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今、Fe-MAILが注目、話題、期待するアーティストをインタビュー。毎月紹介していきます。
恋、仕事、挫折、ファッション・・・、どんな素敵な話が飛び出すでしょうか。 |

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乙武洋匡さん 1976年4月6日生まれ。東京出身。大学在学中に、自身の経験をユーモラスに綴った『五体不満足』(講談社)を出版。多くの人々の共感を得て500万部を越す大ベストセラーに。「スポーツの素晴らしさを伝える仕事がしたい」と大学卒業後『Number』(文藝春秋)連載を皮切りに執筆活動を開始。スポーツ選手の人物を深く掘り下げる眼に定評を得ている。TBS系『ニュースの森』でサブキャスターを1年勤め、テレビ朝日系『Get! Sports』でナビゲーターを勤めるなど、幅広い活動を行う。現在は、『Number』(文藝春秋)や、『Sports Yeah!』(角川書店)、『週刊ベースボール』(ベースボールマガジン社)などに寄稿。著書に、『W杯戦士×乙武洋匡』(文藝春夏)や『残像』(ネコ・パブリッシング)などがある。 オフィシャルHP:http://www.ototake.jp
JUNICHIさん 1989年9月17日生まれ。大阪出身。6歳の時にNYを訪れ、自由の女神の前で描いた絵をきっかけにドローイングに目覚める。8歳で大阪・中津カンテ.Gにて初個展を開催。2年後には、初の作品集『JUNICHI』(小社刊)を出版。12歳の夏には、念願のNY個展を開いた。個展を中心に全国的に活動し、14歳の現在ですでに30回を越える個展を開催。NYのテロ以降始まった、平和のためのチャリティー個展『JUNICHI+LOVE+PEACE』に力を入れており、グッズの売り上げの一部を寄付する活動を続けている。『JUNICHI 2号』(マガジンマウス刊)、『JUNICHI [EURO]』(マガジンマウス刊)など作品集を出版するなど、学業と作品発表の両立をこなす。 オフィシャルHP:http://www.h6.dion.ne.jp/~junichi/ |
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日に日に不安定さを増す世界情勢。本当に平和な日なんてやってくるのでしょうか?日本人としてできることは?同じ人間として考えなくちゃならないことは?そんな不安な毎日をきっかけに本業の、スポーツライターから少し離れて、ひとつの物語を書き下ろした乙武洋匡さん。さらに、物語の登場人物たちを個性的に書き、ストーリーをさらにのびやかに表現したのが、西宮に住む14歳の天才画家・JUNICHIくん。年齢は10歳以上離れてますが、2人は信頼し合う友達同士のように見えました。4月22日に発売になった、2人の共同作品『Flowers』についてじっくりとお話を伺ってきました。
Fe-MAIL (以下F) -乙武さんとJUNICHIくんが共同で作られた絵本『Flowers』が発売になりましたが、そもそもお二人が出会われたきっかけは何だったんですか?
乙武さん(以下O)- 3年前にNHKで、JUNICHIくんの活動を取り上げられているドキュメンタリー番組を見たのがきっかけです。その時、強烈に彼と友達になりたいなぁと思って、その番組の中で紹介されていた彼が通っている小学校に直接電話をかけたんです。当然、不振がられちゃいましたが・・・。(笑)とにかく友達になりたいんですということを一方的に伝えたら、「一応、ご家族の方にお伝えしておきます」と言って頂いて。後日、お母様からお電話を頂き、事情説明させてもらったら、「JUNICHIが何と言うか分からないですが、(JUNICHIに)お手紙を頂戴できますか」と言って下さったのです。さっそく彼に僕がラブレターを書きまして。もう、ほとんど僕のストーカーのようなところから友達になりました(笑)。
F-NHKの番組で取り上げられたJUNICHIくんの絵に、どんなことを感じたんですか?
