
実はNHKの「100語でスタート!英会話」はたまに見ていて、このテンション高い女の子は誰だろう?と思っていたところ、週刊誌でナカナカ大胆でセクシーな水着姿を発見。「綺麗な体だなぁ」と見惚れてしまった。そしたら『駄目ナリ!』というドラマに高校生として出演していて、見たら自然な演技でいい感じだった。そして取材でお会いした杏さゆりさんは、今まで私が見てきた杏さんとは全然違うイメージで驚いた。かなり低い声で冷静に自分のことを話す。若干20歳(取材時)なのにしっかりしているし、賢い。『駄目ナリ!』のお話や、留学のことなどをいろいろ聞かせていただいた。
Fe-MAIL(以下F)―『駄目ナリ!』はコンビニを舞台に繰り広げられる全12話の群像ドラマで、テレビ放映の翌日ビデオ、DVDレンタル開始という新しい手法のドラマでしたが(現在セルDVD発売中)杏さんが演じた高校生、麻美はどんな女の子だと思いました?
杏さゆり(以下A)―麻美はイマドキの女子高生で、両親の離婚後、父親と二人暮らしなんですが、父親とうまくいってないんですね。寂しさからコンビニに入り浸って、親と仲良くできないという心の傷があるので、周りの人に対して素直になれない。人に対して壁を作ってる子で、そういうとこは私自身に近いですね。ほんとは彼女は優しくていい子なのにその壁のせいで仮面をつけている。自分の甘さを他人に見せない子だと思います。
F―そんな彼女がどう変わっていくんですか?
A―その壁を崩していって彼女の優しいとこが出るのが9話です。みんなと馴染んでいくんですね。それは私もこの現場でそうで、最初皆さんと初めて共演して、毎日毎日だんだん仲良くなっていって、麻美と同じように成長していく。私も共演者や監督に対して壁を崩していったのは同じです。
F―麻美に足りないものはなんだったんでしょう?
A―彼女は強がりで実は弱い。もっと人に甘えることを覚えてもいいと思う。あまり人を頼らないで、一人で何でもしようとする人。彼女はもっと強くならなきゃいけないと思う。人を信用することってすごく大変なことでエネルギーがいることだと思うんですよ。人を信用して頼るということにもっとエネルギーを使える強い子にならないといけないと思いますね。
F―それは杏さんの経験からの意見ですか?
A―ええ。私も人に対して壁を作るタイプで、壁のせいで両親と対立したこともあったし、その壁を取り除いて心を開くのにものすごくエネルギーがいったので。心を開いた友達とは今でも仲がいいし、両親とも今は仲がいいです。そういう経験があったから言えることです。
F―心を開くのってむずかしいですもんね。閉じるのは簡単だけど。
A―ええ。人に寄ると思うけど。浅く広いつきあいをする人には簡単かもしれないけど、深く狭いつき合いをする人ほど心を開くのはエネルギーがいると思う。だって自分をさらけださないといけないし。この深く狭く人とつきあうっていうのは、昔からで、地元(神奈川)には少ないけどずっと仲のいい仲間がいます。
F―麻美役、とても自然な演技でしたけど、杏さん自身に近い部分が多かったからなんですね。
A―すごく近い性格ですね。唯一違うのは家庭環境ですかね。
F―現場はいかがでした?
A―とても和気藹々でした。夕方から朝までというハードなスケジュールだったんですけど、盛り上げ役の人や、気遣い役の人がローテーションで、もちろん私も(笑)。みんな仲良くていい感じでしたね。野口監督も私の意見をちゃんと聞いてくれたし、何度助けられたか(笑)。お互い共感しあいながら作ったって感じです。すごくいい監督です。
F―NHKではかなりテンション高いですけど、グラビアとテレビとドラマってスタンスはそれぞれ違うんですか?
