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今月の Pick up アーティスト
今、Fe-MAILが注目、話題、期待するアーティストをインタビュー。毎月紹介していきます。
恋、仕事、挫折、ファッション・・・、どんな素敵な話が飛び出すでしょうか。


This month Pick up ARTIST
#15 ANDY LAU(アンディ・ラウ)
interview
profile
1961年9月27日香港生まれ。美容師として働いていたが、1980年TVBの俳優養成所に入り82年映画デビュー。出演2作目の『望郷 ボートピープル』(監督 アン・ホイ)で注目され『愛と復讐の挽歌 野望編』(87年)や、『いますぐ抱きしめたい』(88年)『欲望の翼』(90年)(監督 ウォン・カーウァイ)で人気を得る。演技力も評価され、香港を代表する映画俳優として故レスリー・チャンやチョウ・ユンファとともにトップスターの地位を確立。近年はプロデューサーとしても活躍する一方、『インファナル・アフェア』の大ヒットで新たに実力、人気ともに不動となったアジアの大スター。
一番重要なのは観客の共感


 チョウ・ユンファがハリウッドに行き、レスリー・チャン亡き後、香港で映画に出続け、42歳の今もアイドルスター並の人気を誇るアンディ。『ファイターズ・ブルース』では常盤貴子と共演。本作『フルタイム・キラー』では反町隆史と共演し、殺し屋同士の奇妙な関係を演じた。取材には黒いセーターとナイロン素材のパンツ、白い登山靴風のブーツというラフな格好で登場したが、その後の劇場試写の舞台挨拶では3つ揃いのスーツでお出まし。小さな頭に端整な顔。小柄な身体にビシッと合ったスーツ姿はどこか精巧なフィギアを思わせた。日本でも絶大な人気を誇る彼に映画や演技のことを聞いた。

Fe-MAIL(以下F)-この映画は「フルタイム・キラー」という原作があって、それを気に入ったアンディさんが映画化(プロディースも兼任)を決めたわけですけど、原作のどういう部分に引かれたんですか?

アンディ・ラウ(以下A)-原作は1998年に刊行されたエドワード・パンという作家の同名小説です。発売されるやベストセラーになったものです。これは私の会社のスタッフの女の子が読んで、感動したと薦めてくれました。彼女はこれを映画化すればまた女の子のファンが増えると言ってね(笑)。私も読んでみて、殺し屋の生活や心理状態、殺し屋の世界の構造が事細かに書かれていて興味を持ちました。でも、映画化したのは原作のほんの一部です。

F-今回のトク(役名)という殺し屋はいつも笑顔でガンガン銃を撃ちまくって人を殺す男で、いつになくアンディさんの笑顔をスクリーンで堪能できたのですが、トウ役をどう分析しましたか?

A-彼は自分の運命をよく分かっている男です。自分は殺し屋として世界一になれる力があるけど、身体に欠陥がある。だから世界一に多分なれないだろう。それが分かっている。でも、そんなことで腐っていたくないので楽しく生きたいんです。殺しも楽しくやりたい。彼の笑顔は世界の全てに向けられた不満や心残りなんです。

F-シリアスな顔より笑いながら殺す方が怖いですよね(笑)でもずっと笑いながら演技するのって難しいのでは?

A-笑い過ぎないようにしました(笑)。

F-日本語でのセリフがたっくさんありましたけど、ヘタでしたね(笑)。5年勉強したのですか?(これは劇中のアンディのセリフに「日本語を5年勉強した」というのがあったのでジョークのつもりで言った)。

A-(大苦笑)。5年もしてませんよ。3ヶ月ですよ。

F-あっいや映画の中で「5年勉強した」って言ってたので・・・。(と、自分のジョークを説明するハメに)

A-映画の中ではセリフでそう言ってただけです(わかってるっちゅうねん。冗談の通じない生真面目なアンディであった。いや、もうセリフなんか忘せてるよね。)あれでもベストを尽くしたつもりなんです。全ての日本語のセリフは難しかった。たとえば「なに?」という簡単な言葉でも。何度か繰り返して言って、どれかに言語指導の方がOKを出してくれるのですが、どれのなにが良かったのかさっぱり分かりませんでした(笑)。

F-(ヘタという日本語は通訳を入れる前に分かったようだった。その時のアンディの顔は「アチャー」という感じでなかなか素が出てて可愛かった)。ハハハ。あの、トクを演じるのに気をつけたとこって笑いすぎないってことと、他には?