O-相当、衝撃的でしたね。実は、僕は、絵や美術にあまり興味がない人間で(笑)。美術館には、何度か行ったことはあるんですけど、感動した絵の前で、何十分も立ち止まってしまうなんて話を聞きますが、僕にはそういう経験がまるっきりない。それが、彼の絵をブラウン管を通して見た時に心を動かされたというか。もちろん、絵と同様に彼のキャラクターにもすごく惹かれました。JUNICHIくんは、当時12歳だったので生き方という表現が合っているか分かりませんが、自分とすごく対照的なものを感じて会ってみたいなぁって思ったんです。自分で言うのはおこがましいんですが、2人が出会って、何か生み出されるかもしれないパワーっていうのが、楽しみだなって感じたんですよね。
F-JUNICHIくんは、乙武さんからのラブレターを読んでどうだった?
JUNICHI(以下J)-字が綺麗な人だなーって(笑)。すごく嬉しかったです。
O-僕のやってること、本当にストーカーだよね(笑)。
F-絵本を作ろうって話を持ちかけられたのは、乙武さんの方からだったんですか?
O-はい。去年の春ごろにJUNICHIくんに「こんな話考えてみたんだけど、こんなコンセプトで絵本作ってみない?」って電話してみたんですけど、こいつ考えたのか考えてないのか分からないんだけど「やりましょう」って。「おいおい、もう少し考えようよ」って言うぐらい即答してもらいました(笑)。
F-この絵本の中には、平和という大きなテーマが流れていますよね。ちょうど出版の計画があったのが一年前だから、やはり現在も続いているイラク戦争がきっかけとなって絵本を作ろうと思われたんですか?
O-はい、そうですね。着想を得て、こうして出版できるまで丸1年かかってしまって、当初は1年も経ったらタイミングとしてはズレちゃうねって話をしていたんですが、1年経っても、まだタイムリーな話として出版しなくてはいけないのが、すごく悲しいことだなと思います。時期はずれなものになってくれるのが一番良かったんですけどね。
F-平和への働きかけを絵本という方法で伝えようと思われたのは?
O-僕の今の本業はスポーツライターなんですが、そういった職業的な枠にとらわれず、一人の社会人として、一人の人間として平和に対する働きかけができないのかを考えた時に、今の自分には文章を書くことだった。自分で考えた話や、文章を通じて、平和に対するメッセージを伝えられたらなぁって思って、そこから絵本の物語を考えました。
F-ストーリーの構成は乙武さんが考えられたんですか?
O-はい。本の構成は僕が担当して、キャラクターの設定は、全部JUNICHIくんが担当してくれました。花を主人公にして、こういう話にしたいという僕の希望を彼に伝えて、JUNICHIくんが全部のキャラクターを作ってくれました。
F-出来上がったキャラクターを見てどんな印象を受けられましたか?
O-もう衝撃的でしたね。こんなユニークなキャラに仕上がったんだって。すごく嬉しかったですよ。
F-キャラクターを考える時に、産みの苦しみみたいなものはあった?
J-苦しみはなかったです。
O-スゴイよねぇ。僕なんて頭固いからキャラを考えても、ヒマワリやヤマユリみたいに、既存の花しか思い浮かばないんですよ。それがJUNICHIくんは自分で作った架空の花に見事に性格付けさせてくれて。彼にお願いして本当に良かったと思います。
F-JUNICHIくんは子供の頃から絵を書くのが好きだったの?
J-そうですね、幼稚園の頃から自分で進んでよく描いていました。
F-学校と絵を描くことの両立は大変じゃないですか?
J-大変ではないです(笑)。学校から帰ってきてからすぐに勉強を終わらせてしまって、夜は、絵を描く時間っていうふうに決めているんです。
F-将来は何をしたいとか、もう決めてる?
J-微妙です(笑)。アレもしたい、コレもしたいというのがすごく多いから。
F-今一番やりたいことはどんなこと?
