紅一点ということで、ほとんど男性の共演者ですが、現場の雰囲気などはどうですか?
「私ひとりに対して常に6~7名の男性に取り囲まれている感じですね(笑)。陣内孝則さん、筧利夫さん、笹野高史さん、高橋克実さん、大杉漣さんなど大勢の諸先輩方に囲まれていますので、日々緊張ですよ。でも警察ドラマかつ現在進行形の事件を解決していくという緊迫感ある内容ですから、そんな緊張感もお芝居する上でいい刺激になっていますね。またこうやって多くの先輩方とご一緒すると、自分もまだまだ若造だなあ(笑)、頑張っていかなくちゃって思えるのも嬉しいですね」
―「交渉人」、どんな点に注目して欲しいですか
「ドラマでは、警察内でもより個性的な人物が集まるSITで、各人がその個性をぶつけあい仕事をしている。でも何か事件が起きると、チームが事件解決のために一丸となって立ち向かっていく。そんなチーム力がグッと集結する部分などはドラマの見せ場でもありますね」
 | 強さを兼ね備えた穏やかな女性になりたい |
―さて、話は変わりますが、1999年に女優宣言をしてもうすぐ10年を迎えられますね。米倉さんにとって女優という仕事の面白さや醍醐味って何なのですか?
「職業、生き方、全てにおいて米倉涼子が考えもつかない別の人物になれることが最大の魅力ですね。そして役を演じることで、新しい感情や問題意識などが沸きあがってくるのが、とても面白いですね。感情や意識だけではなく、茶道に通じている女性という役柄ならお茶を、武道なら武術を、というように自分が知らない新しい世界を知ることができる。そして多くの素晴らしい人達に会えるのもこの仕事の醍醐味ですね」
―2006年は橋田賞を受賞するなど、女優として着実にキャリアを築きあげていていますが中でも印象的な作品は?
「どれもとても印象的で、自分を成長させてくれた作品だと思っています。でも常に今の仕事が自らの代表作になるように取り組みたいと考えているんですね。今回の『交渉人』は、松本清張3部作シリーズと同じスタッフなのですが、監督とも前シリーズ以上の作品にしよう!と話をしているんですよ」
―これから先はどんな仕事をやっていきたいですか?また目指す女優像ってありますか。
「そうですね~。やりたいことはたくさんあるのですが、ちょっとまだお話しできる状況にはなっていないんですよね。でもこれをやりたい!と強く願っていれば叶うんじゃないかと思っているので、常にアンテナだけは張っていたいですね。また女優像ではなく、女性像としてですが、穏やかな女性になりたいです。強さをキチンと兼ね備えた穏やかな女性を目指したいですね」
―2008年の抱負を教えてください
「まずはドラマ「交渉人」を成功させたいですね。あとは毎年新しいことに挑戦していきたいと思っているので、2008年も何か新しいこと始めようと思っていますよ」
取材・文/森有貴子