A-全身のボディランゲージが重要でした。彼が殺しをする際の動きを、どうしたらダンサーのように優美に見せられるか?指揮者のような動きもイメージとして入れました。赤い皮のジャケットの裾を、殺しの後でバッと両手で払ったのも舞台で殺しを演じて役者がお客に挨拶をするような気持ちで大げさに後ろを向いて裾を払ったんです。この映画は最初のコンセプトとして舞台劇的なものにしたかったので。

F-反町隆史さんとの共演はいかがでした?

A-彼は見た目はクールですが、仕事に対してとても情熱的なものを持っている人だと思います。アクションの経験が少ないのによく練習してやりこなしてくれました。プロフェッショナルな役者だと思いますよ。彼の役は内に情熱を秘めた殺し屋だったので、彼のシーンはモノトーンが多く、アクションも止まった感じにしました。対して私の役は、人生は短いということを実感してる男なので、全てにきらびやかでアクションもオーバーでカラフルな衣装や画面が多いですね。ラストの花火の中で死んでいくシーンも派手で、そしてロマンチックでかっこいいですよ。

F-では、最後にアンディさんの人生哲学は?

A-自分は世界中に受け入れられるタイプの俳優ではないと思います。しかし、いつも自分の良心に恥じない仕事をしていこうとは思っています。演技に関しては人を感動させることが重要です。観客が、私が解釈して役に投影する感情と同じ感情を感じてくれる。つまり共感することです。それでこそ演技だと思います。私はずっとそういう演技を目標にしています。

F-人を感動させる演技のコツはあるんでしょうか?

A-リアルであることです。

F-リアルな演技をするために日々気をつけていることは?

A-ひとつの事柄に対して反応や見方は人によって違います。たとえば悲しい時には泣く人もいるし、苦笑する人もいる。いろんな人がいろんな事柄にどういう態度や反応をするか、日々観察し、研究しています。演技というのは決まったものなどないのです。一番重要なのは自分の演技に観客を共感させることですね。

F-本作の後には『インファナル・アフェア3』に『HERO』の続編とも言える『十面埋伏』が新作として待機してますね。楽しみです。


『フルタイム・キラー』ストーリー

一匹狼の殺し屋O(オー)(反町隆史)はマレーシアでの仕事遂行の際に、殺しを目撃した級友を口封じに撃ち殺す。眉ひとつ動かさず人を殺すオーは、殺し屋の世界ではナンバー1だ。そんなオーのことをリスペクトしながら、邪魔に思っている男がいる。彼は笑顔で仕事を請け負い笑顔で人を殺す殺し屋トク(アンディ・ラウ)。トクはオーの家政婦チンに近づき彼女に好意を抱く。しかしオーもまたチンに好意を寄せていた。オーとトクを躍起になって追う香港国際警察のリー刑事はトクの正体を暴くが、同じ頃オーもトクの生い立ちを突き止めていた。トクは癲癇の持病を持ち、笑顔の影で常に死の恐怖に怯えていた。それでもトクは殺しの世界でナンバー1になるためにオーに戦いを挑む・・・。

監督 ジョニー・トウ、ワイ・カーファイ
出演 サイモン・ヤム、ケリー・リン
●2月21日から東京・東劇、他
●大阪・ブルク7、他にてロードショー
●配給=彩プロ

文/一宮千桃


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#62 石丸幹二 #61 加藤ローサ
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