J-まだやってないことに挑戦したいです。
F-自分の書いた絵が本になったりするってスゴイですよね。
O-本になるのもスゴイですけど、中学3年生で、あのあとがきを書けるのがスゴイ!ですよね。
F-確かに、そうですよねぇ。本は読むことが好きだったの?
J-はい。
F-じゃあ、ちなみに今、一番好きな作家は誰ですか?
J-今はまっているのは芥川(龍之介)。前に読んでいたのが司馬遼太郎。
F-すっごいですね。乙武さんは、たくさんの書籍を書かれてますが、ベストセラーになられた『五体不満足』を書かれてから世界観が広がったり、新しい出会いも多かったのではないですか?
O-そうですね。出会いとか仕事のチャンスとか広がりましたね。
F-そんな中で、なぜスポーツライターに?
O-まず一つに、スポーツというのが、子供の頃から一番好きな分野だったということが大きいですね。そして、世間の方や本を読んでくださった方が、僕に対して望んでいることや予測していたことが、バリアフリーとか障害者福祉という世界だったんですが、これから自分が30年、40年と社会人として生活していく上で、そういったイメージは払拭していかないと選択肢が狭まってしまうなぁっていうのを感じていました。全く逆つまり180度違う方向で、一生懸命仕事することによって、そういうイメージを少しずつ薄れさせていけたらなぁっていう想いがあります。たまたまスポーツが一番好きだったので、それが一致したという感じですね。
F-スポーツライターは、試合の感動を後になって伝える仕事ですよね。読み手にも少し後になって伝わるわけで、すごく難しい仕事だと思うんですが、その辺りで書くことに悩まれることはありませんか?
O-僕の原稿は、試合自体のことを描くことがあまりないんですよ。選手の人となりを描くことをメインにやっているので、じっくり話が聞けて、選手の素顔や本音をきっちり引き出せていれば、時間が経ってもグッとくるものだと思っているので、そういう意味では悩んだことはありませんね。文章力にはあまり自信がないですが、インタビューの方で頑張っていきたいって思っています(笑)。
F-『Flowers』のようなコラボレーションの第2弾、第3弾というのは?
O-まぁ、今回僕らは絵本という形でコラボレーションできたので、次回は、CDか漫才かどちらかで(笑)。
J-ゆっくり考えます(笑)。
F-今回発売された『Flowers』。誰に一番読んでもらいたいですか?
J-基本的に誰でも。書店で目について、見たいと思ってもらえたら嬉しいです(笑)。
F-乙武さんは?
O-小泉さん!!
F-少し前まで、遠い国のアメリカとイラクとの戦いというイメージが強かった今回の戦争ですが、日増しに日本の問題、そして人類の問題でもあるように、見方が変わってきましたよねぇ。
O-日本は、今までずっと平和ボケと言われるぐらい、戦争や紛争について考える機会がないままきてしまったと思うんですが、僕は、ある意味、そのままの方が良かったと思うんですよ。いいじゃないですか、平和ボケで。でも、平和ボケしていられない状況になってしまった今、これまで考えてこなかった課題を真剣に考えるチャンスだと思います。僕自身も、去年のイラク戦争が起こったことがきっかけで、この絵本の製作を考えたわけだし、JUNICHIくんが平和やPEACEというテーマで、絵を描くようになったのは9.11が大きなきっかけになったと聞いています。身近で、何かが起こってしまったからこそ、僕ら若い世代が、何かしなければいけないという思いに駆り立てられてきているのは確かなことだと思うんです。いっそ平和ボケのままでいられたら良かったんですが、今ある状況の中では、若い人達を中心に僕ら日本人が戦争や紛争について、もっと考える時期なのかなぁと思います。そういった意味で、この本が皆さんに考えるきっかけを与えられればいいなぁ、と考えています。
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4月22日新刊 『Flowers』(マガジンハウス)1260円 乙武洋匡 文&JUNICHI 絵 |
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