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Introduction

自由に解釈ができる映画が好きなんです

 『猟奇的な彼女』『僕の彼女を紹介します』などで知られる韓国の大ヒットメーカー、クァク・ジェヨン監督の待望の新作『僕の彼女はサイボーグ』で、主役に大抜擢された小出恵介さん。映画やドラマに立て続けに出演し、演者としての幅を着々と広げつつある小出さんに、今回の新作映画や大好きな映画について語っていただきました。

――『僕の彼女はサイボーグ』のオファーが来た時、どんな印象を持ちましたか? 

「クァク・ジェヨン監督のことは、『猟奇的な彼女』の監督として知っていました。だから、彼の新作ラブストーリーが日本で撮影されると聞いて、すごく興味が湧きました。実際、脚本を読ませていただいたら、タイムトラベルはあるわ大地震は起こるわ、スケールがとても大きくて映画っぽい映画だなと。今まで、僕はこういうスケール感のある映画に出たことがなかったので、いいなって思いました」

――物語の時間軸が過去~現在~未来と自在に変化する上に、ファンタジー的な要素も多分にあって、演じる側としては気持ちの持って行き方にも苦労されたのではないですか。

「いやぁ、難しかったですよ。だって、今どのシーンやってるんだろうってわかんなくなるんですよ。最初の本読みでは、監督も訳わかんなくなっちゃったくらいで(笑)。だから、完成した作品を見ても、ちょっとした矛盾を感じたり、日本が舞台なのに日本らしくない風景や、今の大学生ぽくない喋り方に違和感があったりすると思います。でも、それはそれで、この作品の独特の世界観を作り出しているものなんですよね。なので、これからご覧になる方には、この映画の世界にすーっと入ってもらって、素直に楽しんでもらえるといいなと思っています」

――撮影は順撮りだったんですか? かなり大変な撮影もあったそうですね?

「ほぼ順撮りです。映画の冒頭、二人が出会う楽しげなシーンが最初の頃に撮ったシーンなんですけど、あの時は、めちゃくちゃ楽しかったです。でも、撮影が進むにつれてきつくなってきて……。セットに軟禁状態だったジローの家でのシーンからヘヴィになってきて、地震のシーンではマックスでしたね。アクションの連続で体力的にきついというのももちろんありましたけど(*吹っ飛ばされるシーンでは失神も!)、朝から晩まで来る日も来る日も同じ現場というのは精神的にもきついんですよ。

毎朝オープンセットまでみんなで一緒にバスに乗って行くんですけど、もうそのバスの中の空気が憂鬱で重~いんですよ(笑)。でも、不思議なことに、今、あのバスの中のことが一番よく思い出されるんです。きつい撮影だったからこそ、スタッフとキャスト全員の間に、すごく一体感があったんですよね」

――綾瀬はるかさんとの共演はいかがでした?

「その地震のシーンでは、はるかちゃんは一日中ほこりまみれでした。本当に大変だったと思うんですけど、文句一つ言わず頑張っていましたね。僕、途中で何度も心が折れそうになったんですけど、はるかちゃんがいたから頑張れたなと本当に思います。

二人だけのシーンが多かったので、これはこういう風にしていこうとか一つずつお互いが納得できるように、はるかちゃんとはよく話し合いました。彼女が僕を背負うシーンでは、やっぱり緊張したんですけど、はるかちゃんが「大丈夫、軽いよ」って言うので、もう全体重預けてました(笑)。それでも彼女、100メートルくらい歩いてましたからね、すごいですよ」

――映画ではラブストーリーを中心に、作家性が強かったり、ユニークな設定であったり、何か個性のある作品への出演が多いですよね。小出さんにとって出演の決め手というのは、どういうものなんでしょうか?

「脚本に何か強さがあるものですかね。ヒットするとか、今話題だからとか、そういうことの前に、これがどうしても撮りたいんだという作り手の意志が見えるもののほうが好きなんですよね。何かメッセージを持っている作品に関わっていきたいなとは思いますね」

――学生時代には自主映画も撮っていたようですが、俳優の道を選んだのは? いつか監督に挑戦したい気持ちはありますか?

「自主映画って人がいないので、撮りながら自分も出演しなきゃいけないんですよ。で、やってみたら案外面白くて。映画業界へ俳優として入っていくのはいいかなと。
今すぐ、監督をやるというのは考えられないけれど、だんだん映画業界のこともわかってきて実現できそうな状況にいるのかもしれませんね。いつか自分で撮ってみたいとは思っています」

――小出さんの好きな映画、好きな監督、好きな俳優は???

「映画ではアカデミー賞をとったポール・ハギス監督の『クラッシュ』が好きです。ああいう人間群像劇が好きなんですよ。一つの答えに向かっていくものより、いろんな要素があって、観客にさまざまな受け取り方が提示されているような映画が好きなんですよね。

監督では、スタンリー・キューブリック。キューブリックは言葉ではなく、映像で語る人。そして、見ているこっち側に映像を通じて好きなように解釈させてくれる。僕は彼こそが一番の天才だと思っているんです。役者ではディカプリオかな。彼の芝居には決してポーズではないパッションを感じますね」

――では最後に、『僕の彼女はサイボーグ』を見てくれる人にメッセージを。

「一途な気持ちっていうのは必ず相手に伝わるものだし、エネルギーになり得るもの。その大切さを感じ取ってもらえればと思います。でも、この映画も観た人それぞれに解釈の仕方がある映画だと思うので、自由に楽しんでほしいですね。まぁ個人的には、今までとはまったく系統の違う映画に出たので、この作品での僕自身がどう受け取られるのかというのも楽しみではあります」

Profile

小出恵介
1984年東京都出身。2005年、井筒和幸監督の『パッチギ!』で映画デビューを果たした後、『リンダ リンダ リンダ』、『初恋』、『きみにしか聞こえない』『キサラギ』など、さまざまな話題作に出演。ドラマでの活躍もめざましく、現在は『ROOKIES』(TBS)にも出演中。

Pick up Artist

(C)2008「僕の彼女はサイボーグ」
フィルムパートナーズ

「僕の彼女はサイボーグ」
(2008年5月31日 サロンパス ルーブル丸の内他全国松竹・東急系にてロードショー)

主演:綾瀬はるか 小出恵介 監督・脚本:クァク・ジェヨン プロデューサー:山本又一朗 

●ストーリー
彼女のいない大学生ジローは、20歳の誕生日を一人孤独に過ごす覚悟だったが、「理想の彼女」と出会い、生涯忘れられない最高の時間を過ごす。その後、姿を消した彼女だったが、一年後、再会する。だが、なんとなく彼女の言動がおかしい。すると、彼女は、これから起こるアクシデントからジローを守るために、未来から送られてきたサイボーグなのだと告白する。二人は、さまざまな障害を経て大きな愛でつながり、やがて奇跡を起こす。







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