A―グラビアもドラマも司会もバラエティも基本は同じですね。全部演技と思ってやっているので。写真1枚でも見る人の受け取り方がいろいろあると思うんです。たとえばジュース飲んでる写真1枚。でもほんとにおいしいって顔して飲んでたら、「あーっおいしそうだな、買いたいな」って思うじゃないですか?そう思わせるのって演技力だと思うので、グラビアでも全て演技だと思ってやってるんです。女優さんになりたいのね。だから全てが演技の勉強だと思ってます。私生活も全部演技だと思っていますね。
F―小さい頃から女優を目指してたんですか?
A―なりたいな、という想いが出てきたのは中学ぐらいです。私は物心ついた頃から、全ての自分の行動を客観的に見てるもう一人の自分がずっといて、演技するときは、その私の中のもう一人の自分が教えてくれるので、自然な演技ができるのだと思うんです。
F―へーっ。じゃあ日々人や自分を観察してるんですね。
A―すっごく人のことも自分のことも観察してます。自分の後ろにいつももう一人の自分がいますよ。
F―イギリスに留学してらしたそうですが、一番の収穫は?
A―自分の意見をはっきり言うってこと。イエスかノーかをはっきり。あと、間違えることは恥ずかしいことじゃないってこと。授業中に知らないことを聞くのも恥ずかしいことじゃない。後は、自分をさらけだすってことが楽しくなったかな。英語だから日本語で話してるより気使わないんですよ。もう伝えたいって気持ちが一番なので、どうやったらこれが伝わるんだろう?ってジェスチャー交えて一生懸命話すじゃないですか?そしたら自分の素が出てくる。そういう風に話してる時はすごく楽しかった。ラフなつき合いがステキでしたね。それは自分の中で大きな収穫かな。日本でもそれは生かされてますね。バラエティでもバーッとした明るさが出せるし。
F―仕事をしていく上で大切なことってありますか?
A―いつも笑顔でいること。笑顔は幸せを呼ぶし、男の人ばっかりの現場で女の子一人ニコッと笑顔でいるとすごく明るくなるから。それは『駄目ナリ!』の現場で思ったんですけど、主人公の妹役の方が、現場でうふふって高い声で笑ってて、それがすごく可愛くて、ホッとしたんです。私なんか声低いんで駄目なんですけど(笑)。いつも笑顔で「おはようございます」って言うだけで、1日のスタートも周りの印象も全て変わってくるから笑顔でいようと。笑顔でいるとつまんないことも楽しく思えてくるんです。
F―そうですね。ところで、日々心がけていることってなにかありますか?
A―美肌づくり(笑)。日焼けや寝る前に化粧落とすことや、自分で髪をトリートメントするとか、何気ないことですけど気をつけてますね。
F―精神的なことでは?
A―いつも強くなりたい思ってます。お菓子を食べない強さ。自分に負けないように。決めたことはやり遂げる強さ。自分はあまり自分のこと好きじゃないんで、好きになれるように努力してる自分は好きなんですけど。がんばってる自分が好きなんですね。
F―じゃあ最後に『駄目ナリ!』について一言。
A―はい。この映画は見てる人が誰かしらに絶対共感できると思うんです。イジメや、親への反抗とか。そういう経験のある人は「あっ別にがんばり過ぎなくていいから、ちょっとでも前に進もう」という前向きな気持ちになれると思う。全部見終わって、少しでもそういう気持ちになってくれたら、すごく嬉しいです。
F―ありがとうございました。
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「駄目ナリ!」(2004年) 監督・脚本 野口照夫 出演 笠原紳司、白川裕二郎、杏さゆり、青山草太、渡辺えり子
■ストーリー 深夜のコンビニ「ルーデンス」に夜毎集まってくる変な奴ら。過去がありそうで元やくざなのにかなりノーテンキにいいかげんな店長、甲本。かつて甲本の弟分で、今は組を破門になった黒山。イマドキの女子高生、麻美。挫折した研修医。元いじめられっ子の秀才。 正義感ゼロの警察官。盗癖持ちの男・・・と妙な奴らが繰り広げる、涙あり笑いありの人間ドラマ。 ■全12話のセルDVDが発売中 (関西地区TSUTAYA・タワーレコード、TSUTAYAonlineにて) ■関連サイトhttp://www.damenari.com |
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| 文・取材/一宮千桃 |
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